今回の後半戦にアニメは含まれていません。あしからず。
前半戦の6本は低調と言いましたが、後半戦の5本はどうだったでしょうか。例によって見始めた順に感想を綴ります。
『復讐の未亡人』
関西での放送はないんですが、便利な時代になったもので、ティーバーで見ています。
いまや大ブレイクと言っていい松本若菜の主演作ということで見始めました。職場のパワハラで死んだ旦那の復讐のために、名前を変えてその職場に潜入し復讐を遂行していくという、なかなか王道を行く作品です。
本丸であるパワハラ上司への復讐は第1話で終わってしまって、この先どうするのかと思ったら、第2話ではすぐ同僚に仕事を押しつけるダメ社員に鉄槌を下す。あのダメ社員のせいで夫は仕事をいくつもしょわされていたのでしょうね。
なぁんてことはどうでもよくって、松本若菜ですよ松本若菜! 世間的には「原作は大胆な濡れ場が満載なのにドラマでは控えめでがっかりした」という声が多いそうですが、私は原作を読んでないので何とも言えません。
それに松本若菜自身がOKしなければ無理ですしね。無理強いしたらいまや大問題になるし、あの程度でも我々視聴者は我慢すべき時代なのではないでしょうか。
私的には全体的に画面が薄暗いことのほうが気になります。「復讐」という題材ゆえに意図的にそうしているのか、単に技術的な問題なのかは知りませんが、いずれにしても、超絶美女が出ているからには、顔にはもっと光を当ててもいいのでは? もっと光を!
美人女優は数多いけど、「背の高い美人女優」はそれほど多くないですからね。『ミステリと言う勿れ』の刑事役はピッタリはまってたし、今回の復讐鬼も背が低ければ様にならない。映画界・テレビ界は松本若菜を必要としている。もっと松本若菜を!
『石子と羽男 ~そんなコトで訴えます?~』
有村架純はともかく、中村倫也が弁護士を演じるとなると見ないわけにはいきませんでした。あの声による弁舌は聴いてるだけで心地よさそう。しかも脚本が『半分の月がのぼる空』『小野寺の姉・小野寺の弟』の西田征史さんというのも大きなポイントでした。
が、何かごちゃごちゃしてませんか?
お話がどうこうというより、いや、それもあるけど、それ以上にカットを割りすぎでは? もっと落ち着いて役者の芝居を見せてほしい。話が二転三転するうえに、転回するきっかけがほとんどセリフだから、頭で整理するのが大変。そのうえ画面も目まぐるしく変わるからついていくのがしんどい。
一番グッときたのは、有村架純がかつての同級生に「弁護士になったんですか?」と問われるシーン。弁護士になれずパラリーガルに甘んじている彼女の心情がビンビン伝わってきました。あのシーンはカット割りも激しくなく落ち着いて見れた。ああいうシーンをもっと増やしてほしいのに、プロットを前進させることにばかり腐心しているから見ててつらい。1話でリタイア。
『運命警察』
鈴木おさむさんの脚本ということで見始めたんですが、すでに死んだ人間が生きている人間の運命が変わらないよう監視している、という世界観よりも、彼らが監視する女優志願の女の子を演じる江藤萌生(⇐「めい」と読むそうです)という女優さんに目が釘付けになりました。
松本若菜みたいな超絶美女ではなく、唐田えりかにどことなく似ている庶民派女子。
本編が終わると「メイキング of a girl」ってのが始まって、女優の道を諦めかけていた江藤萌生さんがオーディションを受ける風景が映し出され、いやいや、こういうDVDの特典映像に収録するものより本編をもっと見せてよ、と最初は思ったんですが……
オーディションに受かって家族に喜びの連絡をし、監督とのリハーサル風景があって、うまくできないと休憩室でご飯を食べながら独り泣く……なんて場面を見ていると、何だか無条件に応援したくなってきて、もう『運命警察』なんてどうでもいいから、来週からはメイキングを30分ガッツリ見せてほしいとさえ思いました。
たぶん、素の江藤萌生も女優志願者で、演じる役も女優志願だから、本編とメイキングはリンクしてるんでしょうね。この先どのような相乗効果を生んでくれるのか楽しみです。これは完走できそうな予感。
『初恋の悪魔』
『東京ラブストーリー』『花束みたいな恋をした』の坂元裕二さんの新作。実は坂本作品とは相性が悪く、面白いと思ったのは劇場映画の『花束みたいな恋をした』くらいじゃないかな。
それはともかく、この『初恋の悪魔』は、仲野太賀が「負けてる人は他の誰かを勝たせてあげている」なんてとてもいいセリフを言ったりして最初は期待が膨らみましたが、林遣都、柄本佑、松岡茉優と、出てくるメインキャラがみんな奇矯な人で白けました。ああいう変な人物は一人だけのほうがインパクトあるんじゃないですかね?
