アニメ

2021年05月05日

4月も終わり、もう5月。春の新ドラマ・アニメも少なくとも第1話を終えました。

私が見始めたのは何と9本もありました。抑えるつもりだったのに結構見てる。いまでも見続けているのは3本だけですが。

見た順に感想をつらつらと。


『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
これは3年前に話題になったエッセイというか、私小説的ビルドゥングス・ロマンといったほうがいいのか、ともかく花田菜々子という人の実体験をもとに綴られたタイトル通りの物語。

本は面白かったけど映像化作品はつまらなかった。全部見てないけど、あの瀧本美織がカメラ目線で思っていることを言うのが決定的につまらないというか、ああいうのはやはり禁じ手だと思う。よほどのことがないかぎりモノローグやナレーションは映像作品には似つかわしくない。もっとハードボイルドに徹してほしい。


『川のほとりで』
これもWOWOW製作作品。綾田俊樹とベンガルという東京乾電池の二人がコンビを組んでホームレスを演じる。というから面白そうだと見たんですけど、1話でギブアップ。何の創意工夫もなく。


『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』
higewosoru

今クールで唯一見ているアニメ。愛すべき先輩・村越繁さんがシリーズ構成を務めている『ゾンビランドサガ・リベンジ』も見なきゃいけないかなとは思ったけれど、あれはやはり私の肌には合わないのでやめた。

この『ひげを剃る。~』は何といっても拾った女子高生・沙優を自宅に泊めてやる主人公・吉田が沙優に一切手を出さないのが新しい。こんな男いるか? とは思うが、そもそも沙優の存在が男にとってファンタジーなんだし、吉田のような女性にとってのファンタジーも出したほうが男も女も楽しめる。

北海道から東京まで男に体を提供して泊まり歩き「男はみんなそういうもの」というネガティブ思考に憑りつかれた沙優を、つまりは暗黒面に堕ち逆境に陥っている沙優をヒーロー吉田は本当に救えるのか。私の大好きな神話的世界観がどのような形で幕を閉じるのか、興味津々。


『きれいのくに』
kireinokuni

これは毎回驚きの連続ですね。第1話の主役だった吉田羊が蓮佛美沙子に変わり、え? と思ったら次はもっと若い女優に変わり、何だ何だと思ったら彼らはフィクション世界の登場人物。でも演じていた吉田羊は実在するらしい。

そして誰に何をインタビューしていたのかよくわからなかった稲垣吾郎は学校の教師で、というか、この作品の世界では男はみな稲垣吾郎の顔で女はみな加藤ローサの顔に整形するのが普通。整形しない人を特別に「プレーン」と呼ぶらしい。面白い着想。

どうも、稲垣吾郎が担任を務める高校のクラスの三角関係がメインらしく、彼ら高校生が主役みたいだけど、はたして本当にそうか。

脚本の加藤拓也さんは名前すら知らなかったけど、「全8話すべて見終わったとき初めて理解できるものをやろうと思った」と語っていて、とても野心的な試み。どのように着地するのか楽しみでしょうがない。


『生きるとか死ぬとか父親とか』
吉田羊と國村準のアンサンブルは素晴らしいと思って見始めたけど、お話があまりにつまらなくないですか? 田中みな実もラジオ収録現場にしか登場しないし。田中みな実主演のドラマが見たい。


『大豆田とわ子と三人の元夫』
これは『出会い系サイトで実際に70人と会って~』と同じくナレーション過多で1話の半分ももたなかった。坂元裕二さんは一応恩師だから見続けたかったけど、あのナレーションのオンパレードには体が拒否反応を示してしまって。

この連休中に、お気に入りのアメリカ映画『フリークス/怪物團』『ローリング・サンダー』『ゼイリブ』『氷の微笑』などを見直したのだけれど、やはりどれもハードボイルドに徹したいい映画だと思った。映画とテレビドラマは違う。テレビドラマは「映像付きのラジオドラマ」とはよく言われるけど、それでもやっぱり私はハードボイルドに徹したドラマを見たい。『きれいのくに』はとてもややこしい世界を描いているけど、ナレーションなんかないでしょ。説明的なセリフはあるけど、それは致し方ない。


