前半戦からもう半月。というわけで、後半戦の感想を書きます。全部で6本。いまのところ生き残っているのは……?
『ダークギャザリング』
尊敬すべき先輩、村越繁さんのシリーズ構成最新作!
はっきり言って私がテレビアニメに求めてないダークファンタジー・ホラーかなとおそるおそる見始めたんですが、確かにそれらがメインを成しているものの、私がテレビアニメに求めている日常系の喜怒哀楽とか、脱力系の笑いとかが盛り込まれており、そのバランスの良さがグー。
これはひとえに村越さんの人柄のなせる業ではないかと。続けて見まっせ!
それにつけても「蠱毒(こどく)」という呪術は、先日の「ダークサイドミステリー」の「呪い」の章で取り上げられていて、個人的にめっちゃタイムリー。そういう意味でも見逃せない。
『リズム』
30分で全4回なら最後まで見れるだろうと軽い気持ちで見始めましたが、これはもう無理。
だって、主役にあまりに貧相な顔の役者を選んでいるので。前回、「前半戦」の感想で、『やさしい猫』について、子役の顔があまりに貧相だったと書きましたが、この『リズム』では主役が貧相なのでね、問題の根は深いです。
もうちょっといい顔を選んでほしい。
『18/40 ~ふたりなら夢も恋も』
18歳と40歳が出会ってシスターフッドを深める話、としか知らなかったけど、いきなりまだあどけない顔の福原遥が妊娠するところから始まって驚いた。これはいい驚き。ところが……。
どうやって深田恭子と出逢うのだろうと思っていたら、何の変哲もない出会わせ方で、工夫もへったくれもあったもんじゃない。「映画とは、人と人が出会うことだ」とは蓮實重彦の言葉だけど、それはともかく、人と人との出逢わせ方に工夫がないだけでもうこちらはげんなり。2002年のアメリカ映画『運命の女』は、男と女が雨でなく暴風がきっかけで出逢う。ああいう工夫がほしい。
彼氏がカナダに逃げたことで、彼の母親に啖呵を切った福原遥は素晴らしかったものの、まだ「キャラが立った」とは言い切れず、あそこはもっと超クロースアップのこれでもかという切り返しとか派手な音楽とか、あざとい技を駆使すべきではなかったか。
驚きがない。意外性がない。感動がない。ただだらだらと必要なのかどうかわからないシーンが続いていくだけ。つきあいきれない。
『ウソ婚』
長濱ねるは基本的にしみったれた顔をしているのに、もっと長く見ていたいと思わせるものがある。なぜかは謎。
小さい嘘を重ねてきた女が、幼馴染で元恋人の男からウソの結婚、つまり契約結婚を申し込まれてOKするまでが1話で描かれる。
やはり「ウソ」は物語を起動もさせるし、活性化もさせるいい手だと思うけど、いかんせん、長濱ねる以外の男優陣にひとつもいい顔がなく、げんなり。
あそこまで無個性な顔をよく選んだなと思う。最近のテレビドラマの監督さんって役者の顔を見ないのだろうか。演技力なんかどうでもいいから個性的な、クロースアップに耐えられる顔を選んで、きれいに撮ってほしい。
『ばらかもん』
これは今季最も早くリタイアを決意した作品。1話の15分くらいで。
杉野遥亮が書家か何か知らないけど、そこからドロップアウトしてきたのかどうかもよく知らないが、とにかく都会から来た若者で、都会から見た田舎を描写するというのが不快。田舎の人に対して失礼ではないだろうか。
それと、杉野遥亮はなぜあんなに苛立っているのか。東京の個展で何かあったようだけど、それからはもうだいぶたってるみたいだし、それに何より子ども相手にあそこまで苛立つ主人公というのはこれまた不快。幼稚な人物を主人公にされても困ります。
『VIVANT』
事前情報いっさいなしで第1話放映を迎えた本作。堺雅人、阿部寛、役所広司、松坂桃李、二階堂ふみなどなど主役級の役者がぞろぞろ並んでるのでこれは見るべしと見始めたんですが、何だかねぇ。
何だかんだの導入部のあとに、誤送金した1億ドルのうち9千万ドルを取り戻せ、となって、はて、これはあの『半沢直樹』と似たような話ではないですか。金を取り戻すというのは原始的な欲求に基づいているのでわかりやすくはあるけど、結局会社の金でしょ。自分の金じゃないでしょ。これなら、金じゃなくて自分の子どもを誘拐された父親の話とかのほうが断然面白いと思う。自分の金じゃないものを取り戻すなんて物語としての面白みに決定的に欠ける。原始的な欲求じゃないから。
こんなのにつきあってる暇はないと早々とリタイアを決意。
そりゃま、キャストを見るかぎり、もっと壮大な話がこれから膨らんでくるんでしょうけど、つかみの部分で私としては失敗と見ます。実際、私の心はつかめなかったわけだし。
というわけで、後半戦は6本見始めて2話も見ようと思ったのは『ダークギャザリング』のみ。前半戦と合わせても、13本見始めて生き残っているのは3本のみ。打率悪すぎ。その前に選球眼が悪いのか。
関連記事
2023夏の新ドラマ・アニメあれやこれや(『シッコウ‼』『かのかり』などの前半戦)
『ダークギャザリング』
尊敬すべき先輩、村越繁さんのシリーズ構成最新作!
