また性懲りもなくおまえは……とか言われそうですが、またぞろ小説を書き始めました。

といっても、いつものごとく「考え始めた」だけですけどね。

そういえば、こないだ仕上げた小説はいま文學界新人賞で選考中なんですがどんな結果になるやら。しかし応募総数が2000を超えるんだから変な期待はやめて新作に打ち込みましょう。

ということで考え始めたのは、最初は、ちょっと前まで職場にいた人を主人公にした物語でした。

タイトルだけは決まっていました。

『私はデキる女』

まぁ、そういう人でしたね。このブログでもたびたび書いてましたから気になる人は遡って読んでくださいませ。自分の無能さを少しも客観視できず、主観的に「デキる女」と錯覚しているという、何ともおめでたい人でした。

『悲情城市』のホウ・シャオシェン監督は、かつて、

「主観と客観の間の緊張が私は好きなのです」

と印象的な言葉を語っていました。デキる女という主観とデキない女という客観の間の緊張を、はたして主人公の一人称、つまり主観的な語りで語るべきなのか、それとも、三人称で客観的に描くべきなのかと考えていたら、途端にいやになったのです。

なぜかって?

だって、完成するまで何か月もの間、その人が頭の中に棲むわけでしょ。そんなの絶対いや!!!(職場の重鎮的存在の人にも「そんなんやめとき」って言われたし)

というわけで、まったく別のアイデアを思いつきました。


JK-munekyun

こんなおっさんが言うと絶対笑われますが、「女子高生の胸キュンを描く」のが主題です。

アイデアというよりほんの思いつきですが、あるシチュエーションが頭に浮かんだんです。

で、そのシチュエーションは高校でないとだめなんです。中学でも大学でも職場でもだめ。高校でないとありえないシチュエーションなんですよね。

で、そのシチュエーションに男子を放り込むとどうなるかというのはもちろん考えましたけど、やっぱりそういう行動(←どういう行動かは企業秘密)って女子のほうが様になるのでは? と考えて「主人公は女子高生」と決まりました。

胸キュンについてはまだまだわかりませんね。

そういう方向に行くんじゃないか、という予想が支配的ですが、もしかすると別次元の話になるかもしれない。

まだ主人公の最初の行動からどういうリアクションが返ってくるか見えてこないから話が駆動しないのです。

何しろ一週間も仕事休むほどの体調不良に襲われたのでね(ほんと「しんどい」というより「苦しい」一週間でした)

前作も登場人物の名前がお話に一役買う内容でしたが、今回もそうなりそう。というか、もう考えてます。

はっはっは。そういうところだけ仕事が速い。

しかし一番の問題は一人称で書くべきか、三人称で書くべきか、ですね。いまのところ二人称と一人称の経験しかないんですが、まぁどちらも本質的には一人称。つまり三人称の経験なし。どういう題材が三人称向きかがわかっていない。ということはつまり、どういう題材が一人称向きかもわかっていないということ。

でも、脚本家を目指していた人間(三人称でしか物語を紡いだことがない人間)がジム・トンプスンへの憧れだけで小説を書くんですから、やっぱり一人称で書いたほうがいいかな。

なぁんてことを思う秋まっただなかの夕暮れでした。


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三作目の小説はビルドゥングス・ロマン!(自己を形成する過程)
演戯が好きだから物語を書いているのかもしれない

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