全世界が注目した昨夜のクラシコは我がレアル・マドリードの3ー1の勝利でした。パチパチパチパチ! ようやった。あわや同点か!? というシーンもあったけど、基本的に90分通して安心して見れた。地力が違う。

というか、レアルが素晴らしいというより、スタジオ解説の野口が、
「バルサの選手たちがレアルに勝つんだ! という強い気持ちを見せてくれなかった」
と言ってたように、バルサが心配ですね。あまりに不甲斐なさすぎてちょっと物足りないというか、あんなチームに勝っても当然って感じ。
野口はさらに、
「チャビが何度も檄を飛ばしてましたが、それがはたして選手たちの耳に届いていたのか疑問。レアルの選手と監督の一体感とは対極の、監督と選手がうまく関係を構築できてないように思いました」
と言ってました。私も同じことを思ったけど、それは当然と言えば当然なんですよね。
敗戦を受け入れないチャビ

チャビ、イニエスタ、メッシが全盛だった頃、つまりペップ・バルサの頃はボール支配率が70%を超えるなんてざらで、格下チームはどこも堅守速攻で行くしかなかった。それがはまってカウンターが決まってバルサに勝利したチームはいくつかありましたが、そのたびにチャビは、
「サッカーをやる気のないチームが……うんぬんかんぬん」
と言ってましたよね。サッカーをやる気のないチームに負けたのはどこなの? 自分たちでしょ。負けた責めを自分たちに勝った相手に負わせるのはいかがなものか。ペップもメッシもそんなことは言わなかった。
ただ、それは選手時代のことであって、監督になれば持ち前の頭のよさでそんな血迷い事は言わなくなるのかと思ったら、違うんですね。さすがに相手チームのせいにはしないけど、選手のせいにしてませんか?
先日、カンプ・ノウでインテルにからくも3ー3の引き分けに持ち込んだ試合。CL敗退決定は免れたもののほとんど赤信号。この試合で、ピケがゴール前へのクロスを簡単に見送ったり、ブスケツの安易なパスミスをインターセプトされて失点に直結するなど、ミスが目立ちました。チャビは試合後の会見で言いました。
「CLの舞台であんなミスをしては。誰とは名前は言わない。責任は監督である私にある」
最後に申し訳程度に「責任は自分にある」と言っていたけど、その前の「誰とは言わないが」が致命的。確かに誰とは言ってないけど、誰のミスで失点したかは明らかなので言ってるのと同じです。あそこは「あんなミスをするようなチームしか作れなかった自分の責任」とすべて自分がかぶる発言をすべきだった。いくら特定の選手にはらわたが煮えくり返っていようとね。大将とはそういうもの。
バルサの選手たちはもう監督としてのチャビに見切りをつけていると思いますね。「この人は負けた責任を俺たちに負わせる人なんだ」と。
アンチェロッティの「大将の器」

