ちょっと前に仕事の面接で、こんなやりとりがあった。
「神林さんは普段、周りからどんな人だと言われますか?」
「よく、面白い人ですねと言われます」
「じゃあ、いまここで何か面白いことを言ってみてください」
「それはできかねます」
「なぜですか」
「猿回しの猿になる気は毛頭ありませんので」
「猿回し……?」
「あなたはいま私に猿回しの猿になれと言ったんです。明石家さんまさんは恋人から何か面白いこと言ってと言われたら殴るそうです。非常に失礼です」
これで(他にも理由はあったかもしれないが)不採用となった。逆にいえば人を猿回しの猿扱いするような会社は不採用でいいと思ったからこそ「失礼です」と怒った。
そこで愛想よく気の利いたことを言わないから仕事が決まらないのだ、なんていう人にははっきり言っておきたい。猿回しの猿になれと言われて怒らないような人間にはなりたくないと。ちなみにこんな経験は一度や二度じゃない。何度もある。
こんなことを思い出したのは、元横綱白鵬、宮城野親方の相撲協会退職の記者会見が大絶賛されているからだ。

いま体調が芳しくないので、詳しいいきさつはよく知らないのだけど、弟子の殴打事件とかモンゴル人差別とかいろいろあっての結果のよう。
白鵬としてはいろいろ「あいつが悪い。あいつも悪い」と言いたいところだが、そこをグッとこらえて、そういうことを一言も言わずに会見終了となったことが絶賛を浴びている。
朝のニュースショーで武田鉄矢が「誰の悪口も言わず、誰の批判もせず、泣き言も恨み言も何も言わず、素晴らしかった!」と評していたが、私は違和感をもった。
いろいろ理由があるとはいえ、その深い根っこのひとつが「人種差別」であるなら、恨み言のひとつくらい言ってもいいのではないだろうか。協会批判のひとつくらい言ってもいいのではないか。いや、むしろ言わないといけないのではないか。
何だか最近は「どんな場合でも波風を立てない人」ばかりがもてはやされていて息が詰まる。

昨日の『5時に夢中!』で、ソニー創業者の井深大と盛田昭夫の言葉が紹介されていた。
「生意気な人を雇いたい」
岩井志麻子はこの件について「最近の若い人で生意気な人って誰もいませんね」とコメント。
結局、SNSなどで、通りいっぺんの毒にも薬にもならない発言をしている人が一番いいねをもらえるというのが背景としてあるのだろう。あとは、あまりに日本の風景が「出る杭がない」ものになってしまったので、少しでも出るとすぐ打たれるというのもあるのだろう。何しろ、最近の若い人は「とにかく目立ちたくない」のだそうだから驚く。
白鵬が「猿回しの猿」だったとは言わない。自分の言葉で真摯に語ったのだからそれは尊重せねばらならない。
あそこで白鵬が誰かの批判をしたら非難囂々だっただろう。「モンゴルへ帰れ!」の大合唱が湧き起こっていただろう。
結果から見れば「それでよかった」かもしれないが、でも、白鵬にああいう悪口も批判も何もない静かで穏やかな会見を強いた「何か」が、いまこの日本社会(世界全体?)を覆っていることにだけは敏感でいたいと思う。
↓↓↓岩井志麻子と同郷「岡山の奇跡」↓↓↓
「神林さんは普段、周りからどんな人だと言われますか?」
「よく、面白い人ですねと言われます」
「じゃあ、いまここで何か面白いことを言ってみてください」
「それはできかねます」
「なぜですか」
「猿回しの猿になる気は毛頭ありませんので」
「猿回し……?」
「あなたはいま私に猿回しの猿になれと言ったんです。明石家さんまさんは恋人から何か面白いこと言ってと言われたら殴るそうです。非常に失礼です」
これで(他にも理由はあったかもしれないが)不採用となった。逆にいえば人を猿回しの猿扱いするような会社は不採用でいいと思ったからこそ「失礼です」と怒った。
そこで愛想よく気の利いたことを言わないから仕事が決まらないのだ、なんていう人にははっきり言っておきたい。猿回しの猿になれと言われて怒らないような人間にはなりたくないと。ちなみにこんな経験は一度や二度じゃない。何度もある。
こんなことを思い出したのは、元横綱白鵬、宮城野親方の相撲協会退職の記者会見が大絶賛されているからだ。

いま体調が芳しくないので、詳しいいきさつはよく知らないのだけど、弟子の殴打事件とかモンゴル人差別とかいろいろあっての結果のよう。
白鵬としてはいろいろ「あいつが悪い。あいつも悪い」と言いたいところだが、そこをグッとこらえて、そういうことを一言も言わずに会見終了となったことが絶賛を浴びている。
朝のニュースショーで武田鉄矢が「誰の悪口も言わず、誰の批判もせず、泣き言も恨み言も何も言わず、素晴らしかった!」と評していたが、私は違和感をもった。
いろいろ理由があるとはいえ、その深い根っこのひとつが「人種差別」であるなら、恨み言のひとつくらい言ってもいいのではないだろうか。協会批判のひとつくらい言ってもいいのではないか。いや、むしろ言わないといけないのではないか。
何だか最近は「どんな場合でも波風を立てない人」ばかりがもてはやされていて息が詰まる。

昨日の『5時に夢中!』で、ソニー創業者の井深大と盛田昭夫の言葉が紹介されていた。
「生意気な人を雇いたい」
岩井志麻子はこの件について「最近の若い人で生意気な人って誰もいませんね」とコメント。
結局、SNSなどで、通りいっぺんの毒にも薬にもならない発言をしている人が一番いいねをもらえるというのが背景としてあるのだろう。あとは、あまりに日本の風景が「出る杭がない」ものになってしまったので、少しでも出るとすぐ打たれるというのもあるのだろう。何しろ、最近の若い人は「とにかく目立ちたくない」のだそうだから驚く。
白鵬が「猿回しの猿」だったとは言わない。自分の言葉で真摯に語ったのだからそれは尊重せねばらならない。
あそこで白鵬が誰かの批判をしたら非難囂々だっただろう。「モンゴルへ帰れ!」の大合唱が湧き起こっていただろう。
結果から見れば「それでよかった」かもしれないが、でも、白鵬にああいう悪口も批判も何もない静かで穏やかな会見を強いた「何か」が、いまこの日本社会(世界全体?)を覆っていることにだけは敏感でいたいと思う。
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