先週放送された、木南晴夏を追跡したドキュメンタリー「情熱大陸」が批判の的になっていると聞いて、Tverで見てみました。


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内容は、大きく三つあって、

①38歳のいまでないと回ってこない役をこなしたい。
②子育ても頑張りたい。
③楽屋で食べられるパンの配達をプロデュースしたり、絵を描くのが趣味。

以上、3点。ほとんど①と②ですが。

で、批判の的というのが、その①と②の葛藤に悩む姿なんですって。

子育てに頑張りたいし、「ママ、ママ」と言ってくれるのはいまのうちだけだと思うから、早く帰って顔を見てから寝たい、そうすれば疲れもとれる、といいながら、いましか回ってこない役を全力でこなしたいと言っていて、視聴者から、いまのうちだけ仕事をセーブすればいいじゃないか、夫は売れっ子の玉木宏なんだからいくらでも甘えられるだろ、という批判が殺到しているとか。

何か的外れじゃないですかね?

だって、番組内で木南晴夏自身が言っていたように、何より「育休をとったら忘れられるんじゃないか」という不安と恐怖があって、それで仕事でも走り続けている現実がある。だから子育てしないといけないのに怠けてるとかじゃぜんぜんない。

それに、もし玉木宏のドキュメンタリーがあったとして、そこで彼が「子育てもしないといけないけどいましか回ってこない役もあるから」などといったら、同じ批判が来ますかね? 来ないと思う。

結局、木南晴夏が「女」だからみんな攻撃してるだけでしょ。それと夫が人気者だから妬みやっかみもあるのかもしれない。

というか、玉木宏を追跡したドキュメンタリーで、もし彼が木南晴夏と同じことを言っていたとしたら、妻の木南が批判されると思う。玉木に仕事をさせるためにもおまえが仕事を休め、とかね。絶対そうに違いない。


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それと、パンの配達をプロデュースしているというエピソードにもつながってくるけど、木南晴夏は劇場版の『おいハンサム!!』の舞台挨拶のときに、「おい○○!!」で何かコメントを、という大喜利があって、その際、

「おいロケ弁!!」

って言ったそうなんですね。最近のロケ弁はしょぼすぎると。おかずの数も少ない、みたいな。だから楽屋で食べられるパンの配達をプロデュースしてるんでしょうけど、これにも批判が殺到しているとか。

なんでやねん。

木南の現場の実際のロケ弁がどんなものか知らないけど、私が脚本の専門学校に行っていたとき口を酸っぱくして言われましたよ。

「このシーンを削れば何百万も製作費が浮く。その分、ロケ弁のおかずを二品は増やせる。弁当で人は動くからね。そういうことも考えて書かなきゃ」と。

そう、弁当で人は動きます。私が録音部として現場で働いていたときもロケ弁がしょぼくて泣きそうになった。たまに一品だけでも豪華だと昼からの体の切れが違うんですよね。まさに「弁当で人は動く」。

だから、しょぼいロケ弁しか用意できない製作部が批判されるべきであって、一俳優を批判するのは筋違いでしょう。

私は別に木南晴夏のファンではないが、今回の「情熱大陸」は彼女の自然体をさらりと撮ってみせた好編だったと思うだけに、心ない誹謗中傷が集まったというのは残念でなりません。


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