今日、面白いものを目撃しました。

茶店でコーヒーをすすっていたら、目の前の人が、司法試験なのか宅建なのか何かは知りませんが、何かの資格取得のために勉強しているらしく、参考書の文字にマーカーをたくさん引いていたんですね。

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↑このぐらいのマーカーなら効果あるでしょうが、↓こんなふうになっていたんです。

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まあこの画像はちょいと極端ですが、でも、これと似たくらいマーカーだらけ。これじゃ、マーカーを引いてる意味がないですよね。

自分もこんなことしたなぁといまから9年前のことを思い出しました。

脚本家の夢が潰えて都落ちしたころ、何か正社員の仕事がいいニャと思って、ある会社の広報の仕事に応募したんです。ハローワークの募集欄には、

「フェイスブックで会社のアッピールをする業務」

みたいなことが書かれていて、いくらか忘れたけど給料がとてもいいので、大阪のどこだったか何駅も乗り継がないといけないところだったけど応募したのでした。

で、面接の日にどのような「アッピール策」があるか提案してほしいというので、自分で作成した文書に、大事なところを上の画像のように、マーカーじゃないけどワードで色を換えて提出したのでした。画像といっても上じゃなくて下のやつね。マーカーの意味がないほう。

すると、いかにも大阪のおっちゃんタイプの面接官は、最初は履歴書と職歴書だけ見て「いやぁ神林さん、僕のほうが年下ですし、異色の経歴をお持ちやし、これからいろいろ勉強させてください」みたいなことを言われ、もうほとんど決まったも同然か、と思ったら、くだんのマーカー魔の文書を見せたら、即座に顔色が変わり、「あのぉ、これ、ポイントはどこなんですかね」と問いつめられ、そう言われると「ここもあそこも、そこも」と言いたいけど「それじゃ『ポイント』じゃない」と自分で突っ込みを入れるなどして、結局は冷たい顔で見送られたのでした。


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マーカー魔とは何ですかね?

ちょっと前に読んだネット記事に、「マーカーをたくさん引くような勉強の仕方はだめ」とあって、そりゃそうだろうと思ったものの、何だかんだで自分も同じことをしている。

なぜみんなそうなりがちかというと、それはやっぱり、マーカーをたくさん引くと「勉強してる感」が満載になるからでしょうね。勉強してるんじゃなくて、勉強してるふりをしてる。

そういえば、都落ちする前にある高名な脚本家から言われました。

「君は本気のふりをしている」

たくさん映画を見たり本を読んだりというのは勉強にはなっても、そこから直接書くことへ通じるわけじゃないですもんね。

マーカー魔になってはいけない。勉強しているふり、○○しているふりをしてはいけない。

残り少ない人生ですが、肝に銘じて生きていきたいと思います。


科学的根拠に基づく最高の勉強法
安川 康介
KADOKAWA
2024-02-15


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