『それでも恋するバルセロナ』(2008、スペイン・アメリカ)
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脚本・監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホール、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス


この映画、実は未見でした。正確には、見に行ったけど寝てしまったのです。

改めて見てみると、これが面白いのなんの。ウディの筆が冴えわたってますね。

冴えわたっているのは筆だけではなく、映像演出も冴えわたっていました。


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これは、主役の二人がハビエル・バルデムと初めて出会い、口説かれそうになったときのものですが、ハビエル・バルデムはワンショットなんですけど、女たちは常にツーショット。

ハビエル・バルデムになびきそうになっているスカーレット・ヨハンソンに目が行ったり、逆に堅いことばかり言っているレベッカ・ホールに目が行ったり。ひとつのショットに焦点が二つあるのでかなり集中してないと見れない。しかもその二つの焦点は、奔放で男からの口説きに笑って応じる女と、それを拒絶してしまいかねない女の好対照。

対照的な二人の女を同一画面に収めて観客の目を行ったり来たりさせる。ウディは観客の「目」を信じてますね。

観客の目を信じるというのはとても難しく、すぐに「これでわかるだろうか」と心配して説明セリフを入れたり説明的なカットを入れたくなってしまう。だから、こういう場面でも、スカーレット・ヨハンソンのワンショットとレベッカ・ホールのワンショットをそれぞれ別個に撮って編集するということをしがちなのに、ウディはそういう愚かなまねをしません。


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このショットでも。

奥にいるスカーレット・ヨハンソンとハビエル・バルデムを手前にいるレベッカ・ホールが盗み見ている場面ですが、今度は焦点が三つもある。

この映画が、セリフやナレーションがとても多いのに96分でまとまっているのは、ひとえにウディの観客の目を信じる力ゆえでしょう。

ワンショットばかりを撮って編集でつなぐと時間が二倍も三倍もかかってしまう。ウディはそのような愚を犯しません。

『それでも恋するバルセロナ』、内容もですが、表層が特に美味な秀作でした。




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