アイルランド映画『コット、はじまりの夏』を見て、クリント・イーストウッドを想起したというのがこの日記の主旨です。(以下ネタバレあり)


『コット、はじまりの夏』(2022、アイルランド)
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原作:クレア・キーガン
脚本・監督:コルム・バレード
出演:キャサリン・クリンチ、キャリー・クロウリー、アンドリュー・ベネット、マイケル・パトリック


クリント・イーストウッド、斜め45度の男
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私はかねてより、クリント・イーストウッドがコーヒーを飲む姿が好きで好きでしょうがないんですが、なぜコーヒーなんだろう? と。よく考えたら、酒でも一緒だと気づきました。

酒でもコーヒーでも、真正面からは顔が映らないから撮れない。自然に斜め45度の角度から撮ることになる。それか真横か。多いのは斜め45度。この角度から彼を撮ったショットが異常にかっこいいことに3年ほど前にやっと気づきました。


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『荒鷲の要塞』

何も飲んでなくてもかっこいい。


キャサリン・クリンチ、斜め45度の女
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『コット、はじまりの夏』で描かれるのは、母親の出産のために親戚夫婦に預けられることになったコットという少女のひと夏の成長譚です。

特にわがままとかそういうんじゃないけど、掃除や牛の世話など、家にいたときよりはめんどくさいことも率先してやるようになるコット。このコットが、出産が終わって家に戻ることになり、親戚夫婦と別れるシーンの切なさがもうMAX! 泣きはしなかったがゲキ胸熱。

ただ、最後のセリフは、何とか工夫して「ダディ」じゃなくて「マミー」にしてほしかったかな。

内容の素晴らしさはいろんな人が絶賛してるでしょうからこれ以上何も言いません。

私が言いたいのは、コットを演じたキャサリン・クリンチというまだ子役のカテゴリーであろう女優が「斜め45度の俳優」だということです。


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斜め45度から撮られるシーンはそう多くはありません。でも、ここぞというときの表情は斜め45度で撮られています。

これは、彼女の美しさに魅せられた監督またはカメラマンが狙ってしたことでしょう。

そもそもの問題として、映画で役者が真正面から撮られることは少ない。真横は結構ありますが。

でも、イーストウッドと同じくらい斜め45度から撮られているとなると、これは「事件」ですね。

私はもしかしたら、大事件を目撃していたのかもしれない。キャサリン・クリンチという大女優の誕生の瞬間を。それをスクリーンではなく自宅のテレビでとは、何と罰当たりな。


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子役で終わる人は多いから、このまま女優を続けていってほしいもんです。

にしても、アイルランド映画って久しぶりに見た。『イニシェリン島の精霊』以来か。

何にしても、『コット、はじまりの夏』、素晴らしく美味な映画でありましたことよ。





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