書籍ベストテンはあまり考えなくても簡単に選べました。何しろ、いまの私は「本を3.4時間読めて、なおかつ、その疲れが翌日に出ないこと」が職探しの条件で、その条件をなかなかクリアできないでいるからです。9月には80分読めたけど、何だかんだでいまは30分が限度。体力がないのです。

だから、読む本が限られる。全体の読む冊数が少ない。だから選ぶのは簡単でした。

書籍ベストテンに限っては、「今年出たもの」じゃなくて、「今年読んだもの」なんですけど、あら不思議。2位8位9位以外はすべて今年あるいは去年出たもの。新しいものばかりなのは私にしてはものすごく珍しい。

では行きましょう。


①君のクイズ(小川哲)
②創作の極意と掟(筒井康隆)
③本を読めなくなった人のための読書論(若松英輔)
④成瀬は天下を取りにいく(宮島未奈)
⑤恐怖の正体 トラウマ・恐怖症からホラーまで(春日武彦)
⑥ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち(レジー)
⑦ハリウッド映画の終焉(宇野維正)
⑧日本の歴史をよみなおす(網野善彦)
⑨やくざと芸能界(なべおさみ)
⑩君が手にするはずだった黄金について(小川哲)


小川哲さんの作品でサンドイッチにしてみました。とはいえ、『君のクイズ』はやはりダントツでしたね。

しかし、なぜ世間では「競技クイズの世界に魅了された」みたいな感想が吹き荒れているのか不思議です。あれは「信頼できない語り手」による一人称小説なのに。読書時の私の感想はこちら⇒『君のクイズ』考察①ヤラセと「人生」

ちょっと前まで新作小説を書いていた私がとても参考になったのが筒井康隆さんの『創作の極意と掟』。でも書く情熱を失ってしまいました。体力がないからか? 理由はわかりませんが、いまは創作から離れています。

4位の『成瀬は天下を取りに行く』も素晴らしかったですね。ああいうユニークなキャラクターを私はついに作りえなかった。というのが大いなる反省点。漫才のシーンもげらげら笑えるほど面白く、秀逸でした。

久々の春日武彦本領発揮の5位も面白かった。特に幼いころから閉所恐怖症であり、最近は尖端恐怖症に悩まされている身としては「恐怖症」の章が一番キタかな。

何でもコスパだ、タイパだという人たち(若者とは限らず、むしろ中高年に増えているとか)とは友だちになれないなぁと思っている身にとって、6位の『ファスト教養』は興味深い本でした。

7位は、長くなる一方のハリウッド映画を、#MeTOO運動のキャンセル・カルチャーから解きほぐしていく、これまた興味深い一冊。要は強権をふるうプロデューサーが業界から追放されてしまった、と。私たちが知っている切れ味鋭いハリウッド映画はもう終わるらしい。と、言われなくても数年前から感じていましたがね。というか、もう終わってますよね。『ミッション:インポッシブル』の新作も面白かったけど長かったし。トム・クルーズですら強権発動できないのかと暗澹たる気持ちになりました。

8位はずっと積読状態だった一冊。長兄が帰省したとき読んでたので重い腰を上げました。感謝。非人に関するところが一番興味深かったかな。

9位には、なべおさみのあまり知られてない一冊を。芸能人とはやくざなんだよ、という主旨に膝を打ちました。そりゃ「河原乞食」だもんね。そう、これまた非人の話。芸能人には、自分はやくざだという矜持を失わないでほしい。何でもかんでもコンプライアンスとやらを重視する人たちにはこの気持ちはまったくわからんでしょうが。


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君のクイズ
小川 哲
朝日新聞出版
2022-10-07


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