昨季の同じベルナベウ・クラシコでは、ベンゼマが怪我で出られず、代わりにモドリッチとクロースの2トップで相手のセンターバックにプレスをかける4ー2ー4という奇策をアンチェロッティが打ち出し、それが敗因のすべてでした。
でも、そこから崩れなかったのは、アンチェロッティがすべての責めを自分で引き取ったからでしょう。敗戦を受け入れ、責任を取り、選手に謝罪する。
チャビを見ていると、ただ威張っているだけという感じがします。大将の器ではない。現役時代は智将と言われたこともあったけど、それはプジョルやペップという本物の大将が後ろに控えていたからこそだったのではないでしょうか。
アンチェロッティは、
「昨季は、モドリッチの偽9番という『何か』を発明した気になっていたが、それが敗因だった。だから今回は何も発明しないことを試みた。ベストと言えるメンバーを選び、その選手に合ったポジションに配する。私がしたのはそれだけ」
と、いたって謙虚です。もしかしたらチャビは、何がしかのタイトルを取ったら、「自分のこういう考え方が要因だ」とか、自慢したいんじゃないですかね?
昨日の試合ではミリトンが執拗にレバンドフスキをマークしていて、お互い押し合ったり、いろいろやってましたが、てっきり監督からの指示かと思いきや、アンチェロッティはケロッとこう言うのです。
「何か知らんがミリトンがえらくレバンドフスキをマークしてたね」
レバンドフスキはラインと駆け引きしたり、何とかマークを外そうと必死でしたが、味方からのいいパスは得点につながった1本だけでした。あれはアンスー・ファティが左サイドを突破して、ミリトンが釣り出され、フリーになったレバンドフスキに慌ててアラバがアークにつこうとしたところでパスが来て、強引にシュートを撃たずにフェラン・トーレスにおしゃれなヒールパスを出したレバンドフスキの勝ちでしたが、アンチェロッティの発言は何も聞きません。
もし無理に聞けば、無失点の時間をできるだけ長引かせたのは選手の功績であり、失点は監督の責任だ、というんじゃないでしょうか。チャビだったら、執拗にマークしていたはずのミリトンがカバーに行ったのなら、アラバとマンディがもっとちゃんと絞れよ! と激昂して、記者会見でもポロッと言っちゃったりして。
戻ってきたブーメラン
とにもかくにも、将来25年のテレビ放映権の25%も売却してまでチームを作り替えたのに、CL敗退じゃあまりに計算が合わないでしょう。調べてみたら、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの賞金ってほんとに「桁が違う」んですね。しかも今季は、アヤックス、アトレティコ、ユベントスなどがELに回ることになりそうで、いつもよりかなりハイレベルなELになると言われています。はたして監督がチャビのままで優勝できるか。私は無理だと思います。だから一刻も早く監督を替えたほうがいい。
仮にELで優勝したところで、財政難は変わらないのでしょうけど、昨日の、空中戦でレアルがほとんど100%勝利、球際の弱さを露呈みたいな、やる気のないチームを変えることが先決では?
「サッカーをやる気のないチームが……」と自陣深くに引きこもったチームを揶揄したチャビですが、自分自身が他でもないバルセロナを「やる気のないチーム」に仕立て上げてしまった。何年も前に自分が発した言葉がブーメランのように戻ってきて自チームを切り裂いた。
昨日のクラシコはそんな印象の試合でした。


というか、レアルが素晴らしいというより、スタジオ解説の野口が、
「バルサの選手たちがレアルに勝つんだ! という強い気持ちを見せてくれなかった」
と言ってたように、バルサが心配ですね。あまりに不甲斐なさすぎてちょっと物足りないというか、あんなチームに勝っても当然って感じ。
野口はさらに、
「チャビが何度も檄を飛ばしてましたが、それがはたして選手たちの耳に届いていたのか疑問。レアルの選手と監督の一体感とは対極の、監督と選手がうまく関係を構築できてないように思いました」
と言ってました。私も同じことを思ったけど、それは当然と言えば当然なんですよね。
敗戦を受け入れないチャビ

チャビ、イニエスタ、メッシが全盛だった頃、つまりペップ・バルサの頃はボール支配率が70%を超えるなんてざらで、格下チームはどこも堅守速攻で行くしかなかった。それがはまってカウンターが決まってバルサに勝利したチームはいくつかありましたが、そのたびにチャビは、
「サッカーをやる気のないチームが……うんぬんかんぬん」
と言ってましたよね。サッカーをやる気のないチームに負けたのはどこなの? 自分たちでしょ。負けた責めを自分たちに勝った相手に負わせるのはいかがなものか。ペップもメッシもそんなことは言わなかった。
ただ、それは選手時代のことであって、監督になれば持ち前の頭のよさでそんな血迷い事は言わなくなるのかと思ったら、違うんですね。さすがに相手チームのせいにはしないけど、選手のせいにしてませんか?
先日、カンプ・ノウでインテルにからくも3ー3の引き分けに持ち込んだ試合。CL敗退決定は免れたもののほとんど赤信号。この試合で、ピケがゴール前へのクロスを簡単に見送ったり、ブスケツの安易なパスミスをインターセプトされて失点に直結するなど、ミスが目立ちました。チャビは試合後の会見で言いました。
「CLの舞台であんなミスをしては。誰とは名前は言わない。責任は監督である私にある」
最後に申し訳程度に「責任は自分にある」と言っていたけど、その前の「誰とは言わないが」が致命的。確かに誰とは言ってないけど、誰のミスで失点したかは明らかなので言ってるのと同じです。あそこは「あんなミスをするようなチームしか作れなかった自分の責任」とすべて自分がかぶる発言をすべきだった。いくら特定の選手にはらわたが煮えくり返っていようとね。大将とはそういうもの。
バルサの選手たちはもう監督としてのチャビに見切りをつけていると思いますね。「この人は負けた責任を俺たちに負わせる人なんだ」と。
アンチェロッティの「大将の器」

