早くも2025年もあと数日。恒例のドキュメンタリー・教養番組ベストテンから一年を振り返ります。


①ハルマゲドンを待ち望んで 米国政治を動かす福音派(前後編)(BS世界のドキュメンタリー、5月27日、28日)
②スパイの世界も「脱米国」? トランプ‟機密漏洩”政権の末路(報道1930、4月4日)
③ねらわれた図書館 アメリカ‟分断の最前線”(BS世界のドキュメンタリー、3月11日)
④贋作師からの問い ‟本物”をめぐる思索(BSスペシャル、4月11日)
⑤猛暑で異変!? 私たちの食卓の未来は(クローズアップ現代、8月25日)
⑥解熱鎮痛薬で大腸がん予防!?  AIで進む“既存薬革命”(クローズアップ現代、8月27日)
⑦現地ルポ・アマゾン消失  ”地球の裏側”日本にも影響が(クローズアップ現代、11月17日)
⑧備蓄米‟大放出”も見えぬ出口 令和「コメ騒動」で露呈した農政改革の課題(報道1930、6月2日)
⑨AIの不都合な真実(BS世界のドキュメンタリー、5月6日)
⑩中居氏フジテレビ問題が映す‟男性優位”社会とは(報道1930、2月6日)


①から③は、いずれも日本の宗主国・アメリカ帝国がこれからどうなるのか、いまどうなってしまったのかを検証する番組で、どれも良質なものだった。大英帝国はうまくソフトランディングして「小国」に収まることができたけど、米帝はどうか。

特に面白かったのは、『報道1930』の、トランプの手によって大量解雇されたスパイたちが、ロシアや中国にリクルートされ、敵国のスパイとしてアメリカの情報を流しているというやつ。あれはショッキングであった。

アメリカ、どうなる??

そういえば、①と同じテーマの中公新書『福音派』を今年中に読めなかったのは残念である。こまめに古本屋回ったりメルカリ見たりしてるんですけどね。

④は本当に「本物をめぐる思索」と言って差し支えないもので、かねてより私は本物と偽物の違いって何だろうと考えているので、まことに私向けの番組だったように思う。

贋作師が描いた絵は確かに偽物である。でも、それを本物と鑑定して買ったのはどこのだれ? 大枚はたいて買った絵が偽物とわかっても自分の家の地下室で酒を片手に「いい絵だ」と悦にいる人も紹介された。

買った本人が納得してるならそれでよいのではないか。鑑定という科学よりも、「鑑賞という心」だと思う。

⑤から⑦は私たちの暮らしに直結する話題ばかり。猛暑が原因で取れていた作物が取れなくなったり、取れなかった作物が温暖化のせいで取れるようになったり。10年後、30年後の食卓はどうなっているのだろうか。

⑦のアマゾン消失もショッキングだった。定数削減とか小さいことはあとでいいから、環境問題をもっと大きく扱わないと、ただでさえ日本は食糧自給率が30%ぐらいしかないので大変でっせ。しかも中国を怒らせてしまったからこれからどうなるかまったく不透明。おそろしい。

⑩のキーワード「オールド・ボーイズ・クラブ」が興味深かった。

去年の映画ベストテンで2位だったか(?)に挙げた『ブレインウォッシュ』という映画が、あの名作と名高い『ブレードランナー』は性加害映画だと指摘していて、なるほどと思ったもの。『ブレードランナー』もオールド・ボーイズ・クラブ的な集まりの中で作られていたわけですな。

となれば、オールド・ボーイズ・クラブ的なものとは無縁の映画やドラマ、小説、芝居などって遡れば遡るほど皆無なんじゃないの? 

そういえば、令和の米騒動を扱った⑧。

鳥取でコメ作りの株式会社を経営する人が出演し、こう言っていた。

「いままでお茶碗一杯35円。これがいま65円。高いですか? 確かに数年前に比べたら高いけど、比較じゃなくて絶対的な値段としてお茶碗一杯のお米65円が高いですか? 僕は高くないと思う」

その通り! 消費者はもっと安く安くばかり言っているが、コメ農家さんたちの暮らしもあるので、甘受せねばならないこともあるんじゃないの?

だからと言って卵とか肉とか牛乳とか、そういうのの物価高はまた違うけど。ウクライナ戦争とか日照りとか円安とかが原因だろうし、先に言った中国との関係もこれから入ってくると思うし。


というわけで、なかなか幅広い10本になったと自画自賛して終わります。

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