2021年05月16日

「あんな会社で働いていたら自分がダメになってしまうから辞めます」と言ったら主治医がたいそう喜んでくれた。昨年11月のこと。

採用した人がバタバタと連鎖的に辞めていた11月。ある同僚さんから「(会社トップの)Oさんが『人を育てるつもりはない』とはっきり明言したらしいよ」と聞いて「それが本当なら辞めさせてもらいます」と言ったら何とデマだった。Oさんは同僚さんを一人ずつ呼び出し「人を育てる気がない」と自分が言ったという噂が流れているがそれについて何か知らないか、と詰問していた。

そんなことするから変なデマ流されるんだよ。とは思ったものの、デマを鵜呑みにしてしまった自分を恥じ、同僚さんに迷惑をかけてしまったと、私はずいぶん小さくなった。で、当然辞めなかった。

あれから半年。Oさんの子どもじみた言動はまったく変わらず。12月にも連鎖退職の勢いは増した。するとOさんは人が変わったように新人を守るようになった。あれは絶対上層部から何か言われたのだ。でなければ自分の判断でできるわけがない。できるならとっくにやっている。私だって入社したころに、同期の人が同じ理由で辞めていたので「何とかしてください」と進言したことがある。Oさんはまったく聞く耳がなかった。


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部下から言われても聞く耳がない。同じことを上司から言われたら即行動。いまの日本人には普通のことかもしれないが、こういうことを「よくあること」と言っていたのでは何も変わらない。

新人を守る行動といっても、そのためにベテラン従業員を狩り出すから営業成績は落ちる。なぜ落ちてもかまわないかというと、うちは下請けなのだが親会社から特にペナルティとか業者を変えるとかの話がないから。コロナのおかげで特別措置。普通の状態ならどうなっていたか。

この半年、「こんな会社で働いていたら自分がダメになる」という思いをずっと抱いてきた。それでも繁忙期に近づくほど人が減っていくので辞めるつもりなどなかった。3人辞めたが2人は遠方に引っ越すからしょうがない。しかし1人は「辞めたいから辞める」という実に身勝手な理由だった。それをなぜ認めたのか。最悪のタイミングで辞める。それをなぜ認めたのか。

そもそも1月に1人減った時点でなぜ人を入れなかったのか。それがわからない。上層部が入れる必要なしと言ったから? しかしそれならそれで、ひとつの仕事しかできない人に別の仕事を教えるとか、二つしかできない人に三つ目を憶えてもらうとか、人を増やさずとも戦力を増やすことはできたはず。


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ということは薄々思っていたけど、あまり考えるとしんどくなるから気にしないことにしていた。が、気にせねばならなくなってしまった。

3月下旬に身勝手な理由で辞めた人間は私たちより高い給料をもらう責任のある立場だったが、その人の席に私が座ることになった。私が責任ある立場になったわけではない。あの席に座ってくれという話すらかった。何となくの流れというか、ほとんどどさくさにまぎれて、である。

私もそのときは辞めた人間への怒りで凝り固まったいたから会社への不満は感じていなかった。そんなことよりこの難局をどうやって乗り切るか、それしか頭になかった。しかし、責任のある立場ではないが、その席では電話を取らなければいけない。親会社からのクレームだったり客からのクレームもある。そのような電話を何の話もされていない、当然承諾もしていない私がなぜ取らなくてはいけないのか。

人が減っているので仕事が溜まっている。別会社へ送らなければいけない書類、客へ返さないといけない書類が溜まりに溜まっている。当然、客からのクレームもあるし、親会社から「なぜこういうことになってるの」という電話もある。私は平謝りしなければいけないが、そういうのは責任ある立場の人間が応対しないといけないのではないのか。

そりゃ私だってホテルの客室清掃をしていたときは副責任者だったから管理職の経験はある。身勝手に辞めた人間の後釜になってほしいと言われたら承諾するつもりだった。でももともと体調に不安があるからか会社からそんな話はなかった。ないのは別にかまわないが、それならどさくさにまぎれてあの席へ座らせるのはおかしいではないか。正式な話はない。給料もそのまま。で、いままでの業務量+クレームの電話応対。寝言は寝てからにしろ。