『今ここにある危機とぼくの好感度について』
大学の不祥事を発端にしたトラブルのあれやこれやをコミカルに描くという意気込みは大いに買いたいところですが、松坂桃李の芝居が違うのではないか。あの芝居では彼は最初から問題を適当に処理しようとしていたように見える。そうじゃなくて、どこまでも大真面目なほうが笑えるのでは? コメディの鉄則。そこそこ真面目だけど時折垣間見えるふざけた笑みがすべてをぶち壊している。松坂桃李が悪いのではなく、脚本家が書いた芝居、監督が現場でつけた芝居が間違っていると思う。

鈴木杏の芝居はとてもいい(ライティングとアングルもいい)。まだ10歳だった『青い鳥』から24年。隔世の感があり、私の知るかぎりこれが彼女の最高作とは思うものの、いま忙しいので見るのやめました。渡辺いっけいの絶妙な芝居を見るだけでも、と後ろ髪引かれる思いがするけど思い切って。


『ドラゴン桜』
doragonzakura

これは今クールで最も罪の重い作品。私にとって。

第1話は痛快な勧善懲悪で大いに溜飲が下がった。週末の最後にこのようなストレス解消ドラマは大変よろしいと思っていたら、第2話が許せなかった。

平手友梨奈が膝の半月板損傷を隠して練習していたなんてありえない。私もかつてバドミントンをやっていたし、両膝の半月板を損傷している。半月板損傷というのはあのように時折痛みが走る怪我ではない。恒常的に痛いのだ。そこは百歩譲るとしても、損傷したままバドミントンのような激しいスポーツができるわけない。ジャンピング・スマッシュなどもってのほか。バドミントンを舐めている。世界で一番ハードなスポーツは何か。二説あって、1位がバドミントンで2位がバスケ。もうひとつは1位がバスケで2位がバドミントン。つまりはその二つがダントツでハードだということ。

面白いか面白くないかと言われたら面白い。でももう見ない。これは創作における「倫理」の問題である。


『半径5メートル』
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まだ1話しか終わってないのでこれからどうなるか楽しみと不安が入り混じるけれど、これが目下今クールの最高傑作。

詳しいことは数日前に書いた感想を読んでください。⇒『半径5メートル』感想①アメリカ映画とヨーロッパ精神の融合


というわけで、9本見始めていまも見ているのは『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』『きれいのくに』『半径5メートル』の3本のみ。3分の1という率は悪すぎないか。見始めた本数が多いのか。

未見だけどやたら評判のいい『コントが始まる』がhuluで無料視聴できると知る。見よう。










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2021年01月23日

今クールは小説執筆のため、綾瀬はるかが出てるなら何でも見る派の私も体の入れ替わりとかいまさらな感じがしたため『サイコなふたり』には最初から手を出さず、他にもいろいろ落としていくはずだったのに、なんやかんやで6本も見始めてしまいました。

見た順に感想などつらつらと。


『裏世界ピクニック』
なぜこれを見ようと思ったのかよく憶えていません。第1話はそれほど面白いというわけでもなく、かといってつまらないというわけでもなかったんですが、後述の『ワンダーエッグ・プライオリティ』が素晴らしいので、今クールのアニメはそっちだけでいいかと早々とリタイア決定。


『おじさまと猫』
ojisamatoneko
これははっきり言って武田玲奈が目当てで見始めたんですが、まさかの猫がぬいぐるみとは! といういい意味で裏切られたのと、そのぬいぐるみの福丸がやたらかわいいのと、何より草刈正雄がはまり役で私自身が現在この作品にはまっています。

うちの犬も生まれて初めて鏡で自分の姿を見たときは怒ってたなぁ。などと思い出にも浸れました。

草刈正雄はその昔、『0093女王陛下の草刈正雄』というタイトルのおバカ映画に自分自身の役で出演していて「懐が深い」と思っていました。二年前の『モンローが死んだ日』の草刈さんもよかったし。作品そのものは何のこっちゃという感じでしたが。


