実は、昨夜寝る前に試合後のコメントをすでに考えていました。

「あれだけ圧倒した1stレグで1点しか取れなかったことがパリ敗退の原因だろう」

なんてね。

なにしろ、0ー1で負けたあと、レアルは何とか立て直そうとリーガ3試合を何だかんだ言われながらも全勝。直近のソシエダ戦では1点ビハインドからの逆転勝ちして士気が高まっていました。

逆に、試合は見れてないけど、パリは3試合で1勝2敗。調子が落ちている感じ。マドリディスタとしては「こりゃ逆転で勝ち上がりだな」と信じていました。

ところが……

試合が始まってみると、最初こそハイプレスを仕掛けて自分たちのペースにもっていこうとしていましたが、パリに簡単にいなされ、20分ごろにはボールを奪えなくなる。

解説の田中さんも「何だか1stレグと同じような展開に」と言ってましたし、私も同感でした。これは危ないと思っていたら、39分にムバッペのゴールが決まってしまう。もう万事休したと思いましたね。ここから3点取るのはほとんど不可能じゃないか。というか、せっかくアラバがファーを完全に切ってシュートコースはニアだけに絞っているのに、クルトワのポジショニングがおかしいよ! あれでニアを抜かれるなんて。

しかも、前半まったく精彩のなかったアセンシオをハーフタイムで下げなかったアンチェロッティにも失望しました。1点返す直前の57分にロドリゴに替えて下げてましたけど、対応が遅いんじゃないかと。

だから私も「やはり相手が一枚も二枚も上手だった。頑張ったけどこれが地力の差かな」とコメントを考え直したほど。

ところが……


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ベンゼマのハイプレスが功を奏してドンナルンマのミスを誘って1点返したときは「ひょっとして……」と思いました。

モドリッチの素晴らしいドリブル&スルーパスから2点目が決まったときは「ヨッシャ! でもまだ五分」。しかし直後のパリのキックオフからまたもミスを誘って3点目が決まったときは「勝った!」と思いましたね。

考えてみれば、2点目以外は相手のミスに乗じただけ。ただミスを誘ったのはレアルのハイプレスとあきらめずに走る! というサッカーの基本。

最近のレアルはCLだろうとリーガだろうと、相手チームより走行距離が長いなんてことがないんですが、今日は上回ってましたね。とにかく走らなきゃ負けちゃう。カゼミーロもいないし、全員でカバーしないと、と。

というわけで、今日の試合で最も胸が熱くなったシーンを三つ書いて筆をおきます。ハットトリックのベンゼマが素晴らしいのは言うに及ばず。それ以外のシーンから。


①まだ1ー1のときだったでしょうか。ミリトンが右足を痛めて倒れ込んだとき、アラバが彼の顔を両手で叩きながら檄を飛ばしていたところ。解説の安永さんも「ここがおまえの気持ちの見せ所だぞ、なんて言ってるんじゃないか」と言ってましたけど、私も同感。あの気持ちですよね、勝敗を分けたのは。

②モドリッチがメッシと並走した末に、見事なスライディングタックルを決めたシーン。バロンドーラ―同士のマッチアップでしたが、ここでも気持ちの勝ったモドリッチの勝ち。メッシはバルサにいた頃のクラシコなら負けてたらあんな呑気な顔してないと思いますが、大丈夫かな? 少しも幸せそうじゃない。バルサに戻るかもという報道を見ましたが、もし可能ならそうしてあげてほしい。(でも財政難だしサラリーキャップに違反するのでは?)

③試合終了後、モドリッチが握手を求めたムバッペが、無表情でただ彼の手を軽く触って去っていったシーン。
これは胸が熱くなったというより、「やはりパリにいたらCLのタイトルを取れない」と痛感したムバッペが来季レアルへの移籍を決断した瞬間じゃないかと思いまして。ただ、ヴィニシウスとポジションがかぶるし、どうするんでしょうね。来てほしいけど。


トータルスコア0ー2からの大逆転! やはり1stレグで1点しか取れなかったパリは後悔してるでしょうね。しかも得点を決めたのはムバッペだけ。オフサイドで取り消されたゴールもムバッペだけ。メッシはPKすら決められなかった。

結果的にあのクルトワのPKストップもものを言いましたね。あそこで決められてたら相手のホームだし、今日とは逆に一気に3点くらい取られててもおかしくなかった。

いまのところ勝ち上がりを決めたのは、

レアル・マドリード
リバプール
バイエルン
マンチェスター・シティ

ですか。どこと当たっても厳しいけど、今日みたいに気持ちで勝る、走って走って走りぬく試合を見せてほしいもんです。





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