『今どきの若いモンは』がロケットスタートを切った今季の春ドラマ前半戦でしたが、後半戦はどうだったでしょうか。例によって見始めた順に感想をつらつらと。


『元彼の遺言状』
motokareno (1)

有罪の人間を無罪にするのではなく、無実の人間を殺人犯に仕立て上げるという逆転の発想が面白い。綾瀬はるかがますます美しく眼福なのだけど、どうにも釈然としない。

撮り方にまず納得がいきません。この枠の前クール『ミステリと言う勿れ』の感想でも書きましたが、なぜ広角レンズや魚眼レンズをあんなに多用するのか。意味もなく俯瞰になったり、綾瀬と大泉洋が対面で食事しながら会話する場面でも、皿をこれ見よがしに手前において、人物を真正面から撮り、切り返す。普通に斜めからのクロースアップまたはバストショットの切り返しでいいのでは? 笹野高史が死ぬ場面でも家の中の綾瀬&大泉と、外の笹野をカットバックするんですが、何が起こっているのかよくわからない。綾瀬と大泉が部屋でそれぞれ独り言のようにつぶやくシーンも何を言ってるのかわからない。

スタイリッシュに見せようとするあまり、視聴者にとってとても不親切な見せ方になっているのはいただけません。

そして、第2話で「元彼の遺言状」の謎が解かれ、真犯人が明かされるのですが、意外ではあったけど面白くなかった。原作はこの2話までの物語らしく、いろいろ情報を詰め込みすぎというか、情報はてんこ盛りだけど、肝心要の綾瀬はるかと大泉洋のキャラクターの描き込みが足りておらず、綾瀬に至っては単に「カネに目がない弁護士」という印象しかない。美しさでカバーしてるといえば聞こえがいいですが、ただのメッキです。

3話からは綾瀬&大泉のバディものとして原作にはないエピソードが描かれるようですが、物語にばかり気を取られてキャラクター描写をおろそかにしたままなら早々とリタイアでしょうね。



『吉祥寺ルーザーズ』
ルームシェアすることになった6人の自己紹介から始まるこのドラマは、とにかくセリフがつまらない。すべて言葉で了解させようというのは違うと思うし(前回記事で絶賛した『今どきの若いモンは』は言葉なしでもわかるように作劇されていました)ボケとツッコミみたいなやりとりもいただけません。『古見さんは、コミュ症です。』での好演が記憶に新しい増田貴久主演ということで見始めましたが、15分ももたずにリタイア。


『明日、私は誰かのカノジョ』
『古見さんは、コミュ症です。』での好演が記憶に新しい吉川愛主演ということで見始めましたが、1話でリタイア。

主人公はレンタル彼女をしているゆえに、仕事中は本音を言わず、客の男にとって都合のいいウソしか言いません。だから本音をどう表現するか、視聴者にどうわからせるかが鍵なのですが、心の声をナレーション的に使うという凡百なやり方でがっかりしました。

「レンタル彼女」という主題なら、来季のアニメに『彼女お借りします』の2期が始まるのでそちらを堪能します。


『恋なんて、本気でやってどうするの?』
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広瀬すずも好きだが、広瀬アリスも好きである。しかし『恋なんて、本気でやってどうするの?』などという文章系タイトルはまったく好みではなく、こういう傾向ははやくすたれてほしいと本気で思っているから見ないでおこうと思ったのだが……結局アリス目当てで見てしまった。

1話を簡単に要約するなら、
「泣く女が嫌いな女が、素直に泣くまでの物語」

ということになりますね。最初はあんな美人が男とつきあったことないとか、ありえない設定に辟易しそうになったけど、ラストで泣くに至る、そこまでのエピソードの積み重ね方がめちゃくちゃうまい。

泣く女が嫌い、というのは、広瀬アリスの母親がいつも父親に泣かされていたからで、夫婦仲が悪すぎて、男とか結婚とかどうでもいいと広瀬アリスは自分で自分に呪いをかけてしまった。その呪いを誰が、どんなふうに解くのか、というのがこの作品の主題なのでしょうが、はてさて、この先どんな展開や転回が待っているのでしょうか。

「枷は主人公の心のあり方にこそ求めるもの」……これは笠原和夫さんの言葉ですが、この作品はまさにそれを実践していますね。素晴らしい!


『カッコウの許嫁』
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16歳になる主人公は、生まれたときに病院で取り違えられた事実が明らかとなり、相手の子およびその両親と会うことになる。
実の兄妹として育った妹は大好きなお兄ちゃんと離れたくないと言う(⇐かわいくて巨乳)。相手の女の子は金持ちのお嬢さんでカリスマモデルをやっていて(⇐かわいくて巨乳)両親たちは16年も育てた子を手放したくないと、二人を結婚させればどちらも我が子として離れずにすむと画策する。主人公は学年2位の成績で、常に1位の女の子(⇐かわいくて巨乳)から奪首して告白しようと画策している。

と、病院での取り違えなど一生に一度起こっても珍しい出来事なのに、それがすべてロリ巨乳の女子たちとの恋のさや当てのために消費されるシチュエーションに辟易。

もうちょっと真面目に取り違えという一大事件を扱うべきでしょ! とは思うが、まだ両親たちが登場してすぐに1話は幕を閉じたし、とりあえず2話は見るつもり。でもリタイアする公算が高いような……?

というわけで、前後半合わせて、いまのところ乗って見ているのは、

『今どきの若いモンは』
『であいもん』
『恋なんて、本気でやってどうするの?』

の3本ですね。今季も大豊作と言えるかどうかはもう少し様子を見てみないとね。


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