先日、『情熱大陸』の土井善晴先生の回を見ました。(テレビでは見逃したのでティーバーで)
土井善晴先生といえば、その著書『一汁一菜でよいという提案』が大ロングセラーで、刊行から6年もたつのに、まだまだ売れるし、売れるからサイン会も開かれる。

「ええかげんでええんです」といういつもの大阪弁でやさしく家庭料理の大切さを説いてらっしゃるんですが、私は2年ほど前に読んだものの、「なるほど」と思っただけで、まったく一汁一菜の生活をしようとしませんでした。
子どもの頃、年末のある番組で、誰だったか忘れたけど、こんなことを言っていました。
「百聞は一見に如かず。百見は一感に如かず。百感は一行に如かず」
百聞は一見に如かずはもともとあることわざですが、その人はそれをアレンジして新しい戒めの言葉を作っていました。
百回見たり読んだりしても、一度の感動には及ばないし、百回感動してもそれを行動に移さなければ意味をなさない。
私はせっかく『一汁一菜でよいという提案』といういい本を読んだのに、そして感動もしたのに、行動に移さなかった。無意味な読書でした。
実は、先月末で会社を辞めたんですが、生命力を殺がれるような会社で、お惣菜を買ってきて、ご飯を温めて、インスタントの味噌汁を作って……ということすらできなかった。いつも弁当を買ってきて温めもせずに食べるだけ。最後の日に同僚さんから「ここは特殊だからね」と言われたのが救いでした。
とにもかくにも、辞めて時間もでき、体力も回復しつつある、まさにそのときに『情熱大陸』の土井善晴先生の一汁一菜というか、「具だくさんのお味噌汁とご飯、香のものだけでOK」という独特の思想に触れたのは僥倖とうか、これは偶然ではなく必然であろう、いや、自分で必然にしなければ、と思い、もともとコロッケとか唐揚げとかのお惣菜とご飯と申し訳程度のキャベツとインスタント味噌汁でお茶を濁していた私が、ニンジンやナス、ほうれん草に椎茸、もちろん味噌など、いろいろ買ってきて作ることにしました。
春の入社時の健康診断で脂肪肝がかなり重くなっていて、幸い肝硬変ではなかったものの、肝硬変かどうかのエコー検査を受けねばならないほど悪化しており、脂肪の多いコロッケや唐揚げ、トンカツなどを食べる頻度を下げ、代わりに魚や納豆を食べる頻度を上げたものの、数値はほとんど変わらない。
根本的な解決は、やはり「具だくさんのお味噌汁」なんじゃないかと。味噌汁だから豆腐や野菜などがおのずと多くなるし、脂肪の多いものは減る。一石二鳥。
というわけで、まだ3回ですが、いろいろ試しに作ってみました。
具だくさんのお味噌汁その①(おいしい!)

具の材料:人参、ほうれん草、椎茸、茄子、ベーコンブロック、刻みネギ、黒ゴマ
『一汁一菜でよいという提案』には、「お味噌はお母さんのように何でもやさしく包んでくれる」みたいな一節がありました。
『情熱大陸』では、できあがった味噌汁にバターをたっぷり塗ったフランスパンを上に載せたり大胆なことをしてましたが、最初は無難に行こうと、普段不足している緑黄色野菜を代表して人参、鉄分補給のためにほうれん草。実家以外ではまったく食べない椎茸と茄子。たんぱく質を摂るために脂肪がちと多いけどベーコンブロック。味噌汁にベーコン? と思う向きも多いでしょうけど、土井先生が実際にやっていたので。
人参が一番火が通りにくそうだから、最初に切って入れ、あとは適当にぶつ切りにしてぶち込むという、ほとんど何も考えてない料理ですが、「お味噌はすべてをやさしく包んでくれる」というあの言葉はウソじゃなかった! これがたまらなくおいしかった。
食後は豊かな心持ちになってしばらく大きくなったお腹をさすりながら横になってるだけで至福の時間を過ごすことができました。
しかし、最初があまりに成功してしまったために、悪い癖が出てしまいました。
具だくさんのお味噌汁その②(大失敗!)

