毎日映画コンクールの発表が先日あって、私がワーストに挙げた『夜明けのすべて』が日本映画大賞ですって。

別にそれはいいのだけど、気になったのは「主演俳優賞」「助演俳優賞」という呼称。


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去年までは普通に「主演男優賞」「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」だったのが、最近のロサンゼルス映画批評家賞やヴェネチア国際映画祭と同じように、「男優」「女優」という性別で分けるやり方をやめたそうです。

私は別に分けてもいいんじゃないの?派ですけど、分けるならまぁそれでもいい。

ただ、今年の毎日映画コンクールでさっぱり理解できないのが、

「主演俳優賞」に、横浜流星と河合優実
「助演俳優賞」に、池松壮亮とカルーセル麻紀

と、男女それぞれ一人ずつ選んでいること。これってどういうことですか?

これでは従来の「男優賞」「女優賞」と同じじゃないですか。

まるで「俳優」に一本化することで、私たち毎日新聞は性的少数者に対して理解があるんですよ~というふりをしている。それだけ。

だって、「男優」と「女優」に分けない最大の理由は、その性的少数者に配慮することなのに、毎日新聞がやっていることは真逆のことだから。

LGBTQのうち、ここで問題になるのは、TとQですよね。体と心の性が一致しないトランスジェンダーと、自分の性自認が何かわからないクエスチョニング。

彼らは自分の性が男か女かはっきりしないから、「主演俳優賞」のカテゴリーでないと表彰できない。そのために男優・女優で分けるのをやめたはずなのに、実際は男優一人、女優一人を選ぶなら、トランスジェンダーやクエスチョニングの人たちはどうするの?

仮にこれからも男女一人ずつ選ぶとして、クエスチョニングの人が受賞対象となったら、もう一人は男女どちらから選出するんでしょうか。

だから、いまからでも遅くないから、「主演俳優賞」と分けずに行くなら、男女もしくは第三の性から一人だけ選ぶことです。

繰り返しますが、男女一人ずつ選ぶなんて、自分たちの政治的正当性を前面に出しているだけです。


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