大阪府が公立小中学校へのスマホ持ち込みを解禁するニュースが1週間たっても巷を賑わせているようです。

直接のきっかけは昨年6月の震災で、安否確認のためということらしい。

しかし、いくら安否確認のためといっても、スマホを解禁したら依存症になる、授業が混乱する、スマホをもってない子がいじめられるなどなどいろんな反対の声が上がっているようです。


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もっと外で遊べ
私はこのように休み時間に外で遊ばずスマホをいじる子どもが増えないように工夫するなら別にいいと思っています。

依存症については、すでに依存症の子どもってたくさんいると思う。学校が終わったらスマホばっかり見てるとか。いまさら学校で解禁したところでそういう子が増えるとは思わない。いま依存症じゃない子は学校に持ち込んでも依存症になることはないでしょう。

逆に、これをいい機会に外で遊ぶ楽しさを教えてやってほしい。
最近は公園とかでも鬼ごっことかかくれんぼとかドロケイとか缶蹴りとかやってる子どもたちはほとんどいませんよね。子どもの数自体が減っているのもあるんでしょうが、外で遊んだら危険だとアホな親が禁止してる場合も多そう。

特に小学校で大事なのは勉学よりも体力作りだと思う。体育と食育をきちんとするならあとはそれほど大きな問題じゃないだろうし、安否確認できる利点のほうが多いのではないか。


全体食教育を!
食育といえば高校時代、保健体育の先生が、

「いまは魚を切り身で食べるやろ。あれはアカン。ちりめんじゃことかめざしとか、その生物のすべてをいただく『全体食』が大事」

と言っていました。

全体食? それがスマホ解禁と何の関係が?

国語の教科書ですよ。

日本の国語の教科書では、作品の抜粋しか載ってないじゃないですか。あれ、ほんとよくないと思う。ひとつの物語を最初から最後まで全部読むのが大事。

また、世界史の先生はこう言っていました。

「欧米の学校では、ある本を読んでレポートを提出するという課題がある。学校の図書館に生徒の数だけ本をそろえているからそういうことができる。日本の学校は1冊ずつしかないからとうていできない。世界史を理解するために必読の本がたくさんあるのに子どもたちに読ませることができない」

と嘆いていました。

だから、スマホなどタブレット端末の持ち込みOKにすることで、電子書籍で読めるようになるんじゃないか。あの先生の夢がかなうんじゃないか、という期待があるんです。

私自身は電子書籍が苦手です。兄貴がキンドルで中島敦の『山月記』を読んでるというので見せてもらったことがあるんですが、大好きな作品なのに少しも頭に入ってこない。でもデジタル・ネイティブ世代ならそんなことはないでしょう。むしろ日本の学校図書館に世界の古典を生徒の数だけそろえるなんて金銭的にも無理だろうし、そもそもそんな巨大な図書館を置ける土地がないのだから、スマホなどで電子書籍を読めることは教育効果が高いと思う。

家で読んだらいい?

いやいや、教室でみんなと同じものを読むのがいいんじゃないですか。ブックマークとかも簡単にできるだろうし、授業で聞いたことを書きこんだりもできるんじゃないの? よく知らないけど。

それに家で独りで読むと黙読になるでしょう? みんなで音読するのが大事だと思う。寺子屋みたいに『論語』の素読をするとか。そのためには『論語』をまるごともってないと。

マンガもいいと思うんですよ。下手な小説よりマンガのほうが面白いし真実に迫ったものは多い。「学校でマンガなんてけしからん」とか言う保守的な人間は相手にしないほうがよろしい。真面目なテーマを扱ったマンガばかりじゃなくてギャグマンガとかもね。教室全体が笑いに包まれるなんて素敵。

国語は教育の基幹だから安否確認だけに使うんじゃなく、「読書における全体食」の楽しさ、大切さを子どもたちに教えてやってほしいと思います。

もちろん費用は税金で。自費だと家で読むことすらできない子もたくさんいるでしょうし。出版社も学校が買うぶんについては大幅に安くするとかね。再販制度があるから無理? いやいや、そういうのを変えていくために国会があるんでしょ。


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