思想

2021年09月14日

菅総理が自民党総裁選に不出馬というニュースが出たのが10日ほど前でしたか。なぜ菅に不出馬の理由を聞くのか私にはさっぱり意味がわからなかったです。


なぜ核心の人物に聞かないのか
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菅は総理を辞めるんじゃなくて辞めさせられるんでしょ。麻生に「おまえじゃ選挙に勝てない」と言われ、後ろ盾の安倍晋三にもそっぽを向かれて四面楚歌状態。不出馬という選択肢しか残っていない。自分で選択したんじゃないんだから不出馬の理由を菅に問うのはおかしいと思う。「コロナ対策に専念するため」と取ってつけたことしか言ってなかったけど、「俺に聞くなよ」という気持ちだったのではないか。

院政の慣習が残るこの国では核心の人物、「本当の権力者」に話を聞きに行かない。どう考えても自民党を牛耳っている安倍と麻生が本丸だろうし、まだまだ忠犬ポチ=安倍に頑張ってもらいたい宗主国アメリカの意向もあるだろうに、誰もそういう「本当のこと」は言わない。言わないからこれからも政権交代しない以上は安倍の院政が続くのだろうなぁ、と暗い気持ちになる。


憲法九条に関して
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かなり前から叫ばれている改憲問題。他の条文はともかく、九条に関しては「よくわからない主張」が幅を利かせてますよね。曰く、

「自衛隊は実質的には軍隊。現実にそぐわないから九条は改正すべき」

現実に合わせて理念を変えようというのがさっぱりわからない。理念に合わせて現実のほうを変えていくべきじゃないの?


河野太郎の変節
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総裁選の最有力候補と言われる河野太郎が反原発思想の持ち主だったことを不覚にもまったく知らなかったけど、このたび、祖父の代からの「河野家の悲願成就」のため現実路線に変更し、原発を容認することにした、と聞いて唖然となった。

いや、この言い方は正確ではない。正確には、「現実路線のために理念を変えざるをえなかったのでしょう」と解説するコメンテーターもそれを聞いている人たちも「それが当たり前」と思っているらしいことに唖然となった。

総理になるために信条に反する思想を掲げる。なるほど、石破が総理総裁になれないのはそういうところがないからだろうか。と思ったりした晩夏の夕暮れでした。



第一章 組閣
菅田将暉
2015-08-04






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2021年08月20日

2,3日前に「スマホOK映画館を作るべきでは」という声が紹介された記事を読みました。

何でも、「90分とか120分とか長時間映画館の席に縛られるのが耐えられない」「スマホでLINEをチェックしたり気になる情報を見たいから上映中にスマホを見たくてしょうがない」という集中力のない若者が激増しているからとか。

笑止千万。そんなもんアカンに決まってるやろ! 映画はスクリーンに反射した弱い光の明滅であって、スマホの強烈な光がそこかしこから差し込んだらちゃんと見れないではないか。それ以前に、90分も我慢できないなら映画館に来るなと言いたい。

スマホOK映画館に関しては以上の言葉しかありませんが、ツイッターでは映画館におけるマナーを語る人たちが急増して、私はそっちのほうに興味をもちました。

「ぺちゃくちゃ喋るな」
「レジ袋をガサガサやるな」
「トイレに何度も行くなら真ん中に座るな」

こういうのなら大賛成ですが、「映画館に飲食物をもちこむな」という言説にはまったく賛同できません。彼らは「映画館のコンセッションスタンドで売ってるものを買わないと映画館の収益が上がらない」というんですが、私たちは映画館を儲けさせるために映画を見てるんですか?

