「脚本家志望者へのアドバイス」第3弾は、完全に他の人が言っていたことの受け売りです。

それは、「いいとこ取り」してはならない、です。


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京都の専門学校に行っていたとき、いろんな監督やプロデューサーが特別講師としていらっしゃったんですが、みんな言うことが違うんですね。

「映画作りで一番大切なのは脚本である」
「キャスティングが一番大事」
「スタッフやキャストとの関係性をどうするかが最も大事」
「やっぱりカメラマンを誰にするかでしょう」

などといろんな意見がありました。

友人の一人は、「みんな言うことが違うから混乱する。いったい誰が正しいのか」と正直な胸の内を吐露していました。それに対して別の友人が、「だからいいとこ取りすればいいんだよ」と言ってみんなを納得させていました。

私はそれはちょっと違うんじゃないの? と思ったものの、うまく言語化できなかったのが悔しい。


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武道家でフランス現代思想が専門の神戸女学院名誉教授・内田樹先生が「いいとこ取りはだめ」と言っています。というか、内田先生の合気道の先生である多田宏師匠が、初心者を戒める言葉として、「いいとこ取りしてはならない」と言っていたとか。

なぜか。

いいとこ取りするには、何がいい技のかけ方で、何が悪いかを熟知していなければならない。初心者にそんなことが可能なわけがない。無理をしてはいけない。無理をすればどこかでひずみが生じる。

うーん、なるほど。簡潔明瞭にして深いですね。

というわけで、初心者はいろんな先達の言葉をすべて鵜呑みにせよ、とのことです。

受け容れたうえで、その考え方が自分に合っているか合っていないかをジャッジするのは、もっとずいぶん修行の道を進んだあとにせよ、というんですね。

時間はかかるでしょうが、急がば回れ、です。謙虚な気持ちを失ってはいけません。


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知性について
内田 樹
光文社
2025-05-28


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