今日は書籍のベストテンです。これはものすごく簡単でした。だって、面白かった本がちょうど10冊しかなかったから。


①コロナ禍と出会い直す 不要不急の人類学ノート(磯野真穂)
②未整理な人類(インベカヲリ☆)
③大いなる助走(筒井康隆)
④本なら売るほど⑴⑵(児島青)
⑤幸せな家族 そしてその頃はやった唄(鈴木悦夫)
⑥ウスバカ談義(梅崎春生)
⑦映画夜話(蓮實重彦)
⑧女の子たち風船爆弾をつくる(小林エリカ)
⑨爆弾犯の娘(梶原阿貴)
⑩立ち読みの歴史(小林昌樹)


マンガが2冊入っているので正確には11冊ですが、まぁいいでしょう。

長兄から教えてもらった本が2トップ。1位は、この現実を作り変えようという意志がしっかりとあり、でもファンタジーに逃げることなく、しっかり現実改変の道筋を書いてくれていて良書。

2位は、変なものを変なまま差し出すという、これまた稀有な仕事を成し遂げた1冊。鉄柱詩人のところなんか震えが来たもんね。

筒井康隆は、去年が『夢の木坂分岐点』と『敵』を読んだけど、今年は年初に読んだ『大いなる助走』だけだった。来年はまず『旅のラゴス』から読もうかしら。

マンガの『本なら売るほど』はやはり評判通りに楽しめる作品でした。3巻はまだか!?

私のベストテンで恒例の梅崎春生は今年も出た出た。本当なら『桜島』や『狂い凧』を改編した新文庫も選ばなきゃなんだけど、梅崎マニアを自称していながら読めてない。すいません。

今年は小説にあまり良書が多くなかった(実際選んだのは4本)けど、『女の子たち風船爆弾を作る』は出色の出来映えで、淡々とした筆致ながら戦争へ突き進むさまをやたらリアルに描写していてこれを読む読まないでは今後の人生が大きく左右されるのではないか。(⇐大げさ)

『幸せな家族 そしてその頃はやった唄』はBSテレ東の『あの本、読みました?』(鈴木保奈美のやつね)で知って購読。面白かったが、あれが40年前の出版当時、「児童文学」として売られていたと知って衝撃を受けた。まぁ確かに作者は児童文学者として鳴らした人らしいけど。まさかあんな恐ろしくて気持ち悪いのが児童文学とは。いまならありえないね。

でも、ああいう毒になる作品を子どもたちに読ませるのも、実は本屋や図書館に役目だったりもするのかも、と思った。「毒にも薬にもならぬ」という言葉があるけど、薬になるものばかりを選んでいった挙句、毒にも薬にもならぬものばかりになっては本末転倒。子どもたちには毒と薬の両方必要なのだろう。いまの親たちは薬ばかり求めているのではないか。そうやって毒を排除していくうちに、己が「毒親」になってしまう皮肉よ……。

蓮實重彦はここ数年、私のワーストにばかり顔を出していたが、今年はベストで登場願いました。去年までの『ショットとは何か』とか『ジョン・フォード論』と何が違うのかよく憶えてないけど。「もう蓮實なんか卒業したよ」と言いたいけど、いまだ影響下にあるようです。くそぉ。

その代わり、蓮實の弟子にあたる濱口竜介監督の『他なる映画と』1巻2巻をワーストに選びます。理由は「蓮實は二人いらない」です。もっと自分の世代の映画を選んで語ればいいのに。

10位に挙げた『立ち読みの歴史』は新書ではかなり面白かった。いまをときめく三宅香帆の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』や今年の『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか」といった「読書本」より、こっちのほうが私は好き。

というわけで、来年は梅崎春生の分厚い文庫2冊を購読することと、筒井康隆を最低2冊は読むこと。あと、買っただけでまったく読んでないモーパッサンをまずは短篇集から読むこと。『ピエールとジャン』を昔読んだっけ。そういや最近外国文学を読んでない。あ、まったく未読のジェーン・オースティンも読みたい。まずは『分別と多感』からかな。

とりあえず、これだけノルマです。あとは楽しみましょう。

ではみなさん、よいお年を!


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