A24がついに映画に中指を突き立てた!

という触れ込みの映画『愛はステロイド』を見てきたんですが、これが評判にたがわぬ傑作で、うれしい悲鳴を上げております。(以下ネタバレあり)


『愛はステロイド』(2024、イギリス・アメリカ)
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脚本:ローズ・グラス&ベロニカ・トフィウスカ
監督:ローズ・グラス
出演:クリステン・スチュワート、ケイティ・オブライアン、エド・ハリス、ジェナ・マローン、アンナ・バリシニコフ、デイブ・フランコ


クライマックスの是非
やっぱりこの映画を語るうえではずせないのがクライマックスの是非ですよね。(以下すぐネタバレあり)

クリステン・スチュワートの恋人ジャッキーが、クリステンが父親エド・ハリスに殺されそうになっているのを助けようとやってくるんですが、見る見るうちに体が大きくなってエド・ハリスを捕まえてしまう。

私は最初笑いました。で、次に、さすがにあんなことはないだろうと首を振りました。

でも、どうしたことでしょう。一夜たつと「あれでいいんじゃないか」いや、もっと進んで「あれがいいんじゃないか」と感想が変わりました。


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ジャッキーはもともとボディビル大会に出れるほどムキムキだったし、あれがもっと嵩じて(つまりステロイドのやりすぎで)ああなっちゃった、ということでどうでしょうか。いや、変に理屈をつけるのはよくない。あの異様なクライマックスは、あのまんま口に放り込んで愉しむのが筋かと思います。

後半の問題はちょっと別のところにありますよね。


後半の問題
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クリステンのサイコな父親エド・ハリスは前半から出てきますが、前半はクリステンとジャッキーの性愛描写を主としたラブストーリーでした。

それが、クリステンの姉の夫をジャッキーが殺したところから物語は急転回を見せるんですが、同時に、クリステンとジャッキーのラブストーリーから、クリステンとエド・ハリスの親子の葛藤劇に変わってしまうんですね。

だから、あのクライマックスの直前ではジャッキーは完全に影が薄くなっている。

あ、そうか!

影が薄くなったジャッキーにクリステンを救出させるとつまらないから、影が薄くなったジャッキーを巨大化させたわけですな。

普通なら脚本の段階でキャラの影が薄くなったら描写し直したり物語を改変したりして対処するじゃないですか。この映画では何と影が薄くなったキャラクターを巨人化して対処するというウルトラG難度! これが映画だ!!!


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というわけで、クリステン・スチュワートの腋毛も見れたし、これはもう大満足な映画体験でした。他は文句のつけようなし! 見に行ってよかった~~~




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