昨年末に仕上げたと言った三作目の小説ですが、またぞろひねくり回しています。

といいますか、ひねくり回すところがないというか。

実は、昨年末に仕上げたとき、太宰治賞なる新人文学賞に応募したんですよね。なぜ太宰治賞だったかというと、今回の作品は若いというかまだ子どもの女の子が主人公で、最終的に三人称小説になりましたが、最初はその子の一人称の語りだったんですね。

太宰には「女生徒」という女の子の一人称小説があるので、いいんじゃないかと思って出したわけです。

JK-munekyun

すると、2月末に1次審査の発表があり、いきなり沈没したのです。

手応えはあったのにおかしいなぁ、と思ってたら、読んでくれたある人が、

「あれを純文学の賞に出すのは違うんじゃないか。もっと軽くてポップなやつ、大衆文学とかライトノベルとか、そういうのじゃないと無理だと思う」

と言ってくれました。

もし、作品の質がダメなら「他のに出してみれば」なんて言わないはずなので、質はある程度いいのだろうと、大衆文学やライトノベルの新人賞を調べてみました。

しかし、文学賞ってめちゃくちゃたくさんあるんですね。シナリオコンクールなんてそれに比べたらほんのちょっとしかない。ずっとそれが普通だと思ってたから、シナリオと小説の裾野の大小に改めて驚いています。

いくつか「これに応募しようかな」というのはあったんですが、何せ、春先から脂肪肝が悪化して倦怠感に見舞われることが多く、どうにもこうにも体が動いてくれない。

食生活の改善をして、いまではだいぶ体調もよくなり、やっと先月末に原稿をプリントアウトすることもできたので(それすらできなかったのです)いま夏休みだから、どこをどう直すか検討しようと思ったわけです。

ところが……

直すべき箇所が見当たらないんですよ。いや、部分的な、語尾を直すとか言い回しを変えるとか、そういうのはあるけど、キャラクターを変えるとか、展開を変えるとか、このエピソードはばっさりカットするとか、そういう大手術の必要性が少しも見当たらないのです。

自分の作品だから甘く見ているのでしょうか? それとも本当にこれで行けてる?

よくわかりません。まだどこに出すか決めてないから、もう少し静観するか、新しいアイデアも二つあるので、それをやりつつ考えるか。

何しろ、半年以上創作から遠ざかっていたので、頭を創作モードに切り換えるのが大変。もしかしたら、治すべき箇所が見当たらないのはそのせいだろうか?


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