具の材料:山芋、茄子、豆腐、えのきだけ、卵、チェダーチーズ、刻みネギ、黒ゴマ
「お味噌は何でもやさしく包んでくれる」なら、チーズを入れてもええんじゃなかろうか。土井先生もバターたっぷりのフランスパンを入れてたくらいだし。
アホでした。チーズは熱を加えると溶けてしまうという小学生でも知っていることを失念していました。
同じ味噌を使っているのに色が白いのはそのせいです。これはまずかった。
さらに、とろろ芋が好きな私は「山芋をぶつ切りにして入れたらどうだろう」とまたも奇矯なことを考え実行したのでした。結果はこれも大失敗。少しもおいしくない。山芋の特性については何も知りませんが、味噌が山芋の中に沁み込まないみたいですね。まだ半分残っているので、すりおろすか、短冊切りにしていただきましょう。
シナリオでもそうでした。ある脚本家さんから「君は意外性を求めすぎる」と叱られましたが、料理でも同じ癖が出てしまったのでした。。。
具だくさんのお味噌汁その③(やっぱり温かい!)

具の材料:人参、ほうれん草、茄子、鯖の味噌煮(缶詰)、椎茸、黒ゴマ
刻みネギを切らしたので上に振りかけたのは黒ゴマだけです。
王道を行く初日と同じ野菜と椎茸を入れて、ベーコンブロックの代わりに鯖の味噌煮を入れてみました。さすがにこれはチェダーチーズのような失態は招くまいと。
実際、これもおいしかったですね。とにかく、食べると身も心も温かくなりました。
土井先生は「お味噌汁」と、必ず「お」をつけるんですが、『情熱大陸』でも、ふるさとの大阪に帰ってきたとき、ディレクターに「この辺でおうどんでも食べていこか」と言っていました。
ディレクター氏が「おうどんって言うのはなぜですか?」と訊くと、「おをつけるのは人の手を経てるもんやね。おうどんもそうやし、お揚げさんとか。油揚げ言うたら調理する前のもんやけど、お揚げさん言うたら、こういうおうどんに入れるためやったり、他の料理やったり、人の手を経てるもんになるね」と言っていました。
だから私が作っているのはまさに「お味噌汁」(2回目のまずいのだってお味噌汁!)。これから身も心も温まるお味噌汁を毎日作って食べようと思います。
ただ、土井先生が口を酸っぱくして言うのは最新著書のタイトルとも被るけど「ええかげん」。毎日作らなアカンとか、そういうふうに考えるのがアカンと。
今日しんどかったらお惣菜を買ってきて食べたらええやん。その代わり明日は新しいものに挑戦してみようとか、「いい加減」を大事にしなさいと。
カレーライスは肝臓にいいらしいし(主成分のウコンが肝臓にいいとか)いなり寿司は疲労回復効果が絶大らしく、そういう具だくさんのお味噌汁以外のものも普通に食べながら、他のものも食べて、たまにはいまじゃあまり食べなくなった洋菓子(チーズケーキとか)も食べて、「いい加減」を大事にして食生活から立て直していこうと思います。
栄養学の蘊蓄
ちなみに、なぜ毎回黒ゴマを振りかけているかというと、亜鉛を摂るためです。というか、もともとはセサミンを摂るために味噌汁にゴマを振りかけて飲んでたんですよ。セサミンって具体的にどういう物質か知らないのに「何か体にいい」という言葉を信じ切ってました。それで擦った黒ゴマをインスタント味噌汁やインスタントラーメンを作ったときに振りかけて食べてたわけです。
春に体調を崩して、あまりの倦怠感に苛まれたので、だるさ外来のある病院に行ったんですが、そこでは甲状腺ホルモンをはじめ男性ホルモンや亜鉛など、普通の健康診断では調べない項目を調べてだるさの正体を突き止めるとかで、私は「男性ホルモンも亜鉛も鉄分も充分すぎるほど充分ですね」と太鼓判を押していただきました(倦怠感の正体は前述の脂肪肝でした)。
しかし亜鉛なんていままで一度も意識して摂ったことがないので、どういう食べ物に多く含まれるか聞くと、何と黒ゴマだと。私はセサミンが摂りたかっただけなので、別に黒ゴマでも白ゴマでもどっちでもよかったんですが、一人暮らしを初めて最初に買ったゴマがたまたま黒で、それがおいしかったので、以来、黒ゴマをほぼ毎日のように食べてたんですね。亜鉛が不足すると倦怠感に襲われるらしいので要注意です。(しかも、なぜしんどいのか本人にはまるで思い当たることがないからよけい厄介とか)
それから、ゴマは擦ったものじゃないと無意味ですよ。植物の種子は強靭なので、塩酸並みに強い胃液の酸でもびくともしないのです。偶然噛めたら消化されますが、スープに浮いてる擦ってないゴマとかそのまま飲んでもそのまま出てくるだけですからね。
鉄分も曲者で、だるさ外来では鉄分ではなく「フェリチン」を重要視するそうです。鉄って元素記号でFeじゃないですか。だからたぶんフェリチンと鉄分の意味はもともと一緒なんでしょうけど、日本の医学用語としては、鉄分は「鉄全体」、フェリチンは「錆びてない鉄分」ということだとか。
ほうれん草やひじきに含まれる植物性の鉄分って錆びてる状態らしいのです。そういう鉄をたくさん摂っても、血液検査では「鉄分は充分」という結果が出ますが、実際は貧血という「隠れ貧血」になるらしいんですね。大事なのは、レバーやめざしなどに含まれる動物性の鉄分で、これは錆びてない状態、つまりフェリチンなので貧血にならないとか。
植物性の鉄分をフェリチンに変えてくれるのがビタミンCで、ほうれん草やひじきを食べたときは、一緒にビタミンCが多く含まれる食材を摂るといいそうです。私はそういうとき、必ずポッカレモンをひと口かふた口飲むことにしています。
というわけで、まだまだ課題の多そうな我が一汁一菜。でも最初のほうで大失敗したのが功を奏してくれるでしょう。無難に小さくまとまってしまい、毎日似たようなお味噌汁になってしまう危険性も孕んでますが、まぁおいしくて温かければ、別にそれでええやおまへんか。
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『料理と利他』感想(ええかげんでええという考え方)


