見てきました。『海上48hours 悪夢のバカンス』。なかなかのサメ映画でした。(以下ネタバレあります)


『海上48hours 悪夢のバカンス』(2022、イギリス)
kaijou48-2

脚本:ニック・ソルトリーズ
監督:ジェームズ・ナン
出演:ホリー・アール、ジャック・トゥルーマン、キャサリン・ハネイ


PC=ポリティカル・コレクトネス(政治的な正しさ)にまみれた映画『ゴーストブック おばけずかん』を見た直後だったので、この『海上48hours』の「シネマティック・コレクトネス=映画的な正しさ」に快哉を叫びました。

そりゃ、ツッコミどころが多いのはわかります。夜通し手足で漕げば何とか岸までたどり着けるんじゃないかとか。あんな近海にサメがいるわけないとかね。でも、サメ映画にそういうことを言うのは野暮というものです。ましてや『ジョーズ』と比較するなんてもってのほか!


kaijou48-3

この『海上48hours』で一番の見せ所は何と意外なことに「自己犠牲」だったんですが、それよりも、一番かわいい女の子が助かるという結末が爽快でした。彼女のフィアンセで浮気してたことが発覚する男は途中でサメに足と胸をかじられてずっと呻いているんですが、彼が直ったジェットバイクに乗っていると岸までの燃料が足りない、ということで、罪滅ぼしの意味もあって、自らサメの餌食になって彼女を助ける。

『アルマゲドン』の自己犠牲には鼻白んでしまう私が、なぜこの映画の自己犠牲には感動してしまうのか。B級映画が大好きだから? いや違うと思う。やっぱり、一番かわいい女の子が最終的に得をするという「映画的な正しさ」に根拠があると思う。

「おまえの両親に、俺はいい婿だったと伝えてくれ」というセリフ。おまえが言うなとも思いますが(だから突っ込んじゃダメ!)結構泣かせるセリフでもあります。

そして、ジェットバイクとサメの競走で、追いつ追われつの手に汗握る結末は……!

いやぁ、映画ってほんっとにいいもんですね!


kaijou48-4

演出も頑張ってたんじゃないでしょうか。

①登場人物と同じ海面すれすれの目線のショット
②水中から水面を見上げるショット
③俯瞰ショット

基本的にこの3つしかありませんが、組み合わせ方、つまりモンタージュがよかったと思います。でも水中ショットはやはり『ジョーズ』のようにグングン近づいてくるとかそういう……あ、いつの間にか『ジョーズ』と比較してた。これがサメ映画を語るときの「罠」なんですよね。

でもやっぱり、かわいい女の子だけが助かるという映画的な正しさですよね。

欲を言えば、バリバリ食われるフィアンセの男の首をサメが呑みこもうにもできず、ペッと吐き出したらそれが逃げる女の子の頭に当たって絶叫とか、そういう笑えるシーンもほしかった。

そう、この映画には、あまりに残忍すぎて笑えるシーンが皆無だったのが残念です。『悪魔のいけにえ』なんて笑えるシーンがたくさんありますよね。

ラスト前では、フィアンセが浮気してた相手の金髪女が腹から下を食われて鮮血にまみれるなんて結構凄惨なシーンがありましたが、あれを超えるものがなかったのは惜しい。

でも、一番かわいい女の子が助かる。男はみんな死ぬ。浮気相手も死ぬ。この映画的な正しさの前では、すべては些事にすぎません。サメ映画は永遠に不滅です!




このエントリーをはてなブックマークに追加