昨季の同じベルナベウ・クラシコでは、ベンゼマが怪我で出られず、代わりにモドリッチとクロースの2トップで相手のセンターバックにプレスをかける4ー2ー4という奇策をアンチェロッティが打ち出し、それが敗因のすべてでした。
でも、そこから崩れなかったのは、アンチェロッティがすべての責めを自分で引き取ったからでしょう。敗戦を受け入れ、責任を取り、選手に謝罪する。
チャビを見ていると、ただ威張っているだけという感じがします。大将の器ではない。現役時代は智将と言われたこともあったけど、それはプジョルやペップという本物の大将が後ろに控えていたからこそだったのではないでしょうか。
アンチェロッティは、
「昨季は、モドリッチの偽9番という『何か』を発明した気になっていたが、それが敗因だった。だから今回は何も発明しないことを試みた。ベストと言えるメンバーを選び、その選手に合ったポジションに配する。私がしたのはそれだけ」
と、いたって謙虚です。もしかしたらチャビは、何がしかのタイトルを取ったら、「自分のこういう考え方が要因だ」とか、自慢したいんじゃないですかね?
昨日の試合ではミリトンが執拗にレバンドフスキをマークしていて、お互い押し合ったり、いろいろやってましたが、てっきり監督からの指示かと思いきや、アンチェロッティはケロッとこう言うのです。
「何か知らんがミリトンがえらくレバンドフスキをマークしてたね」
レバンドフスキはラインと駆け引きしたり、何とかマークを外そうと必死でしたが、味方からのいいパスは得点につながった1本だけでした。あれはアンスー・ファティが左サイドを突破して、ミリトンが釣り出され、フリーになったレバンドフスキに慌ててアラバがアークにつこうとしたところでパスが来て、強引にシュートを撃たずにフェラン・トーレスにおしゃれなヒールパスを出したレバンドフスキの勝ちでしたが、アンチェロッティの発言は何も聞きません。
もし無理に聞けば、無失点の時間をできるだけ長引かせたのは選手の功績であり、失点は監督の責任だ、というんじゃないでしょうか。チャビだったら、執拗にマークしていたはずのミリトンがカバーに行ったのなら、アラバとマンディがもっとちゃんと絞れよ! と激昂して、記者会見でもポロッと言っちゃったりして。
戻ってきたブーメラン
とにもかくにも、将来25年のテレビ放映権の25%も売却してまでチームを作り替えたのに、CL敗退じゃあまりに計算が合わないでしょう。調べてみたら、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの賞金ってほんとに「桁が違う」んですね。しかも今季は、アヤックス、アトレティコ、ユベントスなどがELに回ることになりそうで、いつもよりかなりハイレベルなELになると言われています。はたして監督がチャビのままで優勝できるか。私は無理だと思います。だから一刻も早く監督を替えたほうがいい。
仮にELで優勝したところで、財政難は変わらないのでしょうけど、昨日の、空中戦でレアルがほとんど100%勝利、球際の弱さを露呈みたいな、やる気のないチームを変えることが先決では?
「サッカーをやる気のないチームが……」と自陣深くに引きこもったチームを揶揄したチャビですが、自分自身が他でもないバルセロナを「やる気のないチーム」に仕立て上げてしまった。何年も前に自分が発した言葉がブーメランのように戻ってきて自チームを切り裂いた。
昨日のクラシコはそんな印象の試合でした。


コメント
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。