昨日始まった波瑠主演の『あなたのことはそれほど』。
15分拡大版とは思えないほど短く感じられ、非常に濃密な1時間余でした。 


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とにかく、波瑠がいいですね。前クールの『お母さん、娘をやめていいですか?』は話がつまらなくて途中で見るのやめちゃいましたが、この『あなたのことはそれほど』はかなりのロケットスタートと言っていいのでは?

波瑠が「昭和の女」というのもいいですね。「神林さんって昭和ですね」ってよく言われるのでね。ははは。

運命の恋を信じる乙女チックな主人公が結婚したあとに初恋相手と再会。しかし、その初恋相手の妻は運命の恋など信じないかなり現実的な女で…。

という、幾重にも葛藤が織り上げられた見事なシチュエーションだと思いました。

ただ問題は…

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東出昌大のキャラクターですね。おとなしいけど実はちょっぴり肉食系で…というのはいいんですが、波瑠が寝言で初恋相手の名前を口にしたときから「ちょっとこの人おかしいのでは?」という感じになっちゃった。

不倫映画の最高傑作はいまだにデビッド・リーンの『逢びき』だと思っています。ある人妻が男と密会を重ねるが最後に別れて夫の元に戻る物語。

その夫が、実は妻の不倫に最初から気づいていて、「君はずいぶん遠くまで行っていたね」と温かく迎え入れてやるところが終幕なんですが、「夫がとてもいい人」というのがミソだと思うんです。

いい人なのに他の男とデキちゃうから、あぁそこまで好きなんだな、本気なんだな、と思えるんですが、例えば『失楽園』などでは、役所広治の妻も黒木瞳の夫も最低な奴なんですよね。こんなのが配偶者なら不倫しても仕方ない、と思わせたいのでしょうけど、不倫相手が好きなんじゃなくて、ただ単に夫が/妻が気に入らないから誰でもいい、というふうに感じられてしまう。

だから、この『あなたのことはそれほど』でも、最初は東出昌大がいい人だったから「これはもしかしたら『逢びき』を超えるんじゃないか⁉」と本気で思いましたが、途中から異常者めいてくるので幻滅しました。

ただ、これからどうなるかはまだまだわかりません。

第2話以降に大期待です。


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