何と主演の波瑠までが「こんな女は嫌い」と言い切ってしまうほど最低最悪な主人公を軸に物語が展開する不倫ドラマ『あなたのことはそれほど』。

前回から最低女の不倫に激怒した最低夫の反撃が始まりましたが、結局最低同士の闘争に収まってしまうのか、とだいぶガッカリしたんですよね。

でも、昨日の第6話はちょいと一味違いました。

前回までの記事
①不倫映画の最高傑作を超えられるか⁉
②快作ならぬ「怪作」の誕生⁉
③史上最低最悪のヒロイン⁉


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互いに伴侶を寝取られた男と女。
彼らのさらなる反撃というか狂気の沙汰が描かれるわけですが、私はやはり「いまこの時代・この国で不倫を描くならこうやるべし!」という作者たちの意気を感じるんです。

この時代・この国で、というのは、昨年のゲス不倫騒動からの「不倫バッシング」の背景にある、「不倫は絶対に許されないことである」という「正論」をどうドラマに活かしていくか、ということです。

参照記事
『人はなぜ不倫するのか』(学校化するニッポン①)

この『あなたのことはそれほど』でその「正論」を代表するのが、この人ですね。


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大政絢演じる主人公の親友が、説教するシーンがありましたが、あまりに正論すぎて鼻白んでしまいました。あんな説教されるくらいなら、東出昌大のようにトチ狂ってくれたほうがまだましだと私なら思います。

だから、作者のメッセージもそこにあるのかな、という気がするんです。

東出昌大だって「不倫なんか絶対許されない」と考えているわけですが、彼は「第三者」たる大政絢と違って「当事者」ですから。

昨今の不倫バッシングで罵詈雑言を浴びせてるのってみんな「第三者」です。なぜ何も関係ない人、何の縁もゆかりもないネット住人たちがなぜあそこまで批判できるのか私にはさっぱりわかりません。

不倫というのは、その夫婦とか親子とか要は家族の問題でしょ。だから、家族から非難されるのは当たり前だし、家族に対して謝罪するのも当然でしょうが、不倫した芸能人が「お騒がせしました」となぜ世間に対して謝らないといけないのか私にはまったく理解できません。


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『あなたのことはそれほど』は、しかし、そのさらに上を行こうとしています。双方の伴侶にばれてしまい進退窮まった有島に対し、波瑠は「逃げよう」と誘います。ここからどう展開するのかわかりませんが、当事者にすら謝らない彼らに、当事者たる東出昌大と仲里依紗がどういう手を打ってくるのか、はたまた少しも自分の説教を聞き入れてもらえず「逃げられた」と愚痴るしかない第三者・大政絢が次にどんな説教を用意しているのか。

興味はまだまだ尽きません!



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