はっきり言って私がテレビアニメに求めてないダークファンタジー・ホラーかなとおそるおそる見始めたんですが、確かにそれらがメインを成しているものの、私がテレビアニメに求めている日常系の喜怒哀楽とか、脱力系の笑いとかが盛り込まれており、そのバランスの良さがグー。
これはひとえに村越さんの人柄のなせる業ではないかと。続けて見まっせ!
それにつけても「蠱毒(こどく)」という呪術は、先日の「ダークサイドミステリー」の「呪い」の章で取り上げられていて、個人的にめっちゃタイムリー。そういう意味でも見逃せない。
『リズム』
30分で全4回なら最後まで見れるだろうと軽い気持ちで見始めましたが、これはもう無理。
だって、主役にあまりに貧相な顔の役者を選んでいるので。前回、「前半戦」の感想で、『やさしい猫』について、子役の顔があまりに貧相だったと書きましたが、この『リズム』では主役が貧相なのでね、問題の根は深いです。
もうちょっといい顔を選んでほしい。
『18/40 ~ふたりなら夢も恋も』
18歳と40歳が出会ってシスターフッドを深める話、としか知らなかったけど、いきなりまだあどけない顔の福原遥が妊娠するところから始まって驚いた。これはいい驚き。ところが……。
どうやって深田恭子と出逢うのだろうと思っていたら、何の変哲もない出会わせ方で、工夫もへったくれもあったもんじゃない。「映画とは、人と人が出会うことだ」とは蓮實重彦の言葉だけど、それはともかく、人と人との出逢わせ方に工夫がないだけでもうこちらはげんなり。2002年のアメリカ映画『運命の女』は、男と女が雨でなく暴風がきっかけで出逢う。ああいう工夫がほしい。
彼氏がカナダに逃げたことで、彼の母親に啖呵を切った福原遥は素晴らしかったものの、まだ「キャラが立った」とは言い切れず、あそこはもっと超クロースアップのこれでもかという切り返しとか派手な音楽とか、あざとい技を駆使すべきではなかったか。
驚きがない。意外性がない。感動がない。ただだらだらと必要なのかどうかわからないシーンが続いていくだけ。つきあいきれない。
『ウソ婚』
長濱ねるは基本的にしみったれた顔をしているのに、もっと長く見ていたいと思わせるものがある。なぜかは謎。
小さい嘘を重ねてきた女が、幼馴染で元恋人の男からウソの結婚、つまり契約結婚を申し込まれてOKするまでが1話で描かれる。
やはり「ウソ」は物語を起動もさせるし、活性化もさせるいい手だと思うけど、いかんせん、長濱ねる以外の男優陣にひとつもいい顔がなく、げんなり。
あそこまで無個性な顔をよく選んだなと思う。最近のテレビドラマの監督さんって役者の顔を見ないのだろうか。演技力なんかどうでもいいから個性的な、クロースアップに耐えられる顔を選んで、きれいに撮ってほしい。
『ばらかもん』
これは今季最も早くリタイアを決意した作品。1話の15分くらいで。
杉野遥亮が書家か何か知らないけど、そこからドロップアウトしてきたのかどうかもよく知らないが、とにかく都会から来た若者で、都会から見た田舎を描写するというのが不快。田舎の人に対して失礼ではないだろうか。
それと、杉野遥亮はなぜあんなに苛立っているのか。東京の個展で何かあったようだけど、それからはもうだいぶたってるみたいだし、それに何より子ども相手にあそこまで苛立つ主人公というのはこれまた不快。幼稚な人物を主人公にされても困ります。
『VIVANT』
事前情報いっさいなしで第1話放映を迎えた本作。堺雅人、阿部寛、役所広司、松坂桃李、二階堂ふみなどなど主役級の役者がぞろぞろ並んでるのでこれは見るべしと見始めたんですが、何だかねぇ。
何だかんだの導入部のあとに、誤送金した1億ドルのうち9千万ドルを取り戻せ、となって、はて、これはあの『半沢直樹』と似たような話ではないですか。金を取り戻すというのは原始的な欲求に基づいているのでわかりやすくはあるけど、結局会社の金でしょ。自分の金じゃないでしょ。これなら、金じゃなくて自分の子どもを誘拐された父親の話とかのほうが断然面白いと思う。自分の金じゃないものを取り戻すなんて物語としての面白みに決定的に欠ける。原始的な欲求じゃないから。
こんなのにつきあってる暇はないと早々とリタイアを決意。
そりゃま、キャストを見るかぎり、もっと壮大な話がこれから膨らんでくるんでしょうけど、つかみの部分で私としては失敗と見ます。実際、私の心はつかめなかったわけだし。
というわけで、後半戦は6本見始めて2話も見ようと思ったのは『ダークギャザリング』のみ。前半戦と合わせても、13本見始めて生き残っているのは3本のみ。打率悪すぎ。その前に選球眼が悪いのか。
関連記事
2023夏の新ドラマ・アニメあれやこれや(『シッコウ‼』『かのかり』などの前半戦)
コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。