昔、映画の専門学校時代だからもう30年以上前のことですが、友人と口論になりかけたことがありました。

映画興行の世界では「業務視察証」というのがあって、本来は消防員とか警察官とかが職務でその視察証を使って中に入り、警備的に大丈夫か、とか、消火器の設置は大丈夫か、などするためのものがあったんです。いまもあると思います。

ほとんどの場合、業務視察証は映画館に配布されており、映画館のバイトが翌日までに返せば、何本見てもいいという映画館バイトの特権なんですけど(こういう使われ方もいま現在もあると思います)、我が専門学校にも4枚配布され、週末の金曜日などは取り合いになって白熱したじゃんけん大会が繰り広げられたものですが、今は昔。

私たちは視察証を使ってただで映画を見ることに馴れてしまって、

「金払って映画なんか見たくない」と豪語する輩を製造する結果になっていました。

そのなかの一人で、あまり映画を見ないタイプの人と口論になりかけたのでした。


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その学校に行く前、私は『フィールド・オブ・ドリームス』という映画に夢中になり、映画館に7回見に行きました。それを彼に言うと、吐き捨てるようにこう言いました。

「7回も? 金払って? 何でそんなに見るんだ」

まぁ確かに私は映画を見すぎだったかもしれません。それはひとまず措いて、この友人の一言は看過できません。

なぜって、1本の映画を大好きになって7回も劇場に走る観客の存在って、映画を作る人間からすればものすごいお得意さんじゃないですか。そんな上客を相手に吐き捨てるように「金払って?」というのは怒りで拳が震えました。

彼が監督する映画が大当たりして7回も見に来る上客がいても、感謝もせずに「何でそんなに見るんだ」と言うんでしょうね。


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あーやだやだ。




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