かなり昔のことですが、思い出したので備忘として書きます。

あれは父方の祖母が死んだときでした。

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普通に学校を休んで葬式に参列したのですが、次の日に学校に行くと、感じの悪かったKという名の女子が近寄ってきてこんな会話をしました。

「(笑顔で)神林、誰が亡くなったん?」
「おばあちゃん」
「泣いた?」
「いいや」
「ウソ! かわいそう!!(周りに)聞いた? みんな(大笑い)」

まず笑顔で誰が死んだかを聞いてくるのが失礼なうえに、泣いたかどうかを問う。泣いたらまともで泣かなったら故人に対して失礼だという。

なぜか。

涙というのは「悲しみ」の物理的表現だからでしょうな。でも、そういう物理的表現がなくとも心中はとても悲しいというのは充分ありうること。

そりゃま、私はあの祖母のことが少しも好きじゃなかったし、死んでも悲しくなかったけど……それはまた別の話。

百歩譲って、涙が出たら悲しんでいて、涙が出ていなければ薄情者だとしましょう。

だからといって、「泣いた?」と訊いてくるのは無神経だと思うのです。

犬が死んだときも訊かれました。

「泣いた?」
「泣いた」
「どれぐらい」
「喉が渇くくらい」
「(大笑い)」

涙の量と哀しみの度合いは正比例の関係にあるらしい。そして人が大量の涙を出した、つまり、かなりの悲しみを感じたといったら、それはそれで笑うのです。

彼らは結局、相手のことを笑いたいから「泣いた?」と訊いてくるのです。それが無神経だと思う何よりの理由。

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笑ってるおまえのことを俺はもっと笑ってやるよ!!!

(くだらない日記でした)

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