ちょいと前ですが、看過できないニュースを読みました。

何と、映画や動画などを見るときに倍速で見る若者がいまや多数派を占めると。


内容がわかればいい⁉
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何でも、いまどきの若者は「コスパ」を異常に重視するとかで、スマホでツイッターやらインスタやらLINEやらを常時見てないと安心できない。そこへさらにYouTubeで話題の動画を見たり、テレビのドラマや映画など話題の作品を見ておかないと友だちとの話についていけない。だから倍速で見るというんですね。普通の速度で見ると「時間を無駄にしている」と思うらしい。

いやはや、そんな見方をするほうが時間の無駄だとおじさんは断言します。

しかし、まだ倍速で見るならいいほうで、中には「内容さえわかればいい」と、ネタバレしているブログやらまとめサイトなどであらすじや結末を知っておけば流行に乗り遅れなくてすむと信じている輩もいるとか。


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いやはや。私が高校生ならこんな目で世をはかなんでいることでしょう。

映画や文学など「作品」のことを「コンテンツ(内容)」なんて言うようになったからこんな人たちが跳梁跋扈するようになったんじゃないですかね?

映画や文学は「時間芸術」でもあるのにその時間を味わわず、内容だけわかればいいというのは笑止千万。

なぜ笑止千万か。


健康のためなら死んでもいい人たち
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以前働いていた職場で、まさに健康のためなら死んでもいい人がいました。その人は、食事を栄養補給の時間としか考えていませんでした。

血栓を予防するにはこの食材をこう調理して夜食べるのがいい、とか、便秘を解消するにはこの食材をこう調理して朝食べるのがいい。などの健康蘊蓄をたくさん聞かされました。で、その人は食べる順番から量まですべてを管理していると。旦那さんにも「その順番は違う! これはそれ以上食べたらダメ。こっちをもっと食べて」といちいち叱りつけるんだそうです。

こんな人と結婚したら人生の墓場だと思いませんか?

食事の時間は何より団欒の時間なのに、食材に含まれる栄養素をいかに効率よく摂取するかということにしか関心がない。毎日毎晩叱られてたらストレスが溜まって逆に病気になってしまいます。

料理を食べているのではなく、栄養素を摂取しているだけ。機械に油を指すようなもの。それが「食事」ですか?

映画や動画を倍速でみて内容だけわかればいいと言っている人たちも同じです。効率よく内容だけ摂取しても、そのときの話題にはついていけるかもしれないが、長い人生の滋養にはなってくれません。心が風邪をひいてしまいます。


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これは中国の授業風景だそうです。

目を輝かせて教師の話に聞き入るのと映画や文学をじっくり味わうのは同じ。問題は量ではなく質。話題になんかついていけなくていいから我が道を行ってほしい。

すべての若者が人生の滋味を味わう輝かしい顔になってほしいとおじさんは切に願っています。


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