8話で吉岡秀隆演じる悠作から離婚を切り出された小池栄子の万里江が誰一人味方してくれる者がいないなか、悠作とは絶対離婚したくないと絶叫するのが昨日の9話でした。


『コタツがない家』9話(2023、12月13日)
S8AYAsoATIMhGzJtet0ZnWi-1Oq9dZNpKYi_-stJVMI(久しぶりにかわいい顔の小池栄子が見れてよかった)

前回の記事では、この『コタツがない家』を絶賛しましたが、昨日の9話はがっかり拍子抜けでした。いや、最後のほうまでかなり面白かったんですよ。でも、小池栄子が吉岡秀隆と離婚したくない理由を聞いて腰が砕けました。


離婚したくない理由は?
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小池栄子は、「いまの自分が全部悠作のおかげだ」と明かし、「会社を作ったのもそう。家事と育児を頑張ってこられたのもそう。全部あなたのおかげなの」と言います。その心は? 本当の理由は何かと思ったら……。 「あなたがダメでクズでだらしなくいてくれたことが私を輝かせてくれたの!」

え……?

「あなたと思い切りぶつかったり絶望したり怒ったり、たくさん泣いたり笑ったりしたことが全部私のエネルギーだったのよ!」

うーん、そうだったんですか。って、それはここまで長く付き合ってきた視聴者への裏切りじゃないの? 

だって、それじゃあ、ダメでクズでどうしようもない男だと吉岡秀隆を評しながら、そのことで自分が輝けたのなら、エネルギーになってくれたのなら、吉岡秀隆は充分「役に立って」ますよね? 少しもクズじゃない。

この『コタツがない家』が素晴らしいのは、何の役にも立ってない悠作という男を万里江をはじめ家族みんなが受け入れているところだと思ってたんですがね。何かというと最近じゃ「それって何の役に立つんですか?」と聞いてくるじゃないですか。それへのアンチテーゼだと思ってたんですがね。結局、悠作も何かの役に立ってたなんて、ものすごく裏切られた感じ。


チョーさんが象徴するもの
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小池栄子の爆発のあとに、猫のチョーさんが吉岡秀隆に寄ってきて甘える。彼は「チョーさんのためにもな」と離婚を撤回する。

「チョーさんのために」というのは方便でしょうが、猫や犬などペットというのは「何の役にも立ってない」象徴じゃないですか。

チョーさんは何の役にも立ってないけど、譲渡会に行って引き取ってきて名前も付けてやった吉岡秀隆が優先権をもっており、チョーさんを溺愛する作間龍斗は何とか奪い取ろうとしてましたが、彼らはチョーさんの引き取り手になりたい明確な理由があるんでしょうか? ないでしょう。かわいいとか、何か和むとか、その程度でしょう? それなら万里江が悠作と離婚したくない理由も「役に立ってくれてる」とかじゃなくて、もっと別のくだらない理由でよかったんじゃないですかね。それこそ「何か和むから」とか、あとはうまく言葉にできないとか。


「またか」
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またか、というのは、金子茂樹さんが数年前に描いた『俺の話は長い』のことですよ。

ニートの生田斗真が、吉岡秀隆と同じく、周囲(その中心は他でもない小池栄子)から働け働けと言われながら堂々とニートを続けていたけど、最終回で面接を受けに行くところで終わるという最悪の結末でした。

人は働かねばならない、社会に貢献し、周りに迷惑をかけてはいけない。

金子茂樹さんはそういう社会通念を自らの思想にしてしまっていると感じます。これはかなり根深いんじゃないでしょうか。

最終回がどうなるか、期待せずに待ちたいと思います。


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