『ファイナル・デッドブラッド』(2025、アメリカ)
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キャラクタ―創造:ジェフリー・レディック
ストーリー原案:ジョン・ワッツ、ガイ・ビューシック&ロリ・エバンズ・テイラー
脚本:ガイ・ビューシック&ロリ・エバンズ・テイラー
監督:アダム・スタイン&ザック・リボフスキー
出演:ケイトリン・サンタ・フアナ、テオ・ブリオネス、リチャード・ハーモン、トニー・トッド


(以下ネタバレあり)
このシリーズは何といっても、人の死に方に知恵を絞りに絞る、それで終わりというところが非常に残忍で同時に可笑しく、戦慄しながらも笑ってしまうという斬新なところが売りでした。

今回の第6作を見ていて「お」と思ったのは、これまではただ主人公が見た予知夢に従って人が次々に死んでいくという内容だけだったのに、この『ファイナル・デッドブラッド』は初めて、その不条理な死の連鎖の「原点」を追うという展開になっているんですね。


探偵映画と犯罪映画
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前作までこのシリーズは完全に「シリアルキラーの犯罪映画」でした。つまり、理不尽な殺人鬼がおり、それが次々に人を殺していくけれど、名探偵や名刑事が出てきて事件の根源であるシリアルキラーを逮捕したり射殺したりすることがまったくなかった。というより、警察は意図的に出していなかった。運命に翻弄される(主に)若者たちの右往左往に焦点が合っていました。

しかし、この『ファイナル・デッドブラッド』では、「原点」つまり殺人鬼の素姓を明らかにしようというのですね。

しかしながら……


結局シリアルキラーの犯罪映画
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主人公は祖母とその周辺の人物が死ぬ夢ばかり見ていて苦しみます。そして祖母に会いにいく。祖母は言います。自分が大惨事となるはずの事件を防いでしまったために、死ぬはずのない人が死ななかった。そこで死神が進路を変更して、死ぬはずの人間を一人一人血祭りにあげるはずだ。と。

おおおお、と思いますよね。死神が出てくる!? それも50年もかけて襲いに来る!? 

でも、「原点」」とは言っても何のことはない。いままでのシリーズと同じく、死の連鎖が待っているだけです。その「だけ」を愉しめばいいのかもしれませんが、「シリアルキラーが一人また一人と血祭りにあげるだけの映画」は、私には不足でした。

「死神」が出てくるのかと思ったら出てこなかった。死神が出てきてこそ「探偵映画」ですよね。死神こそ犯人なのだから。まぁ「犯人」というある人格をもった人物が出てくるとは思わなかったけど、この50年の因縁をもっと掘り下げて、なぜあの一家が狙われるのか、とか、コインを拾ったら大惨事になるのはなぜかとか、知りたいことはいっぱいあった。

主人公は結局、「死にきれなかったがゆえに殺される」という皮肉な末路を取ります。

別に第5作までならこれでもよかったんですが、下手に「50年前の原点」とか言われると、ただの「犯罪映画」だったシリーズが「探偵映画」になるのかと思って期待しちゃったというわけです。そしてその期待は裏切られた。

ある程度は面白かったし、また新作を見たい気持ちもあるけど、人の死に方に新しさがあったこのシリーズの、肝心要のそこがちょっと古くなりつつあるように見て取れるのが悲しい。

やはりこのシリーズは2作目の『デッドコースター』が最良と思いまする。




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