1月23日に放送されたクローズアップ現代+『データが浮き彫りに! 知られざる痴漢被害の実態』を見ました。

傍観者効果
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痴漢は電車内だけで起こるものではなく、明るい広場など衆人環視の場でも起こるという衝撃の内容でした。

なぜそのような場で痴漢が起こるか、はたまたなぜそのまま犯人が捕らえらないかというと、「傍観者効果」が働くから、ということだそうです。



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自分が助けなくても誰かが助けるだろう、近くには交番もあるし大丈夫だろう、という感じでみんな立ち去ってしまう。

特に日本人には傍観者効果が強く働いてしまうような気がしますが、番組内で告発されていた「痴漢を見て見ぬふりをする人たち」には複雑な思いを禁じえません。

電車内で痴漢に遭った女性が男の手を掴んで「この人、痴漢です!」と叫んでいるのに、みんな寝たふりやケータイを見たりして助けてくれない。

私がそこでその男を捕らえられるかというと、かなり微妙です。

なぜか。

私自身が痴漢に間違われたことがあるからです。


痴漢に間違われた
といっても警察に突き出されたわけではありません。

ある電車の扉付近で立って本を読んでいたんですが、前の女性が押されてどんどん密着してきたので、窮屈な右足を比較的すいている左足の近くに動かしたんですが、そのとき右足の太ももが女性のお尻をなでる形になってしまったんですね。手で触れたと誤解した女性はキッと睨んできましたが、それだけですみました。あのとき「この人、痴漢です!」と言われて警察に突き出されていたら……

両手は本をもっていたので目撃者が名乗り出てくれたら無罪放免ですが、目撃者にも「傍観者効果」が働いて名乗り出てくれなかったら有罪率99.9%の日本の司法では確実に有罪にされていたでしょう。


真の問題は……
痴漢は性犯罪である以上に「弱い者いじめ」の卑劣極まりない犯罪だと思うけど、もし私のように痴漢していないのに「この人、痴漢です!」と言われていたら、と思うと、捕らえようとしても二の足を踏んでしまいそうな気がする。もし無実ならその人の一生を台無しにしてしまうわけでしょう?

だから傍観者効果も大きな問題だけれども、真の問題は「有罪率99.9%」というこの国の司法のあり方にこそあると思った次第です。



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