『バレリーナ THE WORLD OF JOHN WICK』(2025、アメリカ)

キャラクタ―創造:デレク・コルスタッド
脚本:シェイ・ハッテン
監督:レン・ワイズマン
出演:アナ・デ・アルマス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、ノーマン・リーダス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、キアヌ・リーブス
正直に告白すると、私は『ジョン・ウィック』シリーズを『2』の途中までしか見ていません。『1』はなかなか美味だったけど、『2』になるとマンネリ感が強く最後まで見れなかった。で、今回の主人公イブは『3』で出てくるんでしたっけ、聞いた話では。でも見てないのでキアヌ・リーブスとどういう絡み方をするのかまったく知らない状態で見に行きました。そんな奴の感想なんて読みたくないよ、という人はここで離脱してください。(以下ネタバレあり)
ショットの連鎖

何か最近「ショットの連鎖」ばかり言ってるけど、どうしても撮り方がおかしい映画ばかり見てるのでね。この映画でも、いやそこで切り返さないとおかしいんじゃないの? とか、ここでカットを割るならカメラの位置が違うのでは? と言いたいシーンが散見されました。
先日感想を書いた『真夜中の処刑ゲーム』や『ネイビーシールズ/ラスト・ソルジャー』では、音楽をもっとバンバン入れてみては、とか、伏線の問題を解決したほうがいいのではないかとか提言をしました。
でも、この『バレリーナ』では、あまりそういうことを言いたくならない。もちろん、音楽はバンバン入ってるし、伏線というものがない物語だから、前記2本とは違う。
これは結構面白いんですよね。ショットの連鎖がなっちゃいないなら、蓮實一派の人たちには見向きもされないのかもしれないけど、私は脚本家側の人間なのでそんなこと言いません。
物量作戦

大好きな父親を殺した秘密結社に復讐しようと、別の秘密結社(実は「別」ではないのだが)で復讐の腕を磨いたアナ・デ・アルマス。確かに過酷な訓練をくぐりぬけたのはよくわかるように描写されていました。
でも男に比べて細腕で絶対的な筋肉の量が違う一人の女が頼るのは、「物量作戦」。とにかく銃弾、火薬などを大量に使って次々と勝ってしまうのである。
至近距離で手榴弾が爆発しても傷ひとつ負わないという不死身さはもう笑ってしまうしかないのだが、最大の「物量作戦」は以下である。

俯瞰で撮られた「火炎放射器と大量の水が出るホース」の対決。
これも笑いました。いくら何でも炎のほうが勝つような気がしますが、水(⇐アナちゃんのほうね)が勝ってしまうということは、ひとえに水の量が炎にまさっていたということでしょう。
ジョン・ウィックも彼女を逃がしたり、ライフルで撃てば殺せるのに見逃したり、アナ・デ・アルマスはかなり得してる。まぁそりゃ次の作品はジョン・ウィック対イブという構図になるのは見た人間なら誰でもわかるし、そうしたいならすべて目を瞑ろうというのが、シリーズものが多いアメリカ映画ファンの正しい態度かと思われます。
ツッコミどころ満載だけど、それがあまり悪いほうに出ておらず、むしろ笑えるぐらいに昇華されているので、いいと思いました。
もうちょっと緩急つけてくれるとよかったんですけどね。カタリーナ・サンディノ・モレノ(おばちゃんになっちゃったなぁ)演じる実はお姉ちゃんだったという人。あの人とのゆったりした会話とか入れてほしかったかな。
アクションアクションばかりで押されるのは確かに時間がたつのを忘れるけど、この映画を忘れてしまうのも時間の問題のような気がします。
しかし腐ってもアメリカ映画、私はこの映画を愛するのであります。
関連記事
『ネイビーシールズ/ラスト・ソルジャー』感想(伏線とその回収の距離)
『真夜中の処刑ゲーム』感想(もっと音楽を!)

キャラクタ―創造:デレク・コルスタッド
脚本:シェイ・ハッテン
監督:レン・ワイズマン
出演:アナ・デ・アルマス、アンジェリカ・ヒューストン、ガブリエル・バーン、ノーマン・リーダス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、キアヌ・リーブス
正直に告白すると、私は『ジョン・ウィック』シリーズを『2』の途中までしか見ていません。『1』はなかなか美味だったけど、『2』になるとマンネリ感が強く最後まで見れなかった。で、今回の主人公イブは『3』で出てくるんでしたっけ、聞いた話では。でも見てないのでキアヌ・リーブスとどういう絡み方をするのかまったく知らない状態で見に行きました。そんな奴の感想なんて読みたくないよ、という人はここで離脱してください。(以下ネタバレあり)
ショットの連鎖

何か最近「ショットの連鎖」ばかり言ってるけど、どうしても撮り方がおかしい映画ばかり見てるのでね。この映画でも、いやそこで切り返さないとおかしいんじゃないの? とか、ここでカットを割るならカメラの位置が違うのでは? と言いたいシーンが散見されました。
先日感想を書いた『真夜中の処刑ゲーム』や『ネイビーシールズ/ラスト・ソルジャー』では、音楽をもっとバンバン入れてみては、とか、伏線の問題を解決したほうがいいのではないかとか提言をしました。
でも、この『バレリーナ』では、あまりそういうことを言いたくならない。もちろん、音楽はバンバン入ってるし、伏線というものがない物語だから、前記2本とは違う。
これは結構面白いんですよね。ショットの連鎖がなっちゃいないなら、蓮實一派の人たちには見向きもされないのかもしれないけど、私は脚本家側の人間なのでそんなこと言いません。
物量作戦

大好きな父親を殺した秘密結社に復讐しようと、別の秘密結社(実は「別」ではないのだが)で復讐の腕を磨いたアナ・デ・アルマス。確かに過酷な訓練をくぐりぬけたのはよくわかるように描写されていました。
でも男に比べて細腕で絶対的な筋肉の量が違う一人の女が頼るのは、「物量作戦」。とにかく銃弾、火薬などを大量に使って次々と勝ってしまうのである。
至近距離で手榴弾が爆発しても傷ひとつ負わないという不死身さはもう笑ってしまうしかないのだが、最大の「物量作戦」は以下である。

俯瞰で撮られた「火炎放射器と大量の水が出るホース」の対決。
これも笑いました。いくら何でも炎のほうが勝つような気がしますが、水(⇐アナちゃんのほうね)が勝ってしまうということは、ひとえに水の量が炎にまさっていたということでしょう。
ジョン・ウィックも彼女を逃がしたり、ライフルで撃てば殺せるのに見逃したり、アナ・デ・アルマスはかなり得してる。まぁそりゃ次の作品はジョン・ウィック対イブという構図になるのは見た人間なら誰でもわかるし、そうしたいならすべて目を瞑ろうというのが、シリーズものが多いアメリカ映画ファンの正しい態度かと思われます。
ツッコミどころ満載だけど、それがあまり悪いほうに出ておらず、むしろ笑えるぐらいに昇華されているので、いいと思いました。
もうちょっと緩急つけてくれるとよかったんですけどね。カタリーナ・サンディノ・モレノ(おばちゃんになっちゃったなぁ)演じる実はお姉ちゃんだったという人。あの人とのゆったりした会話とか入れてほしかったかな。
アクションアクションばかりで押されるのは確かに時間がたつのを忘れるけど、この映画を忘れてしまうのも時間の問題のような気がします。
しかし腐ってもアメリカ映画、私はこの映画を愛するのであります。
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