早いもので、もうすぐ4月なんですね。ついこないだ年が明けたような気がしますが。

さて、4月といえば入学式ですが、今年の4月に小学校に入学する人が2013年の4月2日から2014年の4月1日までに生まれた人というのはもはや常識です。

でも、学年そのものは「4月1日から翌年の3月31日まで」なのになぜ4月2日生まれから新学年なのか知っていますか?

私は日本年金機構で働いていたときに職員に教えてもらいました。

突然、話は年金のことに変わりますが、ある人が3月31日で退職したとします。すると厚生年金の資格も喪失しますよね。

その場合、資格喪失の日にちはいつになるか。書類には「3月31日退職」と書かれてあっても社会保険オンラインシステムでは「4月1日資格喪失」になるんです。

その理由を職員に尋ねたところ、こんな答えが返ってきました。

「それは民法の規定によるんです。3月31日に資格喪失にするとその日の0時、つまり3月30日の夜の12時で退職したことになる。つまり31日退職なのに30日退職になってしまう。だから3月31日いっぱい会社に在籍していたのならその翌日を資格喪失日にしないとシステム上不都合が生じるんです」

あ、なるほど。じゃあ、4月2日生まれから新しい学年というのも同じ理由なんですね?

と訊いたら、その通りですと。

「3月31日退職なら4月1日厚生年金資格喪失になる」を逆にして応用すればいいわけです。

つまり、4月1日に生まれたら、何時に生まれようと民法の規定ではその日の0時、つまり3月31日の夜の12時に生まれたことになる。つまり民法上は3月31日生まれ。だからひとつ前の学年になるわけです。

4月2日生まれなら民法上は4月1日生まれになる。だから「4月2から翌年4月1日生まれまでが同じ学年になる」というわけです。

言われたみたら、なぁ~んだ、ってな感じですが、こういうところにも「現代社会はフィクションでいっぱい」という日頃の私の主張が如実に表れているな、と。

だって、いつ生まれても法的には前日に生まれたことになるんですよ。いつ会社を辞めても年金的には翌日に辞めたことになるんですよ。これが「フィクション」でなくて何なのか。

法律なんて実在しません。実在しているとみんなが思い込んでいるだけです。


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