レアル・マドリードへの移籍が濃厚と報じられていたパリ・サンジェルマンのキリアン・ムバッペが、急転直下の残留宣言をしました。

もしかしたら、とは思ってましたが、驚きました。来たらよかったのに。でも、いろんな報道を読んだら「こんな赤ん坊が来てくれなくてよかった」と思いました。

「とんでもない裏切りだ!」とスペインメディアは怒り心頭のようですが、私は彼の本性がわかったので落ち着いています。


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何でも、年俸はレアルのフロレンティーノ・ペレス会長が提示した金額の3倍だったとか。でも、それは別にいいんです。金目当てならまだ許せる。

問題は、「スポーツディレクターや監督の選定に関われることが契約条項に明記されている」ということ。

それってほとんどクラブ幹部と同じじゃないですか。会社でいえば重役待遇。監督より偉いってことですよね。新しい監督が来たとして、その人をクビにするかどうかにも発言できるわけでしょ。選手にそんな権限をもたせていいの?

そりゃパリからすれば、背後についているカタール王室が多額の金を使いながらも、当のレアル・マドリードにチャンピオンズリーグで煮え湯を飲まされたから、そのレアルに一番のスター選手を取られるなんて絶対避けたかったのでしょう。その気持ちは理解できます。

だからといって、まだ23歳の若者にそんな本当に権限をもたせていいんでしょうか。ムバッペもそのような高待遇は遠慮するべきでは?

かつて「監督より偉い」と言われた選手がいました。(かつて、といってもつい最近までそうでしたが)


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バルサで光り輝いていたリオネル・メッシ。彼はもうすぐ35歳。監督より偉いと言われるようになったのは30歳くらいからでしょう。それもクラブから与えられた権限などではなく、自分の天才的なプレーで自然と周囲からそう思われるようになっただけ。

ムバッペもそれだけのポテンシャルを秘めてるでしょうが(だからこそ来てほしかった)まだ23歳で、「これから」の人じゃないですか。まだ伸びしろのある選手に多大な権限を与えるクラブもクラブなら、そのオファーを受けて喜ぶムバッペもムバッペです。

「すべてを与えてくれたこのクラブのために」

残留を発表したときの彼の言葉だそうですが、SDや監督選定の権限だけでなく、肖像権も100%与えてくれるパリ・サンジェルマンを選んだのは、彼がまだ「赤ん坊」の証しです。すべてを与えてくれないと駄々を踏むのは赤ん坊です。


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チェルシーから加入後、3年も鳴かず飛ばずで、つい先日まで放出リストの筆頭に名前があったはずのエデン・アザールが一転、残留濃厚だとか。

何でも、3月に手術を受けてリハビリ中に、ポジションを争うヴィニシウスや同じ年頃のロドリゴらの相談を真摯に聴き、熱心なアドバイスをしていたとかで、チームメイトたちが残ってほしいと言ってるらしいし、クラブ幹部も彼の紳士的態度に共感し、「来シーズン以降はこの3年間の借りを返したい」というアザールの言葉を受け容れる模様。

レアル・マドリードにはそのような「紳士」だけしか入団できないし、そうじゃない者には出ていってもらうしかない。ペレスはムバッペに関して完全に扉を閉ざしたそうですが、そりゃそうでしょう。紳士しか入れないクラブに赤ん坊なんてもってのほかですよ。

パリ・サンジェルマンは、一人の選手に多大な権限を与えた。こんななりふりかまわないやり方は、必ず禍根を残します。もうチーム内の力関係は完全にいびつ。誰が監督になっても一つにまとまることは不可能でしょう。


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来ればよかったのにね。もういらんけど。


レアル・マドリード 専属バス運転手が語る知られざる素顔
ホセ・ルイス・カルデロン
実業之日本社
2017-10-13



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