2020年12月27日

早いもので2020年代最初の年ももう終わり。今年は人生で一番激動の年だったような気がします。震災にサリンもあった95年も激動だったけど、あれは日本だけだし。しかも神戸以外の人たち(特に東京の人)はかなり早く震災のことは忘れてたし。今年は全世界的な出来事ですからね。しかも100年に一度という。

というわけで、今年も書籍のベストテンを選んでみました。10冊(マンガはひとつのシリーズを1冊とカウント)に絞り切れなかったので正確にはベスト11ですけど。

胸躍らせながら読んだマンガ、深く考えさせられた本、著者の心情に泣けてしまった本。。。

一冊以外はすべて読んだときに感想を書いており、リンクを貼ってますので、興味のある方はどうぞ。


青い秋
中森 明夫
光文社
2019-10-25


アイドルについて書かれた回想記でもあり、同時に日本の伝統である「私小説」(「わたくししょうせつ」と読みます)の傑作でもあります。

「私は成熟を果たせなかった」というフレーズは私自身にも当てはまります。『レイジング・ブル』の主人公のように、後悔ばかりの日々。生きるとは、歳を重ねるとは後悔の経験を積むことと同義なのかもしれません。


民衆暴力(藤野裕子)


これは今年読んだ歴史本では傑出していましたね。古市君の『絶対に挫折しない日本史』を最近読んだんですが、固有名詞や年号など暗記せねばならないと学校で言われるものをできるだけ使わずにわかりやすく日本史を解説していて好感をもちましたが、この『民衆暴力』はわかりやすいばかりでなく、いまにも噴火しそうなマグマのように大量のエネルギーと熱をもっており、圧巻でした。


この町ではひとり(山本さほ)


今年は山本さほというマンガ家を知った年でした。目下の代表作とされる『岡崎に捧ぐ』も読みましたが私はこちらのほうが好みかな。それに神戸が舞台ですしね。だいぶ誇張が入ってると思いますが。


誰も気づかなかった(誰も気づかなかった)
誰も気づかなかった
長田 弘
みすず書房
2020-05-07

最も好きな詩人、長田弘さんの最新詩集が出たのは事件でした。亡くなってもう5年たちますからね。コロナで会社が二班体制になり、一日おきに休日だった5月、緊急事態宣言下でほとんど街に人がいないときにサイゼリヤで読みました。

心に染み入る言葉の数々。オサダ節炸裂の一冊。長田弘を知らない人にぜひ手に取っていただきたい。


深夜のダメ恋図鑑(尾崎衣良)


今年は尾崎衣良というマンガ家を知った年でもありました。中野信子さんの『キレる!』で紹介されていて読んでみたんですが、最初はいかにも少女マンガ風の絵が好きになれず途中でやめようかと思ったほどでしたが(だって私ゃあの名作と言われる『ポーの一族』を最初の10ページほどで挫折したままなのです)読み進めるうちに男社会に生きる女たちの怒りが実に痛快というか。私は男ですが、このマンガで描かれるダメンズほどにはダメじゃないし。

でも、ダメな男にも少しはかわいさがあったりと、著者が一方的に男を悪者扱いしていないのが素晴らしい。やはり「善と善」の対立が必要なのですね。


⑥猫町(萩原朔太郎)
猫町 他十七篇 (岩波文庫)
萩原 朔太郎
岩波書店
1995-05-16


これ、前から読みたい読みたいと思いながらなかなか読む機会がなかったんですが、もっと早く読むべきだったと思わされました。こういう幻想譚は好み中の好み。


変半身(かわりみ) (単行本)
村田沙耶香
筑摩書房
2019-11-28


村田沙耶香といえば、やはりおととしの『地球星人』が最高傑作だと思いますが、この『変半身(かわりみ)』も著者特有の「宗教」を隠れた主題にした一作でとても面白かった。ジャンルは『猫町』と同じ幻想譚なのでしょうが、テーマの追究に独自のものがあり、そこらへんで好みが分かれるのでしょうね。私はどちらも好きだけど。

宗教の奥にある「真理」とは何なのか。村田沙耶香ならそこへ到達できるのではないか。これからのさらなる飛躍に大期待!


この国の不寛容の果てに 相模原事件と私たちの時代(雨宮処凛)

私の中の「内なる植松聖」を考えるのに最適な一冊でした。しかもあの事件だけを考察するのではなく、もっと視野を広く、グローバルな視点で書かれているのが素晴らしい。


積読こそが完全な読書術である(永田希)
積読こそが完全な読書術である
永田 希
イースト・プレス
2020-04-17


積読とは過去の自分と未来の自分の邂逅であり、それはつまるところ「歴史」である。


壇蜜日記(壇蜜)
壇蜜日記 (文春文庫)
壇蜜
文藝春秋
2014-10-10


前からこの人はいいセンスをしていると思っていましたが、実際に読んでみて「やはり!」と得心しました。表現の仕方がとてもユニーク。2巻を買いました。


番号は謎(佐藤健太郎)
番号は謎(新潮新書)
佐藤健太郎
新潮社
2020-08-19


これはいいかな、と一度は思ったけれど、やはり捨てきれなかった。番号・数字にまつわるトリビアが満載。『5時に夢中!』エンタメ番付で中瀬親方がこういうトリビア本を横綱に選んでいたのがとても意外というか印象的。

上記11冊のうち、何と3冊もがエンタメ番付で知った本でした。中瀬親方、どうもありがとう!

『行動経済学の使い方』『ペルソナ 脳に潜む闇』『聖なるズー』あたりも印象深かったです。

ワーストを選ぶなら、職場の同僚さんが貸してくれた『流浪の月』(凪良ゆう)を。理由が知りたければリンク先の記事を読んでください。これが本屋大賞? 

この記事は益田ミリさんの『今日の人生2』を読んでから書こうと思ってたんですが、図書館から借りてる本がそれこそ積読状態で、今年中には読めそうにありませので。無念。


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