謎解きの面白さは確かにあるし、できるだけ映像で語ろうと、現実のシーンとCGを使った幻想のシーンを織り交ぜる姿勢は買いますが、いかんせん、結局大事なことはセリフで語られるばかり。そりゃ謎解きなんだからそうなるのは致し方ないでしょうが、私は好きになれないし、何より見ててしんどい。劇場映画と違って家で憩うために見るテレビドラマでしんどい思いを強いられるのはきついです。
上述の『石子と羽男』は金曜の夜10時。『初恋の悪魔』は土曜の夜10時。週末の夜遅くにはもっとほっこりする作品を見たい。ということで1話でリタイア。
私はやはり、現在のところ今年ナンバーワンの『今どきの若いモンは』みたいなオーソドックスな作りのドラマが好きなようです。
『家庭教師のトラコ』
『家政婦のミタ』の遊川和彦さんの新作。これはなかなか面白かったんじゃないでしょうか。
1万円で幸せになる方法を考えさせる。それで「志望校合格率100%」というのはちょいと無理がある気がしますが、自分の頭で考えさせる訓練をするのは大事ということでしょうか。
それより、トラコが家庭教師を引き受ける三つの条件、すなわち、「教育方針に口出ししない」「勉強しているところを覗かない」「教える日はその家に泊めてもらう」の特に三つ目が謎ですよね。なぜ泊めてもらう必要があるのか。彼女に絶賛片想い中で秘書でもある男が「おまえの本当の狙いをあの人たちが知ったらどうなるかな」と言ってましたが、気になる気になる! さすが遊川さん、次回への期待のもたせ方がうまい。
これは少なくとも3話くらいまでは見るでしょうね。そのあとはわかりませんが。
というわけで、前半戦は6本中3本でリタイアでしたが、残りの3本はいまも継続中です。特に『拾われた男』が4話目に至ってがぜんエンジンがかかってきた感じで、これは完走間違いなし。『彼女、お借りします』第2期も、2話3話とエンジンがかかってきて、水原千鶴と主人公のその後が気になるから完走するでしょう。『ユニコーンに乗って』はたいして面白くないのにずっと見てます。なぜかはわからない。
後半戦は、5本中2本でリタイア。完走の確信がもてるのは『復讐の未亡人』だけですが、今期は大不作かと思っていただけにこの転回はうれしい。もう7月も終わりに近づいているのに、11本中6本には何らかの愛着を抱いているわけですからね。
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いまや大ブレイクと言っていい松本若菜の主演作ということで見始めました。職場のパワハラで死んだ旦那の復讐のために、名前を変えてその職場に潜入し復讐を遂行していくという、なかなか王道を行く作品です。
本丸であるパワハラ上司への復讐は第1話で終わってしまって、この先どうするのかと思ったら、第2話ではすぐ同僚に仕事を押しつけるダメ社員に鉄槌を下す。あのダメ社員のせいで夫は仕事をいくつもしょわされていたのでしょうね。
なぁんてことはどうでもよくって、松本若菜ですよ松本若菜! 世間的には「原作は大胆な濡れ場が満載なのにドラマでは控えめでがっかりした」という声が多いそうですが、私は原作を読んでないので何とも言えません。
それに松本若菜自身がOKしなければ無理ですしね。無理強いしたらいまや大問題になるし、あの程度でも我々視聴者は我慢すべき時代なのではないでしょうか。
私的には全体的に画面が薄暗いことのほうが気になります。「復讐」という題材ゆえに意図的にそうしているのか、単に技術的な問題なのかは知りませんが、いずれにしても、超絶美女が出ているからには、顔にはもっと光を当ててもいいのでは? もっと光を!
美人女優は数多いけど、「背の高い美人女優」はそれほど多くないですからね。『ミステリと言う勿れ』の刑事役はピッタリはまってたし、今回の復讐鬼も背が低ければ様にならない。映画界・テレビ界は松本若菜を必要としている。もっと松本若菜を!
『石子と羽男 ~そんなコトで訴えます?~』
有村架純はともかく、中村倫也が弁護士を演じるとなると見ないわけにはいきませんでした。あの声による弁舌は聴いてるだけで心地よさそう。しかも脚本が『半分の月がのぼる空』『小野寺の姉・小野寺の弟』の西田征史さんというのも大きなポイントでした。
が、何かごちゃごちゃしてませんか?
