「触らない痴漢が急増している」という記事を読んで、不謹慎なことですが爆笑してしまいました。


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何でも、触ると捕まる可能性が高いからと、触らない痴漢、つまりは、女性の背後に立って匂いを嗅ぐ、あるいは、息を吹きかけるなどのわいせつ行為を行うらしいです。

いくら何でも触る行為がないのなら少しも性的に快くない。だからやっぱり痴漢は性犯罪じゃなくて、支配欲の犯罪だと思うのです。女性に対して好き勝手振る舞って嫌がるけれど何も言えない顔を見て愉しむ、というね。

でも、なぜこういう新しい痴漢が出現したのかと疑問に思い、思い当たることを調べてみました。すると、「やっぱり!」でした。

2023年の7月までは、着衣の下、つまり直接触ると強制わいせつ罪で起訴されれば99.9%の確率で有罪になっていました。これはいまも同じですが、変わったのは、着衣の上から、つまり間接的に触った場合は、2023年7月までは迷惑防止条例違反として、略式起訴されてほとんど罰金だけですんでたらしいんですが、これがいまでは間接だろうと直接だろうと、強制わいせつ罪として懲役刑になる可能性が高まったらしいんですね。つまりは厳罰化です。

痴漢というのはやはりギャンブル依存症などと同じで、「病気」だと思うんですよね。捕まったら大変なことになるとわかっていながら触ってしまうというのは。だから厳罰化より治療を優先したほうがいいのに厳罰化してしまった。

その結果が「触らない痴漢」です。触らない痴漢も逮捕・起訴されることはあるそうですが、息を吹きかけてくる男性の動画をこっそり撮っても「証拠不充分」で不起訴になることはままあるそうな。そりゃそうだ。

だから、やはり厳罰化が間違っていると思います。


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暴力団対策法と暴力団排除条例によって社会から排除されたヤクザたちはいま、地下に潜って、自分たちの手は少しも汚さず、闇バイトを雇って強盗や詐欺をさせて大儲けしています。

すべては厳罰化による社会からの排除が原因でしょう。

痴漢もヤクザも社会から排除・抹殺された。そこで、ヤクザは地下に潜り、痴漢は触らない痴漢として再登場した。

ヤクザは必要悪だったと思うし(ヴィトー・コルレオーネだって、俺は薄汚れた悪人にすぎないと自嘲しながらも、貧しい人たち、法の網から漏れてしまう人たちのための役に立っていた)痴漢は罰せられないところでさらなる暗躍をするようになった。

ばい菌をすべて排除しようとしても徒労に終わるだけ。「共生」の道を探らないと。


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