2023-24シーズンのバロンドール(今季からUEFAが主催に加わってUEFAバロンドールという呼称になったそうだが)はマンチェスター・シティに在籍するスペイン代表MFロドリに決定しました。

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驚きましたね。ずっとヴィニシウスだと聞いてたし、ヴィニシウス自身も対戦相手の選手といざこざになったとき「俺は今度バロンドールを受賞するんだぜ」と息巻いてましたし。

で、パリへのチャーター便を予約していたにもかかわらず、離陸直前に受賞者がヴィニシウスでないばかりかカルバハルでもないと知ったレアル・マドリードの面々50人が授賞式をボイコットするという暴挙に出ました。世界中で非難されています。

うーん、、、

そもそも、私は昨季までのバロンドールが授賞式前に結果が知らされているという事実を知りませんでした。

授賞式の前に雑誌の表紙を飾るのに写真撮影があり、それに呼ばれれば受賞者だと事前にわかる、と。なるほど。で、今回から箝口令を敷いて情報が漏れないようにした、と。

ん? 何かおかしくないですか。箝口令を敷いているのになぜ授賞式の少し前とはいえレアル・マドリードの面々に情報が洩れてるの?

私は知らなかったけど、そもそも、事前に、

1位ヴィニシウス
2位ロドリ
3位ベリンガム
4位カルバハル

という投票結果がリークされていたとかで、実際の授賞式で発表された順位は、1位と2位が入れ替わっていただけ。

と、いうことは……?

何らかの形でヴィニシウスが受賞者と機密情報がリークされ、ヴィニシウス本人はその気になって対戦相手に「俺が受賞者だ」と息巻き、レアル・マドリードはレアル・マドリードTVで流す予定だったのだろう5時間もの「ヴィニシウスおめでとうVTR」を作った。それが、直前に変わったということですよね。

直前に変わるということは、実際の投票結果に細工を施して本当は2位のロドリを受賞者に仕立て上げた。レアル・マドリードが無理やりリークさせたか何かで、その報復ということでしょうか。ともかく、レアル・マドリードの面々が事前に聞いていた情報とは真逆の情報を聞かされて、「何だそれは」と激怒した。カマビンガの「サッカー政治だ」というコメントとも符合します。

声明を出すにも無理やりリークさせている以上、本当のことが言えず、「ヴィニシウスはおろかカルバハルさせ受賞者じゃないというのはレアル・マドリードへの敬意を欠いている」というすごく尊大な声明を発表せざるをえなかった、というのが事の真相なんでしょう。

これに対し、どういう経緯であれロドリが受賞者に決まったのだから祝福に訪れるべき、という声が多いんですが、私はそうは思わないな、というか、この意見には決まって「メッシは自分が受賞じゃないとわかっていても授賞式に赴いた謙虚な選手だった」という意見がついてるんですけど、メッシが優等生すぎたんじゃないですかね?

メッシ・ロナウド時代に、「どっちが世界一の選手?」というアンケートをとったとき、あるサッカー解説者が「タイプが違うから比較できない。唯一の違いは『人間臭さ』」と言ってクリスティアーノ・ロナウドを世界一に挙げていました。オレ様ロナウドのほうが人間臭いから好きだと。

ペップ・グアルディオラも「授賞式に行く行かないは自由だろう」と言っています。その代わり「投票結果は受け入れないとね」とも言っている。レアル・マドリードも「ロドリの受賞結果は受け入れる」と言っているのだから別にいいんじゃないでしょうか。

いずれにしても、アンチェロッティが監督賞で、チーム全体が最優秀チーム賞に選ばれたのにボイコットしたということは、受賞者がヴィニシウスじゃなかっただけじゃない、別の理由があるのは明白です。ブトラゲーニョが主導したという情報もありますが、どちらにしてもペレスもアンチェロッティもモドリッチさえもボイコットを賛成したんでしょう? だったらやっぱり何かあると考えるのが自然。

ただ、どうしても今季はクロース引退とエンバペ加入でチーム状態が悪く、クラシコでも惨敗を喫した直後だけに、負けてるから心に余裕がなくて行けなかったんだろう、みたいに思えてしまうのが悲しい。クラシコで勝ってボイコットだったらよかったんだけどな。

さて、今日明日くらいに新情報が出るのか。いずれにしても、次節バレンシア戦から今季アウェーの残り試合はずっと大ブーイングの嵐は覚悟しておいたほうがいいでしょう。


THE REAL MADRID WAY レアル・マドリードの流儀
スティーヴン・G・マンディス
東邦出版
2018-05-17

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