おかげで体調を崩し、先月に続き今月もたくさん休んでしまった。休み中に考えた。

「あんな会社にいたら自分がダメになる。何より体がもたない」

というわけで先週、休み明けにOさんと話をした。「なぜ正式な話もなくあの席に座らないといけないんですか」と訊くと、まったく理解できないという。逆に「あの席は特別な席なんですか?」と訊いてきた。「じゃあ誰が座ってもいいんですか?」と訊くと絶句していた。やはり特別な席なのだ。


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「何日も休んでいるくせに仕事を選ぶな」と言ってきた。「選んでなどいない」「あの席に座るのが嫌だといったじゃないか」「嫌なんじゃなくて何の話もないのはおかしいと言っているんです」と言ったが、少しも理解できないらしい。話にならない。

「1月になぜ欠員の補充をしなかったんですか」と訊いたら「何日も休んどいてそんなこと言えるのか!」と怒鳴ってきた。まるで子どもの喧嘩。喧嘩なら相手を言い負かせればそれでいいだろうが、会社と従業員の話というのは口喧嘩ではない。部下の言うことに耳を貸さない。人の話を最後まで聞かない。そういう人間は人の上に立つべきではない。


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これはもう1年近く前のことだが、Oさんの指示通りに入力したことがあった。「MG・Oの指示により」と添え書きをすると「名前を出さないでほしい」と情けないことを言ってきた。じゃあ、あなたは名前を出されたら困るような指示をしているんですか?

私がホテルで責任者として現場を回していたとき(責任者のSが休む月曜日は私が責任者だった)「すべての責任は指示した自分にある」という覚悟でやってましたよ。そのような覚悟もない人間は人の上に立つべきではない。


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Oさんは「何日も休んどいて」と5、6回言ってたけど、そのとき「おまえは定期的に休む」みたいなことを言っていた。仮病を使っているか、精神疾患は病気ではないと思っているのだろう。これを主治医に言ったらどれだけ怒るだろうか。実家のある男が似たような発言を何度もしていたけど、主治医は烈火のごとく怒っていた。次の受診の折には言わざるをえないが、いまから恐ろしい。主治医は本当の厳しさをもった人だから。

本当の厳しさといえば……

親会社のKさんから電話があって「そんなに書類が溜まっているなら本部に報告すべき」と言われた。Kさんも親会社の人間ではあるが一部署の存在にすぎないのでうちの会社にあれこれ言えない。本部へ報告せよ。当然の言い分である。それをOさんではなく、ナンバー2のC君に伝えた。Oさんは仕事に詳しくないので辞めるとかそういう話以外の職務の話は常にC君にしているのだが、目の前にOさんが座っていたから聞こえるような声で言った。あなたが戦力増強を考えないからこういうことになるんですよ、という意味をこめて。が、Oさんは我関せず、という態度。

しかも、である。C君はまだ話のわかるほうの人間だと思っていたが、その少しあと、別の入ったばかりの管理職の人に「Kさんは細かいことにうるさいんですよ」と悪口を言っていた。

それは違う。

確かに親会社の人はうちが下請けなのをいいことに細かいことでネチネチ言ってくる人が多い。でもKさんは違う。言い方はきついが、大事なことに関してズバッと一言いうだけ。本当の厳しさをもった人なのだ。他の同僚さんはどうか知らないが、私は一目置いている。

そのKさんを「うるさい人」とわが社の首脳陣は評する。なぜか。答えは簡単。自分たちが本当の厳しさをもち合わせていないからである。

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そんなところで働いていたら本当に自分がダメになる。いまはコロナで転職先が決まるのはいつのことかわからない。でもまずあそこを抜けないことには話にならない。このままあんな幼稚な人間にからめ取られるわけにはいかないのだ。

昨日は寝不足もあったとはいえ、夕方から夜半までずっと吐き気に見舞われた。最近にしてはよく眠れたほうなのでいまは何ともないが、明日から一週間もつか不安である。考えてはいけないと自分に言い聞かせているけれど「何日も休んどいて言うな!」というあの言葉で受けた傷は深い。

よく休む従業員は会社に意見する権利などないという。それは絶対におかしい。

今朝、たまたま従業員の幸福を第一に考えているという会社のドキュメンタリーを見た。すべての規則や給料までも社長と従業員全員の話し合いで決めているという。


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そういう会社もある。そういう考え方の人もいる。それを知っただけでも今日はいい日だ。

明日がある。





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