『シンシン/SING SING』(2023、アメリカ)

たいそうな傑作とは思わないけど、しみじみいい映画だった『シンシン/SING SING』。
この映画を見て思い出したのは、デビッド・フィンチャーが劇場映画から配信のシリーズものにシフトしていきたいとして語った言葉です。
「いまの劇場映画ではやりたいことができない。『明日に向って撃て!』では2時間の間なにが描かれていた? 徹頭徹尾キャラクターだ。では『大統領の陰謀』は? それもキャラクターだ」
つまり、いまのハリウッド映画では肝心要の「キャラクター」をきちんと描写することをプロデューサーが許してくれないというのです。で、もっと長い時間をかけて描かれる配信のテレビシリーズのほうがやりたいことができるとの表明でした。
『明日に向って撃て!』を200回見たというだけあって、最初のタイトルにそれが出てきたのが微笑ましかったですが、それはともかく、2時間かけてキャラクターを描きたいという言い分は絶対的に正しい。

フィンチャーはその後、『Monk/マンク』や『ザ・キラー』など映画も撮っていますが、どちらもネットフリックスで。パラマウントやユニバーサル、ワーナーなどで撮る気はさらさらないようです。
確かに、『明日に向って撃て!』は言うに及ばず、『大統領の陰謀』の、あのロバート・レッドフォードを執拗に追い続ける長回しのカメラなどは、「キャラクター」を丹念に追っているなぁと思うし、それ以前に、監督による芝居のつけ方が素晴らしいようで、カメラがどうした編集がどうしたという前に、「お芝居」が絶妙ですよね。
『シンシン/SING SING』もそんな映画でした。コールマン・ドミンゴは言うに及ばず、本人役で出演した役者たちに幸あれ。

たいそうな傑作とは思わないけど、しみじみいい映画だった『シンシン/SING SING』。
この映画を見て思い出したのは、デビッド・フィンチャーが劇場映画から配信のシリーズものにシフトしていきたいとして語った言葉です。
「いまの劇場映画ではやりたいことができない。『明日に向って撃て!』では2時間の間なにが描かれていた? 徹頭徹尾キャラクターだ。では『大統領の陰謀』は? それもキャラクターだ」
つまり、いまのハリウッド映画では肝心要の「キャラクター」をきちんと描写することをプロデューサーが許してくれないというのです。で、もっと長い時間をかけて描かれる配信のテレビシリーズのほうがやりたいことができるとの表明でした。
『明日に向って撃て!』を200回見たというだけあって、最初のタイトルにそれが出てきたのが微笑ましかったですが、それはともかく、2時間かけてキャラクターを描きたいという言い分は絶対的に正しい。

フィンチャーはその後、『Monk/マンク』や『ザ・キラー』など映画も撮っていますが、どちらもネットフリックスで。パラマウントやユニバーサル、ワーナーなどで撮る気はさらさらないようです。
確かに、『明日に向って撃て!』は言うに及ばず、『大統領の陰謀』の、あのロバート・レッドフォードを執拗に追い続ける長回しのカメラなどは、「キャラクター」を丹念に追っているなぁと思うし、それ以前に、監督による芝居のつけ方が素晴らしいようで、カメラがどうした編集がどうしたという前に、「お芝居」が絶妙ですよね。
『シンシン/SING SING』もそんな映画でした。コールマン・ドミンゴは言うに及ばず、本人役で出演した役者たちに幸あれ。

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