今日はちょいと気合を入れるために、泣く子も黙る『ロッキー』を見ました。


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いやぁ~、もう何回見てるかわからないけどまたしてもボロ泣き! アドレナリン全開!!!
これで気合充分。逆に今夜眠れないかも、と、そちらのほうが心配なくらい。

さて、この『ロッキー』ですが、前から不満なことがありまして。

それは映画じゃなくてファンのほう。

「スポーツを題材にした映画で主人公が最後に負けるのは『ロッキー』が初めて。画期的だった」
「最後で負けるのがいいんだよな。あれで勝っちゃうと嘘くさくてつまらない」

という言説が(いまだに)あること。

最後に負けるですって?

そりゃ、試合には負けましたよ。はっきり「勝者は、アポロ・クリード!」とアナウンスされますからね。

でもロッキーってアポロと戦ってたの? 違うでしょ。

ロッキーの目的は「負け犬を返上すること」です。

プロボクサーとはいえ、いつまでたってもうだつが上がらず、町の若者からは完全にバカにされている。借金取りのパシリをして何とか生計を立てている。

そんな彼にタイトルマッチの話がもちあがって「負け犬返上」から一時的に「アポロに勝つこと。世界チャンピオンになること」へ目的が変化しますが、タイトルマッチ前夜、会場を下見しに行ったロッキーが家に帰ってきてエイドリアンに言います。

「ダメだ。勝てっこない。でも試合は負けてもいい。相手は世界チャンピオンだからな。でも、最終ゴングが鳴ったときにまだ立っていられたら、負け犬じゃないってことを証明できる」

ロッキーは目的を元に戻します。
だから最後の試合でロッキーが戦っている相手はアポロではなく自分自身。

『ロッキー』の物語を簡単に要約するとこうなります。(脚本家の高橋洋さんが教えてくれました。「ログライン」というやつです)

「うだつの上がらないボクサーであるロッキーに世界タイトルマッチの話が舞い込み本気で練習に打ち込むが、試合前夜に勝てないと悟り最終ゴングが鳴ったときに立っていられるかどうかに賭ける」

最終ゴングが鳴ったとき立っていられたんだから、あれは「勝った」んです。

ロッキー自身が言いますよね。「アポロが勝ったという判定ですが、それについてどう思われますか?」との質問に、

「そんなのは偉い人たちが決めることだ。俺には関係ねーよ。エイドリアーーーーン!」って。


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普通、こういう映画では、観客は主人公に感情移入して見ているわけで、主人公にとってどうでもいいことは観客にとってもどうでもいいことのはずなんです。

なのに、アポロに負けたから「ロッキーは負けた」と思っている人は、「心」ではなく「頭」で映画を見ているのだと思います。

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ロッキー (字幕版)
シルベスター・スタローン
2015-10-07



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