『ワンダーエッグ・プライオリティ』
wondereggpriority

これは野島伸司さんが脚本を書いているという興味だけで見始めましたが、完全にやられました。何しろ実写ばかりやっていた人が初めてアニメに挑戦するのだから「アニメにしかできないこと」をやっているんだろうとは思ってましたが、本当にそうでした。

トラウマを根っこに設定というのはちょいと古い気もするけど、あまり気になりません。子ども以上大人未満の思春期特有のあれやこれやが腹に響いてきます。やはり「作品」というものは鑑賞者の腹を撃たないとね。

頭でっかちな作品には即座に退場してもらいたい。


『ペンションメッツァ』 
WOWOWのオリジナルドラマですが、うーん、脚本と監督の松本佳奈さんはなるほど『パンとスープとネコ日和』の人なんですね。あれは不思議と最後まで見れたんですが、これはもういいですわ。

第2話の石橋静河は見れば見るほどいい女優さんだと思う。まさにサラブレッド。賢そうで性格もよさそうで。


『ここは今から倫理です。』
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これはタイトルと予告を見たときから「きてる!」と思いましたが、ほんとにきてましたね。主役の山田裕貴という役者はよく知りませんが、役にとても合っています。

私は煙草を吸いませんが(二回だけ酔っぱらった勢いで吸ったことがあるけど、あまりに気持ち悪くてすぐ酔いが醒めた)喫煙者を排除する社会のあり方には疑問を感じているので(刺青があったら銭湯に入れないというのも同じ。最近は刺青をしていたボクサーが厳重注意処分になりました。まったくもってナンセンス!)この先、あの鼻持ちならない禁煙ファシストを哲学的に、ということはつまり論理的にやっつけてほしいですね。

しかし「論理的に」ということは頭脳的にということで、はたしてそれで鑑賞者の腹を撃てるのかどうか。期待と不安が入り混じります。


『俺の家の話』
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クドカンが再び長瀬智也とタッグ。さらに『タイガー&ドラゴン』の西田敏行も再び。

ということで期待していたんですが、ごく普通の面白さでした。クドカンに「普通の面白さ」など期待していない私はちょいと不満でしたが、でもぶっ飛んだ作風で鳴らしたクドカンももう50歳。ぶっ飛んだものより『ゆとりですがなにか』(もう5年前!)みたいなごく普通の人間ドラマをありえないほど深く掘り下げる作風にチェンジするのかもしれません。『いだてん』は未見ですが、低視聴率とは裏腹にかなり評価が高かったようですし、ぶっ飛び感全開の『監獄のお姫さま』は完全な失敗作でしたしね。

さらなる深掘りクドカンを期待!

ただ、気になるのは映像演出。金子文紀さんが演出した第1話では、クロースアップ(またはバストショット)の切り返しからカメラがポンと引くとシーンが変わる、というのがやたら目立ちました。特に室内シーンで、人物たちが集まっている部屋の隣にカメラを置いて遠くからのフルショットになると必ずシーン替わりでした。

かつてヒッチコックがトリュフォーとのインタビューで言っていました。

「私が最近の映画を観ていて我慢ならないのは、二人の人物が座って会話をしているシーンで、それぞれのクロースアップをカットバックして見せる。それ自体はいいのだが、会話のボルテージが高まる、あるいは収まったところでカメラがポンと引いて二人のフルショットになると、必ずどちらかが立ち上がる。引いた瞬間に立つのが予想できてしまう。そういう見せ方はだめだと思う」

この『俺の家の話』はシーン替わりが予想できてしまうところが多くてちょいと萎えましたね。また引くのか、またシーン替わりか、と。

家族の話のうえに親を介護するのがメインだからこれからも室内シーンが多い。それをどう撮っているかもクドカンの脚本同様、注視していきまっしょい。

というわけで、6本見始めてリタイアは2本だけ。なかなかの確率ではないでしょうか。







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