冬の新ドラマとアニメは大豊作だと言いましたが、結局、最後まで見たのは『鬼滅の刃 遊郭編』『神木隆之介の撮休』『しもべえ』『ミステリと言う勿れ』の4本だけでした。

とりわけ面白いと思ったのは『しもべえ』と『神木隆之介の撮休』で、1クールに2本も傑作があったのだから私の場合はやはり豊作と言っていいかな。『ミステリと言う勿れ』のラストには怒り狂いましたが。

今季は本数を抑えめにしようしようと思っていたのに、気づいたら結構見てました。

では、見始めた順にあれやこれやと感想を。


『ラブオールプレイ』
バドミントン経験者としては見ないわけにいかなかった。
が、脇役がみな主人公のために行動していて、主人公を甘やかしていると思う。お姉ちゃんが特にそうだけど、彼のために家庭教師を買って出たり、親身になりすぎ。「あたしはあんたがどこの高校に行こう知らない。好きにすれば?」程度にしないと暑苦しいし面白くない。

4年前に『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』という実写のテニス映画があって、画角をテレビ中継のテニスと同じ、つまり、片方の背中側から縦方向のみに限定していて斬新だったんですが、このアニメではいろんなアングルからのプレーがあり、バドミントンをどう描くかが一番楽しみだったので、やはりというべきか、拍子抜けしました。2話でリタイア。


『星新一の不思議な不思議なドラマ』
まだ第1話「ボッコちゃん」しか見てませんが、やはり星新一さんの小説の皮肉でブラックな味わいがあまり醸し出されてない気がします。たった15分の作品なのにがっつり立派なセットを作ってるのはさすがNHKといった感じ。第2話「生活維持省」以降に期待。


『処刑少女の生きる道(バージンロード)』
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異世界の日本から転生してきた「迷い人」は異能純粋概念というおそろしいパワーをもち、この世界(異世界のこと)を破滅させるかもしれないために、処刑人によって処理される。というのがこのアニメの世界観。ここまでが第1話。

メノウという主人公の処刑人はアカリという迷い人と出会い、処刑しようとするが、アカリは異能純粋概念によって不死身の状態になっているため失敗。メノウはアカリを処刑するチャンスを待つべく、彼女と行動を共にするようになる。というのが、第2話までの大まかなあらすじです。

うーん、物語の取っ掛かりまで2話を費やすというのはちょいと効率が悪いんじゃないでしょうか。普通ならメノウとアカリが旅を始めるまでを第1話だけでやらないと。『ファーストガンダム』ではアムロがガンダムに乗り込んでシャアと戦うまでが第1話で描かれるし、『エヴァンゲリオン』ではシンジがエヴァに乗り込むまでが第1話です。

異能純粋概念というのもちょいとわかりづらいし、完走できるか心配。それに最近のアニメは無駄に巨乳のキャラを出しすぎ。キャラクターグッズを売るためなのはわかるけど、あまりにでかすぎて少なくとも私は好きになれない。

でも、殺すべき相手と一緒に旅をする……というシチュエーションはとても面白い。今後に期待してます。


『であいもん』
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老舗の和菓子屋に放蕩息子が帰還してくる。ミュージシャンを目指すと言って出ていったが、父親の入院(実は痔)を知って帰ってくる。自分がやっていた下働きを幼い女の子がやっていて、自分の部屋もなく物置に寝泊まりさせられる。女の子はとてつもない働き者だが、「おまえみたいな奴は要らん」と父親に捨てられた過去があり、「役に立つ人間にならないとまた捨てられる」という強迫観念に囚われている。どうやら主人公はその子の父親にそっくりらしい。しかも母親から「あの子を養子にしてやってくれんか」と頼まれたりする。

というのが物語の設定で、なかなか面白そうで今後に期待大。こういう日常系アニメが好み。

主人公が家を出ていったのは、実は好きなことをやりたいというより、先代店主の祖父が作る和菓子が笑顔で喜んでいるようでとてもかわいく、客が買っていくと泣き叫んでいたので、祖父が「あいつはこの店におらんほうがええかもわからんな」と言ったのが直接のきっかけらしい。

周りが望む以上に働かなければいけないと思い込んでいる女の子と、彼女を裏からサポートする主人公。二人ははたして「親子」になるのか。でも当然ながら本当の父親が中盤以降で登場するはずで、ドラマが激化するのは必至。単純だけどうまい作り。私はこういう当たり前のことがついにできなかった。後悔に苛まれながら見るつもりです。


『今どきの若いモンは』
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これが前半戦ダントツトップで面白い!

右往左往してばかりの新入社員の福原遥を温かく見守るナゾ上司の反町隆史。「今どきの若いモンは」というお決まりのフレーズとそれに反した意外な言葉で彼女を癒し、彼女は彼に感謝しながらも、そのナゾを解こうとする様をコミカルに描く。

主人公の心の声が多く、基本的にこういうのは好きじゃないのだけど、一番大事なことは言葉でなくちゃんと映像で語っているので好きです。そして深刻になるぎりぎりのところで踏ん張り、コメディとして成立させているところも高ポイント。これは確実に完走できそう。

反町隆史の年輪の刻まれた顔が、主人公だけでなく視聴者をも癒す。ナゾ上司の正体というか、あの美女の正体は⁉ 


というわけで、後半戦は『元彼の遺言状』『吉祥寺ルーザーズ』などを見ようと思っちょります。


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