突如入院した父親の病状について、母親と一緒に医者の話を聞きに行ってきました。

脱水症状で入院したら持病の心臓の状態が悪いので来てほしいと言われてましたが、実は脱水症状ではなく、「水ぶくれ」の状態だったらしいのです。


心不全
腎臓の状態を表す「BUN」という物質が入院時は86もあったそうです(基準値は20まで)。その数値の高さは確かに腎臓の中の水分が異常に少ないことを意味するのですが、それは脱水症状ではなく、心不全が原因だそうです。

どういうことかというと、もともとペースメーカーを入れたり、不整脈(心房細動)という慢性的な心疾患があった。心房細動も心不全のひとつだけど、今度はもっと本格的な心不全で、心臓がポンプとして働けていないとのこと。

ポンプとして血液を体に送れないから腎臓の中の水分が異常に減っていたということらしい。

肺から来た新鮮な血液が左心房に入り、その左心房から左心室に血液が送られ、そこから大動脈を通って全身に送られるのですが、左心室から左心房に血液が逆流しないよう「僧帽弁」という弁がある。この僧帽弁がうまく働いておらず、血液が逆流してしまうとのこと。


水ぶくれ
私は初めて知ったんですが、父親はちょっと前から体のあちこちがむくんでいたらしい。それは心臓が働いてないからなんですね。心臓がちゃんとポンプとして力いっぱい血液を送り出せれば、古い血液もまた戻ってこれるんでしょうけど、それができていない。

これは先生から聞いたんじゃなくて、前に本で読んだ知識だけれど、下半身、特にふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と言われていて、血液を心臓に戻す役目があるとか。父親はほとんど歩かなくなり脚の筋肉がやせ細っていたのも一因なのかな、と思います。

ともかく、入院してからの治療としては、強心薬と利尿剤の投与。この二つでいま現在はだいぶよくなっているそうです。体のあちこちにたまっていた水分を排出して体重が10キロも減ったと。つまり10リットルも余分な水分が体内に溜まっていたということ。余分な水分があればそれだけ心臓にかかる負担が増えるので、いまはだいぶ楽になっているはずとのことです。

実際、BUNも86から36に劇的に下がりました。食事はしたりしなかったり。点滴はしてないそうです。「これこれこういう理由で点滴しますね。こういう治療をしますね」と言うと「はい、わかりました!」とものすごくいい返事が返ってくるけど、すぐに点滴の針を抜くそうです。一回、血まみれになっていたこともあったとか。それでいまは点滴はまったくしていない。食事をもっと普通にできるようになれば体力も上がって退院できるようになる。でも、まったく安心できない。


もう治らない
なぜなら、心不全は進行性の病気だからだそうです。

今回悪くなって入院したけど、強心薬と利尿剤でよくなった。でも、進行性だからまたいずれドカンと悪くなってまた入院・治療をして回復し、また悪くなり……というのを繰り返すうちに少しずつ心機能は低下し、いずれ死を迎える。

この流れを止めることは不可能だそうです。もともと不整脈でペースメーカーを入れたりするなどして慢性のちょっと悪い状態で留まっていたのが、それがついに破綻し、進行性の病気になってしまった。


犬の死は無関係
愛犬が先日死んだので絶対その精神的ダメージが原因だと思ってましたが、ほとんど関係ないそうです。認知症なので死んだことを憶えられないので、入院していても犬のことはまったく話さない。だから精神的ダメージもないだろうとのこと。

つまり、犬がまだ生きていてもこうなっていたということです。


これからのこと
まず、どれぐらいの状態になったら退院して家で面倒見るかを話し合って決めてほしいとのこと。

歩けるようになったら退院なのか、それとも寝たきりでも退院させて面倒見るのか。

少なくとも寝室は一階に移さないといけない。ベッドは介護サービスで借りれるらしい。

そして、母親一人では面倒見きれなくなるだろうから、介護度を上げてもらうなどして介護サービスを受けたほうがいいと助言を受けました。

ただ、それも限度があるからいずれは施設に入れないといけないだろうと。施設も家みたいなものなので治療はできない。施設にいて容態が悪化すれば入院しないといけない。そうするうちに死が訪れる。


要点は次の2つです。

①病名は心不全で進行性の病気のため治らない。悪化と回復を繰り返して、いずれは死を迎える。この流れはもう止められない。
②退院の線はどこか。どこまで自分たちだけで面倒を見るか。どこから介護サービスを受けるか。どこから施設に入れるか。その検討が必須。




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