ちょいと前に、DJのSODAさんが露出度の高い服を着てたらステージ上で観客に胸を触られた事件がありました。

最近でも、藤川らるむというモデルさんが、かつて露出度の高い服をを着ていたら痴漢被害に遭ったことを告白していました。

こういうときに昔から必ず上がる声が、「そんな服を着てる女のほうが悪い」という意見。

数年前に、「男子の劣情を刺激するから」とポニーテールを校則で禁止した学校がありましたが、あれとまったく事情は同じですよね。性犯罪での責任は女子の側にあるという。手を染めてるのは男子のほうなのに。




私は男ですが、かねてから「性犯罪は性欲を満たすためのものではない」と思っています。

だって、目の前の女が嫌がって泣いたりしてるのにそれで気持ちいいですかね？　まさか。気持ちいいわけがない。

あれは、いま目の前の女を自分が支配している、という支配欲を満たしているわけでしょ？　これだけ嫌なことをしているのに声も上げられない、ヘヘヘ……みたいな。

「性犯罪は実は性犯罪じゃない」ということは、露出度の高い服を着ると男は触ってしまうからやめたほうがいい、という論法から逆に考えると、わかりやすいと思います。




露出度の高い服を着るからだ、という論法は、完全に女が悪いことを前提にしています。

目の前に露出度の高い服を着ている女性がいたら、普通は目のやり場に困ると思う。そりゃ劣情を刺激されることもあるでしょう。私も男だから。しかしだからこそ目のやり場に困るわけで、普通手なんか出さないですよ。

だから「露出度の高い服を着る女が悪い」というのは、完全に男が自分たちを守るために編み出した論法なのは間違いないですよね。じゃあ、何のためか、といえば、そりゃもう、女を支配するためですよね。女を悪者扱いし、責任を追及することで、男上位の秩序を乱させまいとする。

だから、痴漢や強姦が性犯罪ではなく支配欲を満たすための犯罪という事実と整合性が取れます。

誰だったか忘れましたが、ツイッターで2，3日前に「昔、痴漢に遭って交番に行ったら、どんな服装をしてました？　露出度が高くなかったですか？」と真っ先に当然のように訊かれたそうです。

痴漢や強姦と露出度の高い服を着る着ないは、だからセット、同根なんですよね。「女を支配したい」という同じベクトルをもった言動だから。

痴漢や強姦は一次被害、露出度の高い服を着ていたか、つまり悪いのはあんたじゃないの？　と訊くのは二次被害。二つが同根だからこうなるのだと思います。




こんなことで論争が起こっているようでは、日本はまだまだ後進国ですね。女性から自由を奪うのはもうやめましょう。