2021年09月03日

BSプレミアム『ダークサイドミステリー』の「なぜ人は陰謀論にハマるのか? ~イルミナティからQアノンまで250年~」をとても興味深く見た。


陰謀論とは
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何か悪いことが起きると「それは巨大な悪の組織が裏で操っているのだ」などと考えるのが陰謀論ですが、番組ではそのメカニズムが紹介されていました。

①社会に不思議・理不尽なことが起きる
②「定説」に対して疑問を感じる
③「巨大な組織の陰謀」で筋が通る
④同じような怪しい情報が集まる

すべての陰謀論はこれで説明ができてしまうらしい。

たとえば、9・11はアメリカ政府の自作自演だという陰謀論を例にとると、

①ハイジャックされたジェット機が貿易センタービルに突っ込み多大な犠牲者が出る。
②あんなに簡単にビルが崩落したのは上のほうが崩れたとき、下の階が重みに耐えきれなくてドミノ倒しのように崩れたから。という定説を疑う人々が出てくる。「あの崩れ方はビルの解体工事と同じやり方」との言説が出てくる。
③「テロじゃなくて政府がそう見せかけているのよ」という陰謀論登場。

となる。④については、20年前当時はSNSとかなかったし、どうやって同じような情報が集まったのかよくわかりませんが、口コミですかね?


アメリカで陰謀論が盛んな理由
陰謀論はいつの時代でもどこの国でもあっただろうし、いまでもあるでしょうが、アメリカで最も盛んに喧伝されている気がします。

しかしなぜアメリカなのでしょう?

出演していた学者二人のうち一人がなるほどと思うことを言っていました。

「そもそもキリスト教が陰謀論ですから」

キリスト教は「もうすぐ世界の終末が来る」と喧伝して世界に広まった。そして2000年間、終末はまだ来ない。確かイエスはそんなこと言ってませんよね。彼は敬虔なユダヤ教徒でユダヤの教えを誠実に布教しようとしただけ。犯人はパウロかな? キリスト教は別名「パウロ教」とも言われるし、「パウロなくしてキリスト教なし」とも言われるほど布教に務めた。

しかし、キリスト教を信奉する国なんて世界にいくらでもあるし、なぜアメリカでだけそれほどキリスト教の終末思想が色濃いのかという説明は何もなかった。プロテスタントが多数派なんでしょうけど、カトリックもいれば、よく知らないけどメソジストとか福音派とかいろんなマイナーな宗派が混在しているらしく、そのへんも影響してるんでしょうか?(⇐ほとんど映画で学んだ知識)

それに、終末思想といえばわが日本にも鎌倉時代に元寇があったりで末法思想が幅を利かせた。あの頃の日本にもやはり陰謀論とかあったんでしょうか?

アメリカで陰謀論が盛んな別の理由は、「アメリカは人間がすべてを設計し、計画してできた国だ(と誰もが思っている)から」というものらしいです。

このへん、岸田秀先生が『ものぐさ精神分析』で触れてたような気もするけど、とにかく、すべて自分たちの思い通りの国にしたと思いこんでいるから、自分たちの意思に反した都合の悪いことが起きると、「何か巨大な悪の組織が関与しているのだろう」と考えやすい、と。これはわかりやすい。


イルミナティ
アメリカが独立宣言をしたのとほぼ同じころ、ヨーロッパのバイエルンでは啓蒙思想を背景にした秘密結社「イルミナティ」ができる。フリーメイソンとどこが違うんだろうと思ってたけど、何とフリーメイソンに似せて作られた組織だとウィキペディアに書いてありました。

番組で語られていたのは、フランス革命に影響を及ぼしたとされるが、実はイルミナティが解体させられた後にフランス革命が起こったのが真相だということ。それ以上のことは忘れました。なぜならそのあとに出てきた情報が強烈すぎて。


ハトボット陰謀論
ジョン・F・ケネディ暗殺に関して、すぐ逮捕されたオズワルドが暗殺されたり、数年後に発表されたザプルーダー・フィルムに定説を覆す暗殺の瞬間の様子が映し出されていたりして、「CIAが主犯だ」という陰謀論が出た。

その他、いろんな陰謀論が紹介されましたが、腹を抱えて笑ったのがこれ。


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何と、すべての生身のハトが機械のハトにすり替えられていて、その機械のハトが市民の言動をすべて監視して、データをCIA本部に送っているというから面白い。

画像にあるように、ハトが電線に止まっているのは、充電するためと、データを転送するために動きを止めないといけないから、とか。

アメリカ人と十把ひとからげにするのは差別につながるとは思うものの、それでも「アメリカ人ってアホやなぁ」と思ってしまいます。


21世紀の陰謀論
番組では、トランプが当選した2016年の大統領選挙のピザゲートや、Qアノンを取り上げていました。

Qアノンとはが、2017年に登場した正体不明の人物で、SNSでQとというハンドルネームで陰謀論を展開し、その書き込みをアノン(=anonymous(アノニマス)の略語で「匿名の人物」を意味する)が広めたとか。まだQが誰かは明らかになっていない。いまではQ以外の複数の人間がQを名乗って陰謀論を展開しているとか。

ところで、番組では触れてませんでしたが、いま現在の陰謀論ってありますよね。

「陰謀」という言葉は適切ではないかもですが、コロナワクチンに関するデマ。

先ほどの公式に当てはめてみると、

①新型コロナウイルスが猛威をふるい、多くの人が感染し、死に至る。
②ワクチンを打てば感染も重症化防げるとの定説に対し、「ワクチンを打っても死んだ人がいる」という事実がもちだされ、「ワクチンって意味があるの?」との疑問が生まれる。
③ワクチンを打つと見せかけて、巨大組織の陰謀でマイクロチップを埋め込まれるとのデマが流れる。
④SNSで似た情報がどんどん入ってくる。

③に関してはマイクロチップなら陰謀論になりますが、不妊になるとかそういうデマは陰謀論ではないですね。巨大な悪の組織が関与してないから。陰謀ではなく不安を煽っている。別の番組の情報では、不妊になるというデマを流しているのはコロナ治療薬を開発している製薬会社の人間らしいですが。ワクチンで患者がいなくなると儲からなくなるからとかで。ホントかウソかは知らない。

いずれにしても、SNSが発達したいま、④で集まってくる同じような情報の量が膨大なのが何よりの問題ですね。

それに、出演していた学者さんも言ってましたが、

「昔は新聞やテレビをつけると、自分が見たい情報も見たくない情報も目に入ってきたんですね。でもいまは自分の見たいものしか見ようとしないし、それが可能。どんどん視野が狭くなってしまう」

情報があふれている時代だからこそ、我々は情報を選別しなければならない。しかし情報量が多すぎてどれが本当かわからない。そこに巨大な悪の組織が……というこじつけによってすっきり筋が通ると、コロッと行っちゃうんでしょうね。

私は基本的に陰謀論なんか信じてないし、ハトボットなんか噴飯ものだと思うけれど、でも何かの情報、どこかの組織(テレビ局、ニュースサイト)が流す情報を信じている。ツイッターでもフォローしている人のうち「この人は信用に値する」と信じ込んでいる。

陰謀論はともかくとして、情報を選別する段階で誤った情報を信じている可能性はある。↑私もウィキペディアに書いてることを鵜呑みにしている。これではいけない。

誰の言葉もどんな事例も「批判的に」見なければいけない、との思いを新たにしました。


陰謀のセオリー (字幕版)
キルク・カザート
2013-11-26





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