『テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ』(2024、アメリカ・スイス)

脚本・監督:ジョシュ・マーゴリン
出演:ジューン・スキッブ、フレッド・ヘッキンジャー、リチャード・ラウンドトゥリー、パーカー・ポージー、クラーク・グレッグ、マルカム・マクダウェル
オレオレ詐欺に引っかかった93歳のおばあちゃん・テルマが、詐欺師のもとまで行って金を奪い取ってくる痛快劇。実際に、監督の祖母が起こした事件をもとに映画にしているらしいですが、実話が元だろうとなんだろうと映画としてもうちょっとちゃんとしてほしいと思ったことを以下に書きます。(ネタバレあり)
警察を見かぎるのが早すぎ

開巻早々オレオレ詐欺の被害に遭ったテルマは、家族と一緒に警察に行きますが、事務的な警察官の「被害に遭った以上はもうお金は返ってきませんね」的な、もーしょうがないですねーみたいな物腰にテルマは警察を見かぎり、自分で詐欺師のいる場所を割り出して金を奪還してくるのですが、何しろ93歳なので、いやそんな高齢でなくとも、素人が拳銃をもっていったりすることに罪悪感を感じたり、おそろしさを感じたりするだろうに、このおばあちゃんはあまりに積極的。
犯人の手掛かりが少し見つかった段階でリチャード・ラウンドトゥリーと一緒に犯行に及ぼうとしますが、ラウンドトゥリーが「警察に頼れば?」と訊いても「信用ならない」と端から相手にしていない。
ここはリアリティが欠如していると感じました。
確かに最初警察に行ったときの事務的対応に失望したというのはわかります。でも、素人であり身の危険があるのと、やはり高齢であるのとで、もう一度警察にお願いするが適当にあしらわれ……というほうがいいと思いました。
警察に頼るのは「世界の原理」、頼らないのが「映画の原理」ですが、ここは「世界の原理」でワンクッション置いたほうがいいと思いました。
みんないい人

テルマの孫をはじめ、娘や娘婿が一生懸命おばあちゃんを探そうとしますが、みんなあまりにいい人すぎますよね。
少なくとも、血のつながりのない娘婿は「もうつきあってられない」と離脱しようとし、そこで妻(テルマの娘)とひと悶着起こしたりとか、いろいろやりようはあったと思うのです。
孫のダニエルなんかほんといい人で、おばあちゃんを探そうと真面目に取り組む。実際の事件がそうだったのかもしれないけど、映画なんだからもっと「葛藤」を仕組んでくれないと困ります。
何だか悪い奴らから大金を奪還したのがものすごく簡単なことのような気がして、ちょっと白けました。みんながみんなテルマのために存在しているみたい。もっとテルマに異議を唱える人物を出したり、その人物がテルマの邪魔をしたり、底意地の悪いことを言ったりとか、そういうほうが笑えるし、ハラハラドキドキ感も強まるのでは?
というわけで、やはり昨日の『愛はステロイド』は偉大な映画だったんだなぁという思いを強くしました。

脚本・監督:ジョシュ・マーゴリン
出演:ジューン・スキッブ、フレッド・ヘッキンジャー、リチャード・ラウンドトゥリー、パーカー・ポージー、クラーク・グレッグ、マルカム・マクダウェル
オレオレ詐欺に引っかかった93歳のおばあちゃん・テルマが、詐欺師のもとまで行って金を奪い取ってくる痛快劇。実際に、監督の祖母が起こした事件をもとに映画にしているらしいですが、実話が元だろうとなんだろうと映画としてもうちょっとちゃんとしてほしいと思ったことを以下に書きます。(ネタバレあり)
警察を見かぎるのが早すぎ

開巻早々オレオレ詐欺の被害に遭ったテルマは、家族と一緒に警察に行きますが、事務的な警察官の「被害に遭った以上はもうお金は返ってきませんね」的な、もーしょうがないですねーみたいな物腰にテルマは警察を見かぎり、自分で詐欺師のいる場所を割り出して金を奪還してくるのですが、何しろ93歳なので、いやそんな高齢でなくとも、素人が拳銃をもっていったりすることに罪悪感を感じたり、おそろしさを感じたりするだろうに、このおばあちゃんはあまりに積極的。
犯人の手掛かりが少し見つかった段階でリチャード・ラウンドトゥリーと一緒に犯行に及ぼうとしますが、ラウンドトゥリーが「警察に頼れば?」と訊いても「信用ならない」と端から相手にしていない。
ここはリアリティが欠如していると感じました。
確かに最初警察に行ったときの事務的対応に失望したというのはわかります。でも、素人であり身の危険があるのと、やはり高齢であるのとで、もう一度警察にお願いするが適当にあしらわれ……というほうがいいと思いました。
警察に頼るのは「世界の原理」、頼らないのが「映画の原理」ですが、ここは「世界の原理」でワンクッション置いたほうがいいと思いました。
みんないい人

テルマの孫をはじめ、娘や娘婿が一生懸命おばあちゃんを探そうとしますが、みんなあまりにいい人すぎますよね。
少なくとも、血のつながりのない娘婿は「もうつきあってられない」と離脱しようとし、そこで妻(テルマの娘)とひと悶着起こしたりとか、いろいろやりようはあったと思うのです。
孫のダニエルなんかほんといい人で、おばあちゃんを探そうと真面目に取り組む。実際の事件がそうだったのかもしれないけど、映画なんだからもっと「葛藤」を仕組んでくれないと困ります。
何だか悪い奴らから大金を奪還したのがものすごく簡単なことのような気がして、ちょっと白けました。みんながみんなテルマのために存在しているみたい。もっとテルマに異議を唱える人物を出したり、その人物がテルマの邪魔をしたり、底意地の悪いことを言ったりとか、そういうほうが笑えるし、ハラハラドキドキ感も強まるのでは?
というわけで、やはり昨日の『愛はステロイド』は偉大な映画だったんだなぁという思いを強くしました。

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