かつて映画の専門学校へ行っていた頃のこと。

ある高名な脚本家から自作プロットを批評されたときに、いろいろ言葉を交わしたあとに、私は「以後、頑張ります」と言ったら、その人はこんなことを言いました。

「『頑張ります』なんて言わなくていい」

その人が言うには、「頑張ります」と簡単にいう人間にかぎって本当の意味で頑張ることがない。

とりあえず「頑張ります」とだけ言ってお茶を濁し、相手を騙し、自分を騙し、そして具体的に何をどう頑張るのか何も考えず、結局頑張ることがない。だから「頑張ります」とだけは言ってはならない。その気はなくても、最終的に自分を騙すことになるから、と。

「『頑張ります』」は自分への呪文だよ」

なるほど。これは名言だと思いました。

当時、私は同じ人から「おまえはもう充分映画を見てるんだから、映画はもう見ずに書くことに注力しなさい」と言われました。

その日から映画断ちを始めました。同時にその人から「サッカーを見るのもやめなさい」と言われました。そんな場合じゃないだろ、と。

私がいまも毎週見ているスペインリーグは当時WOWOWで放送されており、すぐに解約しようかと思いました。でも、待てよ、と。

当時の私はシナリオを書くのに多忙を極めており、トイレに行く時間すらもったいないと思っていたくらいでした。だからサッカーを見なくなれば、その分かなり書く時間に割くことができる。しかしながら、サッカーを見ている間は映画をのことを忘れられていたのもまた事実。この貴重な息抜きの時間を手放すのは得策ではないと判断し、WOWOWの解約は思いとどまりました。

その代わり、サッカーの感想をブログに書いていたんですが、それをやめました。ブログに感想を書く時間を削ればそれなりにシナリオを書く時間を確保できる。高名な脚本家にそれを告げると、その人は何も言いませんでした。

なるほど、具体的に何をどう考えるというのはこのことかと体で納得できました。

この記事には「創作」のタグをつけていますが、ことは創作にかぎらないでしょう。仕事や夢に向かって頑張っている人たち全員に対して胸を張ってお見せできる記事だと自負しています。

「頑張ります」が口癖になっているそこのあなた、今日から「頑張ります」と言うのをやめましょう。


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なぜか目標達成する人が頑張る前にやっていること
チームドラゴン桜
東洋経済新報社
2025-01-29





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