ちょっと前に映画化作品を見て、特に面白いとは思わなかったのだけど、原作がとても気になり、もう10年くらい前に出版されたベストセラーですが、読んでみました。(以下ネタバレあり)

特に気に入ったのは、あるひとつのフレーズです。
「町の音はいろいろ入り混じっている方がいい。うるさいくらいの方がいい。それは我々の生活に活気がある証拠だからだ。それに文句をいう人が増えてきているというのは、この国が衰退に向う全町のような気がする」
何でもないようなフレーズですが、含蓄に富んでますね。
最近は保育園を作るというと、近隣住民が「うるさくなるからいやだ」と猛反対の声が起こって建設計画を白紙に戻さねばならなくなったり、表参道に児童相談所を作ろうとすれば、「田町に作れ」なんていうひどい差別発言もあった。(これに対し田町住民の声として「表参道の人がそう言うのは仕方ない」と肩をすくめて言っていたのは笑ってしまったが、いいや、ぜんぜん笑い事じゃない!)
子どもは民族や宗教を問わずうるさいと決まっているものだし、児童相談所をそこまで忌み嫌う心性もよくわからない。
確かに、こんなことを言っている私だって、学校が終わって下校児がひしめく3時とか4時の頃は「うるさいなぁ」と思いますよ。思うけど、だから学校をよそへ作れなんて言わないどころかそんな発想すら湧いてこない。子どもはうるさいもの。児童相談所だってどこかに作らなきゃいけない。
何かこう、「子どもはうるさいからいやだ」という言説の底にあるのは、「子どもは大人と同じで静かにしていなければならない」という大人と子どもは同じもの、という考え方があるのではないか。
大人と子どもは違いますよね。違うから教育を施さなきゃいけないわけで。
もっと言えば、「大人は静かにしているもの」だって偏った見方ですよね。
いまのご時世、すべて人間を同じ価値観で貫かねば承知しない、みたいなものすごく怖い、脅迫めいた人間の見方、人生の見方があるように思う。

「人生を謳歌せねばならない」
「他人に迷惑をかけてはいけない」
「働かねばならない」
「恋愛せねばならない」
「結婚せねばならない」
「子どもを産まねばならない」
「怒ってはならない」
「泣いてはいけない」
「大人の対応をせねばならない」
あー息が詰まる。
上記の文言であなたが一番違和感をもっているのは、おそらく「他人に迷惑をかけてはならない」でしょう。
確かにかけないほうがいいのだが、謝ってすむ程度の迷惑ならたまにはかけたっていいとおもうのです。謝ってすまない程度の大迷惑ならダメだと思うが。
そもそも、「他人に迷惑をかけてはいけない」という言葉の底にあるのは、「迷惑をかけられたら私は承知しませんよ」というものすごく狭量な考え方ではないでしょうか。
「昭和の時代には、何をしているかわからない人、明らかに働いていない人なんかそこらへんに大勢いました」
とは佐藤愛子ではなく養老孟子先生。
いろんな人がいていい。ときには怒ったり泣いたりして取り乱す人もいていい。大人の対応が尊ばれる時代に異議を唱えます。

特に気に入ったのは、あるひとつのフレーズです。
「町の音はいろいろ入り混じっている方がいい。うるさいくらいの方がいい。それは我々の生活に活気がある証拠だからだ。それに文句をいう人が増えてきているというのは、この国が衰退に向う全町のような気がする」
何でもないようなフレーズですが、含蓄に富んでますね。
最近は保育園を作るというと、近隣住民が「うるさくなるからいやだ」と猛反対の声が起こって建設計画を白紙に戻さねばならなくなったり、表参道に児童相談所を作ろうとすれば、「田町に作れ」なんていうひどい差別発言もあった。(これに対し田町住民の声として「表参道の人がそう言うのは仕方ない」と肩をすくめて言っていたのは笑ってしまったが、いいや、ぜんぜん笑い事じゃない!)
子どもは民族や宗教を問わずうるさいと決まっているものだし、児童相談所をそこまで忌み嫌う心性もよくわからない。
確かに、こんなことを言っている私だって、学校が終わって下校児がひしめく3時とか4時の頃は「うるさいなぁ」と思いますよ。思うけど、だから学校をよそへ作れなんて言わないどころかそんな発想すら湧いてこない。子どもはうるさいもの。児童相談所だってどこかに作らなきゃいけない。
何かこう、「子どもはうるさいからいやだ」という言説の底にあるのは、「子どもは大人と同じで静かにしていなければならない」という大人と子どもは同じもの、という考え方があるのではないか。
大人と子どもは違いますよね。違うから教育を施さなきゃいけないわけで。
もっと言えば、「大人は静かにしているもの」だって偏った見方ですよね。
いまのご時世、すべて人間を同じ価値観で貫かねば承知しない、みたいなものすごく怖い、脅迫めいた人間の見方、人生の見方があるように思う。

「人生を謳歌せねばならない」
「他人に迷惑をかけてはいけない」
「働かねばならない」
「恋愛せねばならない」
「結婚せねばならない」
「子どもを産まねばならない」
「怒ってはならない」
「泣いてはいけない」
「大人の対応をせねばならない」
あー息が詰まる。
上記の文言であなたが一番違和感をもっているのは、おそらく「他人に迷惑をかけてはならない」でしょう。
確かにかけないほうがいいのだが、謝ってすむ程度の迷惑ならたまにはかけたっていいとおもうのです。謝ってすまない程度の大迷惑ならダメだと思うが。
そもそも、「他人に迷惑をかけてはいけない」という言葉の底にあるのは、「迷惑をかけられたら私は承知しませんよ」というものすごく狭量な考え方ではないでしょうか。
「昭和の時代には、何をしているかわからない人、明らかに働いていない人なんかそこらへんに大勢いました」
とは佐藤愛子ではなく養老孟子先生。
いろんな人がいていい。ときには怒ったり泣いたりして取り乱す人もいていい。大人の対応が尊ばれる時代に異議を唱えます。

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