土井善晴先生といえば、その著書『一汁一菜でよいという提案』が大ロングセラーで、刊行から6年もたつのに、まだまだ売れるし、売れるからサイン会も開かれる。

「ええかげんでええんです」といういつもの大阪弁でやさしく家庭料理の大切さを説いてらっしゃるんですが、私は2年ほど前に読んだものの、「なるほど」と思っただけで、まったく一汁一菜の生活をしようとしませんでした。
子どもの頃、年末のある番組で、誰だったか忘れたけど、こんなことを言っていました。
「百聞は一見に如かず。百見は一感に如かず。百感は一行に如かず」
百聞は一見に如かずはもともとあることわざですが、その人はそれをアレンジして新しい戒めの言葉を作っていました。
百回見たり読んだりしても、一度の感動には及ばないし、百回感動してもそれを行動に移さなければ意味をなさない。
私はせっかく『一汁一菜でよいという提案』といういい本を読んだのに、そして感動もしたのに、行動に移さなかった。無意味な読書でした。
実は、先月末で会社を辞めたんですが、生命力を殺がれるような会社で、お惣菜を買ってきて、ご飯を温めて、インスタントの味噌汁を作って……ということすらできなかった。いつも弁当を買ってきて温めもせずに食べるだけ。最後の日に同僚さんから「ここは特殊だからね」と言われたのが救いでした。
とにもかくにも、辞めて時間もでき、体力も回復しつつある、まさにそのときに『情熱大陸』の土井善晴先生の一汁一菜というか、「具だくさんのお味噌汁とご飯、香のものだけでOK」という独特の思想に触れたのは僥倖とうか、これは偶然ではなく必然であろう、いや、自分で必然にしなければ、と思い、もともとコロッケとか唐揚げとかのお惣菜とご飯と申し訳程度のキャベツとインスタント味噌汁でお茶を濁していた私が、ニンジンやナス、ほうれん草に椎茸、もちろん味噌など、いろいろ買ってきて作ることにしました。
春の入社時の健康診断で脂肪肝がかなり重くなっていて、幸い肝硬変ではなかったものの、肝硬変かどうかのエコー検査を受けねばならないほど悪化しており、脂肪の多いコロッケや唐揚げ、トンカツなどを食べる頻度を下げ、代わりに魚や納豆を食べる頻度を上げたものの、数値はほとんど変わらない。
根本的な解決は、やはり「具だくさんのお味噌汁」なんじゃないかと。味噌汁だから豆腐や野菜などがおのずと多くなるし、脂肪の多いものは減る。一石二鳥。
というわけで、まだ3回ですが、いろいろ試しに作ってみました。
具だくさんのお味噌汁その①(おいしい!)