お話がどうこうというより、いや、それもあるけど、それ以上にカットを割りすぎでは? もっと落ち着いて役者の芝居を見せてほしい。話が二転三転するうえに、転回するきっかけがほとんどセリフだから、頭で整理するのが大変。そのうえ画面も目まぐるしく変わるからついていくのがしんどい。
一番グッときたのは、有村架純がかつての同級生に「弁護士になったんですか?」と問われるシーン。弁護士になれずパラリーガルに甘んじている彼女の心情がビンビン伝わってきました。あのシーンはカット割りも激しくなく落ち着いて見れた。ああいうシーンをもっと増やしてほしいのに、プロットを前進させることにばかり腐心しているから見ててつらい。1話でリタイア。
『運命警察』
鈴木おさむさんの脚本ということで見始めたんですが、すでに死んだ人間が生きている人間の運命が変わらないよう監視している、という世界観よりも、彼らが監視する女優志願の女の子を演じる江藤萌生(⇐「めい」と読むそうです)という女優さんに目が釘付けになりました。
松本若菜みたいな超絶美女ではなく、唐田えりかにどことなく似ている庶民派女子。
本編が終わると「メイキング of a girl」ってのが始まって、女優の道を諦めかけていた江藤萌生さんがオーディションを受ける風景が映し出され、いやいや、こういうDVDの特典映像に収録するものより本編をもっと見せてよ、と最初は思ったんですが……
オーディションに受かって家族に喜びの連絡をし、監督とのリハーサル風景があって、うまくできないと休憩室でご飯を食べながら独り泣く……なんて場面を見ていると、何だか無条件に応援したくなってきて、もう『運命警察』なんてどうでもいいから、来週からはメイキングを30分ガッツリ見せてほしいとさえ思いました。
たぶん、素の江藤萌生も女優志願者で、演じる役も女優志願だから、本編とメイキングはリンクしてるんでしょうね。この先どのような相乗効果を生んでくれるのか楽しみです。これは完走できそうな予感。
『初恋の悪魔』
『東京ラブストーリー』『花束みたいな恋をした』の坂元裕二さんの新作。実は坂本作品とは相性が悪く、面白いと思ったのは劇場映画の『花束みたいな恋をした』くらいじゃないかな。
それはともかく、この『初恋の悪魔』は、仲野太賀が「負けてる人は他の誰かを勝たせてあげている」なんてとてもいいセリフを言ったりして最初は期待が膨らみましたが、林遣都、柄本佑、松岡茉優と、出てくるメインキャラがみんな奇矯な人で白けました。ああいう変な人物は一人だけのほうがインパクトあるんじゃないですかね?
謎解きの面白さは確かにあるし、できるだけ映像で語ろうと、現実のシーンとCGを使った幻想のシーンを織り交ぜる姿勢は買いますが、いかんせん、結局大事なことはセリフで語られるばかり。そりゃ謎解きなんだからそうなるのは致し方ないでしょうが、私は好きになれないし、何より見ててしんどい。劇場映画と違って家で憩うために見るテレビドラマでしんどい思いを強いられるのはきついです。
上述の『石子と羽男』は金曜の夜10時。『初恋の悪魔』は土曜の夜10時。週末の夜遅くにはもっとほっこりする作品を見たい。ということで1話でリタイア。
私はやはり、現在のところ今年ナンバーワンの『今どきの若いモンは』みたいなオーソドックスな作りのドラマが好きなようです。
『家庭教師のトラコ』
『家政婦のミタ』の遊川和彦さんの新作。これはなかなか面白かったんじゃないでしょうか。
1万円で幸せになる方法を考えさせる。それで「志望校合格率100%」というのはちょいと無理がある気がしますが、自分の頭で考えさせる訓練をするのは大事ということでしょうか。
それより、トラコが家庭教師を引き受ける三つの条件、すなわち、「教育方針に口出ししない」「勉強しているところを覗かない」「教える日はその家に泊めてもらう」の特に三つ目が謎ですよね。なぜ泊めてもらう必要があるのか。彼女に絶賛片想い中で秘書でもある男が「おまえの本当の狙いをあの人たちが知ったらどうなるかな」と言ってましたが、気になる気になる! さすが遊川さん、次回への期待のもたせ方がうまい。
これは少なくとも3話くらいまでは見るでしょうね。そのあとはわかりませんが。
というわけで、前半戦は6本中3本でリタイアでしたが、残りの3本はいまも継続中です。特に『拾われた男』が4話目に至ってがぜんエンジンがかかってきた感じで、これは完走間違いなし。『彼女、お借りします』第2期も、2話3話とエンジンがかかってきて、水原千鶴と主人公のその後が気になるから完走するでしょう。『ユニコーンに乗って』はたいして面白くないのにずっと見てます。なぜかはわからない。
後半戦は、5本中2本でリタイア。完走の確信がもてるのは『復讐の未亡人』だけですが、今期は大不作かと思っていただけにこの転回はうれしい。もう7月も終わりに近づいているのに、11本中6本には何らかの愛着を抱いているわけですからね。
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