2023年ももう四半期が過ぎてしまいました。もう桜満開もとっくに過ぎました。早いですね。

さて、前期は『ブラッシュアップライフ』『罠の戦争』『パパとなっちゃんのお弁当』と、3本も完走作品があって狂喜乱舞しましたが、その代わり最後まで楽しんで見れたのは『なっちゃん』だけでした。

『罠の戦争』はあれだけ濃密なドラマを展開しながら第三幕でなぜあのような展開になったんでしょうか。結末も取ってつけた感じで好きになれなかった。『ブラッシュアップライフ』の最終回が好きになれなかったのは好みの問題でしょうけど。

やはり完走するだけでなく、最終回まで楽しみたい! 今期はどうでしょうか。

例によって見始めた順に感想をつらつらと。まだ『罠の戦争』が終わっていない3月に始まった作品から。


『往生際の意味を知れ!』
うーん、見上愛めあてで見始めましたが、どうにもこうにも乗れない内容で……というか、まったくないよう憶えてない。関係者の皆様には誠に申し訳ありませんが、そういうことです。テレビじゃなくてティーバーでパソコンで見たのも悪かったかも。


『フェンス』
mv (1)

沖縄で米兵にレイプされたと訴える女がいて、東京からフリーらしき雑誌記者がそれを取材に行く。辺野古移設とか日米地位協定とかニュースでよく聞くワードがてんこ盛りで、題材としては興味津々だけど、致命的なことに主役の松岡茉優が元キャバ嬢のフリーライターに見えないんですよね。領収書の束を見てため息つくところなど、家庭の主婦というか、どこかに勤めてる人の感じで、自営業を営んでる、すべて独力で生きてる人のように見えない。

青木崇高とも過去に関係があったそうだけどそうも見えないし、そもそも青木崇高が警察官に見えない。被害者の女性だけそれらしく見えるし、沖縄の事情に詳しい光石研編集長はさすがのうまさでそうとしか見えない感じを醸し出してるけど、他の出演者が少しもそう信じさせてくれないので見てて白けてしまう。

あと、松岡茉優は東京の女で、青木崇高は沖縄の警察官だけど、松岡茉優が東京でキャバクラ嬢やってたときに青木が客で関係をもったとか、どちらが本土でどちらが内地の人間かわかりにくい。はっきり、この人は本土の人、こっちは沖縄の人と、スッパリ切り分けたほうがわかりやすくていいんじゃないでしょうか。

野木亜紀子さん脚本ということですが、やはり乗れない一番の理由は物語とかじゃなくて、「キャラが立ってない」ってことだと思う。この人に乗って見たいと思わせる人物がいないんですよね。

沖縄の問題を扱ってるし、日本人として最後まで見ないといけないんだろうな、と思いながら、うしろめたい思いで2話でリタイアしました。


『ながたんと青と ーいちかの料理帖‐』
1951年の京都の老舗料亭が舞台。って、なぜいまさらそんな大昔を題材に?

その意図が少しも見えてこなかったので1話でリタイアしました。門脇麦はさすがに素晴らしかったですが。


『ウツボラ』
utsubora_allcast (1)

ある日、謎の死を遂げた女性、前田敦子。彼女と入れ替わるようにして、双子の妹を名乗るもう一人の前田敦子が人気作家・北村有起哉の前に現れる。

何で動揺してるんだろうと思ったら、北村有起哉は死んだ前田敦子(作家志望者)の原稿を盗作して新作を発表していたからなんですね。面白い。作家が盗作することで話が始まるといえば、ジェームズ・ハドリー・チェイスの『悪女イヴ』がありますが、盗作というのはそれだけで面白いうえに、話の焦点を絞ってくれる。

やはり映像作品を面白くしてくれるのは「犯罪」ですな。

でも一番の見どころは……


cast-06

平祐奈ですよね。何歳になってもかわいらしい。前田敦子が「美女」として紹介されるのは謎ですが、その謎を取っ払ってくれるのが平祐奈。ここいらで平祐奈がほしいと思ったら必ず映してくれる。わかってるなぁ。

前期の『罠の戦争』も、ここらで井川遥がほしいと思ったら常に映してくれたし、作る人たちも絶対考えてると思う。

ただ、懸念はやはり前田敦子。北村有起哉はさすがの安定感ですが、前田敦子はいまだに女優としてすごいと思ったことがないので。役柄の「謎」をどうするかは脚本家の領分でしょうが、いくらその謎が美しいものでも、演じる役者に光るものがないと信じることができなくなってしまう。『フェンス』と同じでね。

でも、2話は見ますよ。盗作の顛末も気になるし。


関連記事
『ブラッシュアップライフ』最終回を見ての感想(物語と哲学)


平祐奈写真集「Comme le Soleil」
東京ニュース通信社
2021-01-12



このエントリーをはてなブックマークに追加