以前にも書いたことですが、映画館への飲食物のもちこみは何ら問題ありません。

チケット代の半額は配給会社へ返さないといけませんが、飲食物の売り上げはすべて映画館の懐に入る。儲けようとして「コンセッションスタンドでお買い求めいただいた飲食物以外のもちこみを禁止させていただいております」などとアナウンスしているわけです。

映画館は映画を見せるのが本業であって、飲食物販売は副業にすぎません。チケットは買わないと入れないが飲食物は買わなくても入れるでしょ。そういうことです。映画泥棒したら捕まるけど、飲食物をもちこんでも「持ち込みは遠慮してください」と嫌味言われるだけ。あるいは何も言われない。そういうことです。

しかし、そんな私でも飲食物を買う映画館があります。

神戸の映画ファンなら誰でも知っているパルシネマさんやシネマ神戸さん、元町映画館さんです。前者二つは二本立てで見せる名画座。(ちなみにこの三つの映画館はすべて飲食物の持ち込みOKです。本当に持ち込みがダメならなぜOKの映画館があるのでしょう?)


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(パルシネマ)

私は人見知りなのでこちらから映画館のスタッフに話しかけることはないし、強面なので向こうから話しかけてくることもないですが、他のお客さんとスタッフや支配人さんが喋っているのは何度も見たことがあります。シネマ神戸さんや元町映画館さんでもね。

「今日の映画は最高やった。今年一番やね」
「ありがとうございます。自分が作ったわけでもないのにすごくうれしいです」

こういう「人間の顔」がちゃんと見えている昔ながらの牧歌的な映画館なら、「少しでも助けになるなら」と紙コップのコーヒーを買ったり、駄菓子を買ったりします。(ポップコーンやホットドッグなどは置いていない)

でも、「持ち込み禁止」を謳ってるところってどこも大手シネコンで、お客さんとスタッフが会話してるところなんて見たことない。具体的な「人間の顔」が見えない映画館を「助けてあげよう」とはどうしても思えない。思える人の感性がわからない。

映画とは「人間の営み」を映し出すもの。なのに「人間」が見えないところ、「システム」しか見えないところに対し「助けてあげよう」と考えるのは人間の営みに反しています。極言してしまえば、システムだけが露骨に前景化して人間が後景に退いているものを人間扱いする人は映画ファンにあらず!

それから、我々映画ファンは映画の「消費者」です。そして消費者とはマルクスによれば「労働者」です。労働者がなぜ資本家を肥え太らせるために行動するのか少しもわからない。『怒りの葡萄』を見て何を学んだのでしょうか。

ところで、映画館を支えるためにお金を落とそうとはいっても(この「お金を落とす」という言い方が私はすごく嫌い)製作者たちにお金を還元しようという声が上がらないのはどうして? 

あるサイトでは、「チケット代の半分が配給会社に取られる」みたいな書き方がされてましたが、違うでしょ。製作会社が映画館に半分も取られてるんでしょ。残りの何割かは配給会社が取り、製作会社の取り分はごくわずか。農業と同じですね。作っている人が一番儲からない。この仕組みに少しも疑義を呈さず映画館だけ儲けさせようというのが本当にわからない。

食欲はなくなることがないから、飲食物の売り上げはある程度あらかじめ確保されています。それで充分では? それ以上助けてあげる必要はありません。そんな余裕があるなら、クラウドファンディングにでも回したほうがよっぽどいいぜ。

製作・配給・興行。この三つはどれも大切だけれど、土台となるのは製作でしょ。作る人がいなくなったらいくら小屋があってももう映画は見れなくなる。

それに料金設定が高い。一番小さいサイズのドリンクでも250円とか300円もする。いくら何でも高すぎ。普通に100円とかで販売したらどうか。それなら買ってやってもいいが。先述した牧歌的映画館で売ってるドリンクや駄菓子はまさに100円程度。

高い料金設定をして、そのうえさらに持ち込み禁止と洗脳する。ボロ儲けする気満々なのが見え見え。なのに騙されている人の何と多いこと。

自分たちが収奪されていることに早く気づいたほうがいい。


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加藤 幹郎
中央公論新社
2006-07-01





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