具の材料:人参、ほうれん草、椎茸、茄子、ベーコンブロック、刻みネギ、黒ゴマ
『一汁一菜でよいという提案』には、「お味噌はお母さんのように何でもやさしく包んでくれる」みたいな一節がありました。
『情熱大陸』では、できあがった味噌汁にバターをたっぷり塗ったフランスパンを上に載せたり大胆なことをしてましたが、最初は無難に行こうと、普段不足している緑黄色野菜を代表して人参、鉄分補給のためにほうれん草。実家以外ではまったく食べない椎茸と茄子。たんぱく質を摂るために脂肪がちと多いけどベーコンブロック。味噌汁にベーコン? と思う向きも多いでしょうけど、土井先生が実際にやっていたので。
人参が一番火が通りにくそうだから、最初に切って入れ、あとは適当にぶつ切りにしてぶち込むという、ほとんど何も考えてない料理ですが、「お味噌はすべてをやさしく包んでくれる」というあの言葉はウソじゃなかった! これがたまらなくおいしかった。
食後は豊かな心持ちになってしばらく大きくなったお腹をさすりながら横になってるだけで至福の時間を過ごすことができました。
しかし、最初があまりに成功してしまったために、悪い癖が出てしまいました。
具だくさんのお味噌汁その②(大失敗!)

具の材料:山芋、茄子、豆腐、えのきだけ、卵、チェダーチーズ、刻みネギ、黒ゴマ
「お味噌は何でもやさしく包んでくれる」なら、チーズを入れてもええんじゃなかろうか。土井先生もバターたっぷりのフランスパンを入れてたくらいだし。
アホでした。チーズは熱を加えると溶けてしまうという小学生でも知っていることを失念していました。
同じ味噌を使っているのに色が白いのはそのせいです。これはまずかった。
さらに、とろろ芋が好きな私は「山芋をぶつ切りにして入れたらどうだろう」とまたも奇矯なことを考え実行したのでした。結果はこれも大失敗。少しもおいしくない。山芋の特性については何も知りませんが、味噌が山芋の中に沁み込まないみたいですね。まだ半分残っているので、すりおろすか、短冊切りにしていただきましょう。
シナリオでもそうでした。ある脚本家さんから「君は意外性を求めすぎる」と叱られましたが、料理でも同じ癖が出てしまったのでした。。。
具だくさんのお味噌汁その③(やっぱり温かい!)

