昔から大好きなヒュー・グラントが出ている『異端者の家』を見ました。(以下ネタバレあり)


『異端者の家』(2024、アメリカ・カナダ)
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脚本・監督:スコット・ベック&ブライアン・ウッズ
出演:ヒュー・グラント、ソフィー・サッチャー、クロエ・イースト、トファー・グレイス


主役は誰か問題
このブログでは再三再四にわたって主張していますが、もう一度確認しましょう。

『ゴッドファーザー』の主役はマーロン・ブランドではなくアル・パチーノだし、『レインマン』の主役はダスティン・ホフマンではなくトム・クルーズだし、『タイタニック』の主役はレオナルド・ディカプリオではなくケイト・ウィンスレットだし、『スティング』の主役はポール・ニューマンではなくロバート・レッドフォードだし、『明日に向って撃て!』の主役はロバート・レッドフォードではなくポール・ニューマンなわけです。

では『異端者の家』の主役は誰かというと、ファースト・クレジットのヒュー・グラントではなく、彼をモルモン教に勧誘に来た女の子二人連れですよね。

正確に言えばこの子。

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右側の子ですよね? なぜかって? だって、彼女たちを幽閉して恐怖のどん底に叩き落すヒュー・グラントを描いているのではなく、彼に幽閉される彼女たちのほうが主に決まってるじゃないですか。

ただ、二人のうちどちらが主役かというのは、中盤で左側の子が殺される(実は死んでなかったのだが)ことで右側が主役としてクローズアップされる仕掛けなのですが、「消去法」で主役を指し示す描写のあり方は厳しく指弾されないといけないでしょう。

勧誘しようと思ったヒュー・グラントは宗教にやたら詳しくモルモン教の聖典ももっている。しかも付箋だらけ。そして話が進むうちに判明するのは、彼が宗教を勉強しすぎたため無宗教になったパックンみたいな人かと思ったら、ただ女性を支配したいだけの痴漢やレイプ犯と同じクズだったということ。

最初はモルモン教の教義の話なんかをしますが、左側の主役じゃないほうの子が徹底討論みたいにヒュー・グラントに食いついていく。主役の子は討論が苦手らしく黙って成り行きを見ていますが、ここなんですよね、もったいないのは。

観客は二人のうちのどちらが主役か見極めようとしているのだから、あそこでヒュー・グラントと左側の子の論戦を行ってこいのカメラで撮るとか、とにかく主役の子の見た目で撮ったらよかったと思うんです。そうすれば「あ、こっちの子が主役らしいぞ」とグイと引き込まれる。

それからそもそもの大前提として、彼女たちは背丈こそ同じぐらいですが、顔立ちはもちろん違うし、髪の色も違う、服装も違う。見た目の「違い」は演出できてるのに、どちらが主役でもう一方は主役じゃない、という描き分けができていないのはもったいないと思いました。

それができていたとしても、お話があまりにつまらないのでアレですけど。

ヒュー・グラントの「宗教なんか全部支配じゃないか」みたいなセリフには考えさせられるところがあったし、そこをもっと掘り下げるとよかったんじゃないかと思いました。

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それにしてもヒュー・グラント。
『ノッティングヒルの恋人』から26年。
『フォー・ウェディング』から31年。
『モーリス』からは何と38年。

思えば遠くへ来たもんだ。







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