前半戦は凶作でしたが、後半戦はどうだったでしょうか。見た順に感想を記します。


『推しを召し上がれ ~広報ガールのまろやかな日々~』
乳酸菌を擬人化してる時点で完全に萎えました。何これ。速攻でリタイア。


『さよならマエストロ ~父と私のアパッシオナート~』
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ちょっと見渡しただけでも、

西島秀俊
芦田愛菜
石田ゆり子
玉山鉄二
宮沢氷魚
津田寛治
新木優子
西田敏行

これだけで俳優のギャラが相当かかってるのがわかります。『VIVANT』はもっとかかってたと思うので、このTBSの日曜9時の枠って広告収入がかなりあるんですね。

さて、西島秀俊と當真あみが出てるから見始めたこの作品、出番の少ないうえにおバカさんみたいな役の當真ちゃんはともかくとして、西島秀俊がかなりよかったですね。

予算削減でクラシックホールを閉鎖しようとしている市との公的な闘いと、娘との葛藤という私的な闘いがうまく噛み合ってないし、主人公が「指揮はもうやらない」と言いながら再び指揮棒を手に取るに至るまでにあまりに葛藤も逡巡もないなど、いたるところでスマートじゃない描写・展開が続出して何度も見るのやめようかと思ったけれど、そのたびに西島秀俊が救ってくれたのでした。

指揮者には見えないけど、人柄の良さが隠せないほど横溢していて好もしい。『ドライブ・マイ・カー』ではアメリカのアカデミー賞にノミネートされてもおかしくなかったわけですし、よく「棒読み演技」と揶揄されたりしてるけど、あの棒読みがいいんじゃないですか。

というわけで、お話とか構成とかはまったく乗れない本作でしたが、一人の役者の魔法のおかげで次も見てみようと思ったのでした。

しかし、2話を見てリタイアを決めました。西島秀俊は安定の素晴らしさだったけど、肝心のお話が少しも面白くない。はたしてこの作品に「物語」はあるのでしょうか。「ドラマ」は? まぁ娘との間に葛藤があったりするけど、「ドラマ」というほどのものじゃない。

何となくだらだらシーンが続くだけで少しも来週が楽しみじゃない。

それに、チェロ奏者で鳴り物入りで入団してくる男がいましたが、何で無名の俳優を使ってるの? 聞けば浅野忠信とCharaの息子らしいけど、無名には違いない。他の役でギャラの高い俳優を使ったから無名俳優しか使えなかった? しかしあの役こそ知名度の高い俳優を使うべきではなかったでしょうか。西田敏行の役とか別に西田敏行じゃなくてもいいし、玉山鉄二も津田寛治も別に彼らじゃなくていいと思います。


『ゆびさきと恋々』
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何という罪な作品だ。年甲斐もなく胸キュンしてしまったではないか。何という罪な作品だ。

聾唖者の雪が、バックパッカーで世界中を旅している逸臣に出逢った瞬間に恋に落ちたのがいいですね。話のスピード感が半端じゃない。

しんしんと降る雪の夜に、二人の足音がコツコツと響くシーンの素晴らしさよ。たったあれだけの音が素晴らしく感じられる。きっと雪が聴覚を手にしたら、世界全体がああいうふうに聴こえるんだろな。

逸臣は男前できざなくらいな感じなのに少しも嫌味がない。不思議。

これは早くも完走を確信! 


『アイのない恋人たち』
開巻早々、主人公を含む男子3人でスピッツを合唱し、「15年後の同じ時間に同じ場所で会おう」と約束する。恥ずかしすぎて無意識に停止ボタン押してました。


『瓜を破る ~一線を越えた、その先には~』
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瓜を破る、つまり、破瓜=処女喪失をテーマに据えた作品。

ですが、あまりに直接的すぎませんかね? 主役の高齢処女が処女喪失しようと、同窓会で再会した男に「今夜だけ、あたしとしてくれない?」などと頼んでベッドインするんですが(失敗に終わる)誰かにばらされたらどうするんでしょう??? 同窓生に頼むのはリスクがありすぎるし、それくらい切羽詰まってるってことかもしれないけど、あまりに無防備だし何の逡巡もないのが難。相手の男も特に迷いがないのはどーゆーこと?

でも、来週の予告編を見ると、破瓜を通して女性をめぐる社会問題をあぶりだそうという狙いのようにも感じられるので、とりあえず2話は見てみようと思います。30分という枠がこういうときにものを言いますな。60分ならこの時点でリタイアですよ。


『離婚しない男 ~サレ夫と悪嫁の騙し愛~』
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放送作家を引退するという鈴木おさむ最後の連ドラということで見てみました。

不倫妻・篠田麻里子、不倫男・小池徹平、弁護士・水野美紀というのはいいとしても、不倫され夫が伊藤淳史というのが納得いきません。私はあの役者が好きじゃないのです。

一人娘の親権を獲得できる目途がつくまでは離婚しないと決意したのはいいですが、特に面白くも面白くなくもない。ここで見切りをつけるのは早すぎると思い、完走は確信できないまでも、とりあえず続走を決めました。水野美紀の暴走にも期待したいしね。(ふふふ)


『不適切にもほどがある!』
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TBSプロデューサー磯山晶とクドカン、8度目のタッグ作は、昭和の男が令和にタイムスリップするお話。やはり今季はこれが真打ちですね。

主要人物の紹介で10分。そこから最初のタイムスリップまで10分。語りの経済効率が素晴らしい。

阿部サダヲのキャラクターを過干渉の親にしたのがミソですね。娘に過干渉するくらいの男でないと、いくら昭和の男といっても、令和の価値観に過干渉しないだろうから。しかも教師。最もパワハラ・セクハラしやすい職業。簡単なことですけど、見事な設定ですね。

まだ1話では世界観の確立に手間取ってしまって(あれだけ効率のいい語りをしていながら。やはりSFは難しいんですね)パワハラの疑いをかけられた若い上司の問題にしか過干渉できなかったけど、これからに期待。

あと、昭和と令和の言い合いを「歌合戦」にしたところもミソでしょうか。セリフの応酬にすると長くなるし、ヒートアップしてシリアスすぎる展開になりかねない。ミュージカルコメディ仕立てにしたのは素晴らしい発想だと思いました。


というわけで、前半戦と合わせて12本見始めてリタイアしたのが7本。5本も生き残ってる。といっても、迷いがあるから続走を決めたものも多いので豊作とはいえないですかね。

でも、『ゆびさきと恋々』と『ふてほど(不適切にもほどがある!)』があればそれでいい。


2024冬の新ドラマ・アニメあれやこれや(『僕ヤバ』『君ここ』などの前半戦)




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