具の材料:人参、ほうれん草、茄子、鯖の味噌煮(缶詰)、椎茸、黒ゴマ
刻みネギを切らしたので上に振りかけたのは黒ゴマだけです。
王道を行く初日と同じ野菜と椎茸を入れて、ベーコンブロックの代わりに鯖の味噌煮を入れてみました。さすがにこれはチェダーチーズのような失態は招くまいと。
実際、これもおいしかったですね。とにかく、食べると身も心も温かくなりました。
土井先生は「お味噌汁」と、必ず「お」をつけるんですが、『情熱大陸』でも、ふるさとの大阪に帰ってきたとき、ディレクターに「この辺でおうどんでも食べていこか」と言っていました。
ディレクター氏が「おうどんって言うのはなぜですか?」と訊くと、「おをつけるのは人の手を経てるもんやね。おうどんもそうやし、お揚げさんとか。油揚げ言うたら調理する前のもんやけど、お揚げさん言うたら、こういうおうどんに入れるためやったり、他の料理やったり、人の手を経てるもんになるね」と言っていました。
だから私が作っているのはまさに「お味噌汁」(2回目のまずいのだってお味噌汁!)。これから身も心も温まるお味噌汁を毎日作って食べようと思います。
ただ、土井先生が口を酸っぱくして言うのは最新著書のタイトルとも被るけど「ええかげん」。毎日作らなアカンとか、そういうふうに考えるのがアカンと。
今日しんどかったらお惣菜を買ってきて食べたらええやん。その代わり明日は新しいものに挑戦してみようとか、「いい加減」を大事にしなさいと。
カレーライスは肝臓にいいらしいし(主成分のウコンが肝臓にいいとか)いなり寿司は疲労回復効果が絶大らしく、そういう具だくさんのお味噌汁以外のものも普通に食べながら、他のものも食べて、たまにはいまじゃあまり食べなくなった洋菓子(チーズケーキとか)も食べて、「いい加減」を大事にして食生活から立て直していこうと思います。
栄養学の蘊蓄
ちなみに、なぜ毎回黒ゴマを振りかけているかというと、亜鉛を摂るためです。というか、もともとはセサミンを摂るために味噌汁にゴマを振りかけて飲んでたんですよ。セサミンって具体的にどういう物質か知らないのに「何か体にいい」という言葉を信じ切ってました。それで擦った黒ゴマをインスタント味噌汁やインスタントラーメンを作ったときに振りかけて食べてたわけです。
春に体調を崩して、あまりの倦怠感に苛まれたので、だるさ外来のある病院に行ったんですが、そこでは甲状腺ホルモンをはじめ男性ホルモンや亜鉛など、普通の健康診断では調べない項目を調べてだるさの正体を突き止めるとかで、私は「男性ホルモンも亜鉛も鉄分も充分すぎるほど充分ですね」と太鼓判を押していただきました(倦怠感の正体は前述の脂肪肝でした)。
しかし亜鉛なんていままで一度も意識して摂ったことがないので、どういう食べ物に多く含まれるか聞くと、何と黒ゴマだと。私はセサミンが摂りたかっただけなので、別に黒ゴマでも白ゴマでもどっちでもよかったんですが、一人暮らしを初めて最初に買ったゴマがたまたま黒で、それがおいしかったので、以来、黒ゴマをほぼ毎日のように食べてたんですね。亜鉛が不足すると倦怠感に襲われるらしいので要注意です。(しかも、なぜしんどいのか本人にはまるで思い当たることがないからよけい厄介とか)
それから、ゴマは擦ったものじゃないと無意味ですよ。植物の種子は強靭なので、塩酸並みに強い胃液の酸でもびくともしないのです。偶然噛めたら消化されますが、スープに浮いてる擦ってないゴマとかそのまま飲んでもそのまま出てくるだけですからね。
鉄分も曲者で、だるさ外来では鉄分ではなく「フェリチン」を重要視するそうです。鉄って元素記号でFeじゃないですか。だからたぶんフェリチンと鉄分の意味はもともと一緒なんでしょうけど、日本の医学用語としては、鉄分は「鉄全体」、フェリチンは「錆びてない鉄分」ということだとか。
ほうれん草やひじきに含まれる植物性の鉄分って錆びてる状態らしいのです。そういう鉄をたくさん摂っても、血液検査では「鉄分は充分」という結果が出ますが、実際は貧血という「隠れ貧血」になるらしいんですね。大事なのは、レバーやめざしなどに含まれる動物性の鉄分で、これは錆びてない状態、つまりフェリチンなので貧血にならないとか。
植物性の鉄分をフェリチンに変えてくれるのがビタミンCで、ほうれん草やひじきを食べたときは、一緒にビタミンCが多く含まれる食材を摂るといいそうです。私はそういうとき、必ずポッカレモンをひと口かふた口飲むことにしています。
というわけで、まだまだ課題の多そうな我が一汁一菜。でも最初のほうで大失敗したのが功を奏してくれるでしょう。無難に小さくまとまってしまい、毎日似たようなお味噌汁になってしまう危険性も孕んでますが、まぁおいしくて温かければ、別にそれでええやおまへんか。
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